児童へのグラフィックノベルの貸出しを拒んだ職員が解雇された事件のその後(米国)

2009年10月に、米国ケンタッキー州ジェサミン郡の図書館の貸出担当職員2人が、性的な表現が含まれるグラフィックノベル(漫画の一種)を11歳の児童に貸し出さなかったことが貸出の規則に反するということで解雇されましたが、School Library Journalに、その続報が掲載されています。解雇の後には検閲や所蔵資料をめぐって論争が起こり、それを受けて、同図書館は、グラフィックノベルを再分類し、配架場所もヤングアダルトコーナーから遠い場所に変更したとのことです。なお、解雇された職員の1人は、該当資料について、制限図書に申請したものの受け入れられなかったため、利用できないように自分が繰り返し借りつづけていたところ、予約が入ったため、今回の事態に至ったとのことです。ALAの知的自由部のCaldwell-Stone氏は、このような問題をめぐっては、十分な情報が提供されないと、理性的な対話ではなく反射的な反応が起こりがちであるということに懸念を示しています。

KY Library Relocates Graphic Novels After Staffers Fired(2009/12/9付けSchool Library Journalの記事)
http://www.schoollibraryjournal.com/article/CA6710782.html

KY Library Fires Circ Staffers for Refusing to Check Out Graphic Novel(2009/11/4付けSchool Library Journalの記事)
http://www.schoollibraryjournal.com/article/CA6705443.html