米国書店協会、人気作品安売りに関して司法省に調査を求める書簡を提出

米国では、Wal-Mart社、Amazon.com社、Target社によるベストセラー作家の新作予約販売の値下げ競争が話題となっていますが、これに関して、米国書店協会(ABA)が2009年10月22日付けで、司法省に対し、調査を求める書簡を提出しています。以下のような点に言及しています。
・小売業者(書店)は出版社から表示価格の50-55%で仕入れており、今回のように35ドルの本を9ドルで売ると、1冊当たり8.5ドル以上の損失が発生するはずである。
・3社は支配的な地位を得るために、損を覚悟で売っている。
・書籍は他の商品と異なり表示価格があるため、販売で得られる利益の限界がある。
・書籍にかかる費用は一冊ごとに異なり、一律の価格をつけるのは書籍という概念の価値を損なう。
・このような価格競争が続くと、中小の書店は閉店せざるを得ず、大手のみが書籍産業で力を握ることになる。

ABA Asks Department of Justice to Investigate Bestseller Price Wars(ABAのウェブサイトより)
http://news.bookweb.org/7130.html

米書店協会が司法省に調査要請-アマゾンの値引き、「略奪的」と主張(2009/10/23付けBloomberg.co.jpの記事)
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=av8eO1g10Sfo

American Booksellers Association Sends Letter to Feds Re: Book Price Wars from Wal-Mart, Amazon and Target(2009/10/23付けResourceShelfの記事)
http://www.resourceshelf.com/2009/10/23/american-booksellers-association-sends-letter-to-feds-re-book-price-wars/

参考:
ベストセラー作家の新作ハードカバーの安売り競争、激化(米国)
http://current.ndl.go.jp/node/14984