3.1.1 主要な媒体の分析

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 本節の目的は、日本における電子書籍の流通をになう媒体について、媒体の現状を明らかにし、それぞれの媒体のもつ特徴を明示することである。ここではデバイスに備えられた(または追加した)通信機能を介してコンテンツを入手し利用する、以下の媒体を取り上げることとした。パッケージ媒体として流通する「パッケージ系」についてはここでは言及しない。

  • 携帯電話
  • PC
  • モバイル情報端末(通話・通信機能を含む情報端末およびゲーム端末など)

 

3.1.1.1 携帯電話

 

(1)配信キャリア

 携帯電話の通信事業者は通称、配信キャリアとか、単にキャリアと呼ばれている(以下本稿では、「キャリア」と記す)。総務省認可を受けた事業者であり、現在日本には5社存在する。エヌ・ティ・ティ・ドコモ(docomo)、KDDI(au)、ソフトバンクモバイル(SoftBank)、ウィルコム(WILLCOM)、 イー・モバイル(EMOBILE)である。

 主なキャリアの通信規格(方式)は右の通りである。

 

表3.1 携帯電話の通信規格

 2G世代3G世代
日本PDCCDMA2000
cdmaOneW-CDMA
韓国cdmaOneCDMA2000
 W-CDMA
GSM(850/1900MHz)CDMA2000
cdmaOneW-CDMA
D-AMPS 
iDEN 

 

 a)累計契約数(2008/9現在・推移)

 

表3.2 携帯電話契約件数

 2007年9月2008年3月2008年9月
携帯電話契約数99,333102,724104,833
携帯IP接続契約者数86,53188,68689,727
3G契約数79,32288,09793,653
定額制加入者数31,03336,18039,734
3.5G契約数18,69729,77038,599

※モバイルコンテンツフォーラムが電気通信協会と各社発表資料をもとに推計したもの

 

 携帯電話は、アナログ方式の「第1世代」(1G世代)、次いで登場したデジタル方式の「第2世代」(2G世代)、「第3世代」(3G世代)を経て、現在(2009年1月)の主流は、3G世代に高速データ通信規格に対応した、いわゆる「3.5世代」(3.5G世代)と呼ばれるものに、急速に移行している。

 通信方式は各世代内においても、複数の規格が並立しており、2G世代携帯電話はGSM方式が世界的に主流であったが、日本では、GSM方式は採用されなかった。そのために日本は携帯電話において独自の閉鎖的な環境のなかで市場が形成されていった。3G世代携帯電話では、2G世代携帯電話での全世界共通化が実現されなかった反省から、同一規格の採用が試みられたが、結果としてW-CDMA方式とCDMA2000方式が並行採用という形となった。

 

 b)デバイス機種

 現状携帯端末の機種は、主要3キャリアで合計340機種ほどが、市場に存在していると言われている。但し『ケータイ白書2009』のデータから、各キャリアの人気の上位31機種の販売割合を計算すると、docomoで56%、auで63%、SoftBankで75%となり、いずれも多数を占めている。従って現有する機種の種類の多寡について特別な意味があるわけではなく、極めて早いスピードで新機種への移行が進んでいく市場であることが特徴と言えよう。また各キャリアとも上位31機種のなかに占める3.5G機種の割合は極めて高く、auにおいては全機種が3.5Gとなっている(1)

 

 c)売上推移(コンテンツ全体)

 

図3.1 電子書籍の市場規模の推移(単位:億円)

図3.1 電子書籍の市場規模の推移(単位:億円)

出典:『電子書籍ビジネス調査報告書2008』 4頁

 

 『電子書籍ビジネス調査報告書2008』によると、携帯電話でのコンテンツ市場を含む、電子書籍全体の販売規模は、2007年度で355億円といわれる。このうち携帯電話コンテンツは283億円を占めるとされている(2)。参考として、同報告書の刊行が開始された2002年度以降の市場推移を、図3.1に示す。

