オープンアクセス誌の出版状況を調査する「SOAPプロジェクト」の第1次結果

欧州委員会(EC)等の資金援助のもと実施されている、オープンアクセス(OA)誌の出版状況について調査するSOAP (Study of Open Access Publishing)プロジェクトの第1次の結果が、2010年9月14日付けで公表されています。同プロジェクトは2009年3月から2011年2月までの期間で実施され、今回結果がまとめられた第1フェイズで提供(offer)の状況が、第2フェイズで需要(demand)の状況がそれぞれまとめられ、第3フェイズでそれらを統合した結果が示されるとのことです。第1フェイズの調査では、1,809の出版社の2,838の英語のOA誌が分析対象となっており、出版点数、刊行開始年、収入源、分野、ハイブリッドオプション(非OA誌の論文をOAとするオプション)、著作権などについての分析がまとめられています。最後のディスカッションの部分では、主な結果として、次のような点があげられています。
・毎年少なくとも12万点のOAの記事が公表されている。
・この10年間では、毎年200から300の新たなOA誌が刊行されている。
・出版社ごとのOA誌の数は偏りがあり、少数の大規模出版社が大多数の雑誌や記事を出版している。大半の出版社は1誌のみの出版である。
・大規模出版社は科学・技術・医学(STM)分野での活動が特に盛んである。
・大規模出版社はクリエイティブコモンズ・ライセンスを使用することが多い。
・12の大規模出版社の8,100タイトルのうち、25%のタイトルがハイブリッドオプションを提供している。

First results of the SOAP project. Open access publishing in 2010
http://arxiv.org/ftp/arxiv/papers/1010/1010.0506.pdf

“First Results of the SOAP Project. Open Access Publishing in 2010″(2010/10/6付けDigitalKoansの記事)
http://digital-scholarship.com/digitalkoans/2010/10/06/first-results-of-the-soap-project-open-access-publishing-in-2010/