公共図書館と電子書籍の関係についての報告書(米国)

米国の州立図書館機構の長で構成されるCOSLA(Chief Officers of State Library Agencies)が、公共図書館と電子書籍との関係についての報告書を公表しています。報告書は、COSLAの電子書籍リーダーに関するタスクフォースがまとめたもので、プレスリリースでは、電子書籍リーダーの価格は近いうちに図書館利用者の多くが購入可能な価格まで低下するので電子書籍リーダーの利用可能性について図書館が心配する必要はない、ということを前提とした上で、公共図書館における課題として、次のような点を示しています。
・コンソーシアムでの購入などにより、図書館の購買力を高める必要がある。
・Internet ArchiveのBookServerなどのサービスの利用も検討すべきである。
・図書館の電子書籍サービスは出版社にとって脅威でなく助けとなるものであることを示すための研究が必要である。
・公共図書館は自己出版を支援し、その電子版の提供も行うべきである。
・著作権やフェアユースの問題について意識を高め、意見を交わす必要がある。
・紙の本から電子書籍に移行していくに従い、図書館スペースの使用方法の再検討や新しいサービスへの取組みを行うべきである。

STATE LIBRARIANS’ REPORT SUGGESTS WAYS TO ADVANCE EBOOK SERVICES(プレスリリース)
http://www.cosla.org/documents/eReader_Press_Release140.pdf

COSLA: eBook Feasibility Study for Public Libraries(本文)
http://www.cosla.org/documents/COSLA2270_Report_Final1.pdf

Final Report on E-Books & Public Libraries from Chief Officers of State Library Agencies (COSLA)(2010/7/28付けResourceshelfの記事)
http://www.resourceshelf.com/2010/07/28/final-report-on-e-books-public-libraries-from-chief-officers-of-state-library-agencies-cosla/