 当然のことながら、これらの売上推移は有償販売コンテンツをもとに示されたものであり,販売コンテンツに対する対価を集積したものである。いわゆる配信サイトの広告収入などについては一切含まれていない。

 

 d)一人当たり月額使用料(全体と電子書籍)

 『電子書籍ビジネス調査報告書2008』には、1ヶ月当たりの電子書籍平均購入金額についての調査が示されている。これによると有償電子書籍利用者のうち、月額300円以下が35.0%、月額500円以下が26.8%、月額1000円以下が18.9%であるという(3)。購入冊数も月間2冊以内が全体の46.7%を占めている。一般的に女性の購入冊数は男性のそれにまさっており月間3冊が22.4%、年代的には男性10代で月間購入2冊以上が75%を示しているのに50代では50%までとなっている(4)

 

(2)配信コンテンツとしての電子書籍

 

 a)電子書籍配信公式サイト数

 携帯電話のコンテンツ配信に関してはキャリアが公認する「公式サイト」がある。ここではキャリアの定める基準にしたがってコンテンツの流通が行われると同時に、料金の徴収もキャリアの通信料金と一緒に行われる仕組みとなっている。一方で料金徴収をキャリアに頼らず、独自の方法や基準でコンテンツ配信する「一般サイト」が存在する。キャリアの基準とは別に独自(勝手)に運営するという意味から、通称「勝手サイト」とも称される。

 「公式サイト」は一般にはコンテンツプロバイダ(CP)と呼ばれている。このCPの数は2005年には50サイト程度であったが、2008年12月の段階で600サイト以上にものぼっている。

 

 b)電子書籍配信:公式サイトと一般サイトの課金の仕組み

 公式サイトとなるためには各キャリアの定める基準をクリアする形で申請・認定のプロセスを経る必要がある。認定されることによって公式サイトとして販売サイトの運営が認められ、キャリアは当該サイトのコンテンツ販売の料金を代行徴収する。キャリアは一定期間ごとに代行徴収した売上を当該CPに支払う。この際キャリアは当該CPの売上からキャリアの代行手数料を差引くことになる。

 一般サイトはキャリアの運営するコンテンツ配信サービスを受けることなく、しかし原則キャリアの基準とは異なる独自の基準にしたがって配信サービスを行うものであり、キャリアによる料金徴収代行のサービスを受けることはできない。従って一般サイトは独自の決済機能を準備するか、決済代行を行うサービス提供会社との契約によってコンテンツの販売・配信を行うことになる。

 

図3.2 公式サイト・一般サイト配信図

図3.2 公式サイト・一般サイト配信図

 

 c)ビューア・アプリの実態

 携帯電話で電子書籍コンテンツを利用できるようにするためのビューア・アプリケーションはさまざまに存在する。ここでは現状市場に影響力を持つ代表的なビューアであるブックサーフィン(BookSurfing)、ブンコビューア(XMDF)、フラッシュ(Flash)を念頭におき言及したい。

 携帯電子書籍ビジネスの流れを見ると、出版社(権利元)とコンテンツ関連各社(取次・コンテンツ制作会社・コンテンツプロバイダ)に分類される。さらに、コンテンツ作成の過程においては、紙やコンピュータデータなど、さまざまなフォーマットからなるコンテンツのオリジナルソースから、専用ビューアで利用できるようにするためのコンテンツ制作ツールが準備されている。コンテンツを制作あるいは準備する側は、この制作ツールに依拠する形で生産を進めることによって、配信・課金に深く関わるキャリアの推奨するビューアで円滑な利用環境を提供することができる。専用ビューアに対応するフォーマットで制作されたコンテンツはキャリアに渡され、専用ビューアを通じて利用者(読者・ユーザー)のコンテンツ利用を可能とする。

