デジタル形式での歴史研究、その成果の発表場所を欠く(記事紹介)

2010年10月5日の“The Chronicle of Higher Education”に、デジタル形式での歴史研究の発表を巡る問題が掲載されています。記事では、アメリカ歴史学協会の“Robert Townsend”氏による、4,000名の歴史研究者を対象とした調査を紹介しており、その調査対象者の多くがデジタル形式での研究成果(例えば、インタラクティブな地図やオンラインデータベース等)の発表に挑戦したいと考えているものの、それをオンラインで発表できる学会誌がごくわずかしか存在しないことを指摘しています。そのため、現在、デジタル形式で歴史研究を行っている研究者は、その成果の多くを伝統的な学会誌以外の領域で、すなわちブログやWikipediaなどで公開しているとのことです。また記事では、デジタル形式で歴史研究を発表できるようにするためのプロジェクト“Sustaining Digital History Project”や、デジタル形式での歴史研究の成果の具体例として、ヴァージニア大学の“The Texas Slavery Project”やスタンフォード大学の“The Spatial History Project”等を紹介しています。

Historians Are Interested in Digital Scholarship but Lack Outlets (2010/10/5付け The Chronicle of Higher Educationの記事)
http://chronicle.com/blogPost/blogPost-content/27457/

Sustaining Digital History
http://digitalhistory.wordpress.com/

The Texas Slavery Project
http://www.texasslaveryproject.org/

The Spatial History Project
http://www.stanford.edu/group/spatialhistory/cgi-bin/site/index.php