 これが一般的な公式サイトを利用したコンテンツ配信の流れである。ここでは公式サイトを管理運営するキャリアとビューアメーカーが強い提携を保っている。推奨とまでいかないまでも、キャリアは実勢として人気コンテンツを送り出すビューアを無視することはできない。ビューアを通じて人気コンテンツが提供される、すなわちビューアはコンテンツを囲い込んでいる状態といえよう。したがって、ビューアの選択如何が、売上に関わる問題となる。さらに有力なコンテンツを提供するするビューアによって、サービス上のトラブルを未然に防止し、コンテンツ流通の秩序をある意味で制御することも可能となると考えられる。その意味において積極的、あるいは何らかの協力関係をもってキャリアは専用ビューアの推奨をはかっていく立場にあるといえる。

 

図3.3 キャリア公式サイトを通じたコンテンツ配信の流れ

図3.3 キャリア公式サイトを通じたコンテンツ配信の流れ

 

 一方で一般(勝手)サイトでの電子書籍ビジネスにおいては、ビューアはむしろ携帯電話の端末本体(ハード)にあらかじめ組込まれたものを前提に流通している。すなわち、CPは端末ハードに組込まれたビューアを前提に、電子書籍コンテンツを配信すればよいことになる。しかし、あらかじめ組込まれたビューアである以上、バグ等による修復変更、バージョンアップについては大きな問題を抱えざるを得ない。たとえばアドビ(Adobe)のFlashプレーヤーは、ハードに組込まれたビューア・アプリケーションとして有名だが、新しい端末と従来の機種では、アプリケーションのバージョンはまちまちになる傾向が、現実に存在する。またFlashは電子書籍専用のビューアだとはいえない。さまざまな表現に活用できるアプリケーションを電子書籍のビューアとしても利用しているに過ぎない。したがってコンテンツ配信にあたっては、送り手側に課せられる複雑な負担は、避けられない。

 

 d)コンテンツ数及びコンテンツ・ジャンル(特徴・数量)

 携帯電話向け電子書籍のもっとも大きな特徴は、漫画コミックの圧倒的な多さであろう。売上の大きさもこれに準じている。出版界の売上低減の状況を反映して、出版社は紙媒体の雑誌での連載、「コミックス」と呼ばれる単行本の刊行、文庫本での出版、そして電子版という従来の展開順序から、相対的に電子媒体を格上げして、展開順や時期を従来よりも早め、コンテンツ数も強化する傾向にある。そのような戦略変更のもと、携帯電話向け漫画コミックコンテンツの数量は、飛躍的に上昇している。

 今回の調査により主な出版社から報告されたコンテンツの数量は以下の通りである。

 

表3.3 取次店におけるタイトル数

取次店名2007年新刊タイトル数
(1月~12月)
これまで販売してきた
電子書籍総タイトル数
現在提供中の
総タイトル数
モバイルブック・
ジェービー
約16,000タイトル/30,000話数(2008.3末)
エヌ・ティ・ティ・ソルマーレ3,707タイトル
(新規に刊行したタイトル数)
9,833タイトル携帯電話:9,833タイトル
ビットウェイ約30,000点PC:30,000タイトル
携帯電話:20,000タイトル
パピレス8,400タイトル
(PC、携帯電話の重複除く)
90,000タイトル
(PC、携帯電話の重複除く)
iNEO約2,000タイトル
(2007.11、千代田WEB図書館)
約4,000タイトル
(2008.4現在)

 

表3.4 出版社における主なコンテンツ分野

出版社名コミック写真集文字物その他
講談社
(少年、青年、少女、
レディース、ホラー)
 
集英社  
小学館
(フィクション、
ノンフィクション)
 
PHP研究所  
(ビジネス、自己啓発、文芸、児童書)

(絵本)
イーブックイニシアティブジャパン○(95%)○(3%)○(3%) 

 

表3.5 出版社におけるタイトル数

出版社名2007年新刊タイトル数
(1月~12月)
これまで販売してきた
電子書籍総タイトル数
現在提供中の
総タイトル数
講談社PC:680タイトル
携帯電話:400タイトル
集英社411タイトル
(話数:36,947話)
小学館101点以上2,000タイトル弱
(コミックが大半)
PC・携帯電話:1,200タイトル
CD/DVD-ROM:30タイトル
PHP研究所約250点895タイトル
(PC、携帯電話共通
タイトル数)
左記の他
CD-ROM:50タイトル
DVD-ROM:100タイトル
専用端末:140タイトル
イーブックイニシアティブジャパン約7,500作品PC:26,000作品
携帯電話:350作品

 

 一方独自に調査したところ、主要3キャリアでの携帯電話向け電子書籍コンテンツの配信ファイル数は、230万ファイルを越えているものと思われる。この数字は、3キャリア合計のものであること、また携帯配信のファイルは、ファイル容量を通常1.5MB以下にパッケージする場合がほとんどであることから、単行本1冊分を複数ファイル(多くは6~10ファイル程度)に分割している場合が多い。これらを考慮してタイトル数を推計すると、現在市場で流通する携帯電話向け電子書籍のタイトル数は、およそ15万作品程度ではないかと考えられる。ここでいう作品とは単行本の1冊を単位としたものである。

 

3.1.1.2 PC

 

(1)PC向けコンテンツ配信及び販売の実態

 

 a)販売サイト(有償市販コンテンツ)

 『出版年鑑』2008年版には、電子書籍21,364点が収録されている(5)。この数字は1章でも取り上げているが、電子書籍を販売する10サイトからの情報を収集したもので、各サイト間の重複は除いていない。多巻物を1点とカウントしているため、それを展開すると78,675点、さらにオーディオブック825点、CD/DVD-ROM344点、オンデマンド出版707点も電子出版物として収録されている。インプレスR&Dの『電子書籍ビジネス調査報告書2008』では、10の主な電子書籍販売サイト(PC)のタイトル数単純合計が28万917点、これ以外のPCおよび携帯サイトのタイトル数も加算して32万点、重複を差引約15万点と推定されるとしている(6)

 このような出版統計は、電子書籍を実際に販売しているサイトからだけの集計である。収録されていない電子書籍群が多数存在している。

 

 b)ファイルフォームとビューア(Viewer/Reader)

 PCをベースとした電子書籍コンテンツのファイルフォーマットとビューアには、現在のところさまざまな種類が存在する。

 全世界的に普及するものとしてはアドビのPDFが有名である。もっともPDFは多岐な用途として利用されているものであり、そうした利用の1つとして電子書籍のフォーマットとする方法があるということである。

 

 c)ダウンロードファイルのDRM

 デジタル著作権管理(Digital Rights Management:DRM)についての概要は他に譲るとして、限定的にユーザー(読者)にダウンロードされた電子書籍ファイルのセキュリティ、不正コピーの防止という観点からのみ言及したい。

 現在のDRMの考え方は多岐にわたり一様にとらえられるものではない。一般的に完全なDRMというものは存在しない。また先端技術の特徴として、先端ほど古びやすいという矛盾のなかにあり、厳密に技術に依存すればするほど、技術的な陳腐化を招きやすく、かえってコンテンツそのものの商品価値を減ずる結果を引き起こす。またDRMに含まれる高度な技術は、それを利用するものへのライセンス料金へとはね返ってくる。何よりも問題となるのは、読者に複雑な操作を求めるという決定的な負荷が生じてしまうことだ。悪意を持つユーザーはともかく、善意の読者に対する使いにくさは、もっとも回避したいことであり、利用手順の複雑化は読者にとって何のメリットもない。しかし善意と悪意を区別することは現実的に不可能であり、一様に操作性をダウンさせざるをえない。たとえばパソコンの全システムをカバーすることはできず、DRMのためにWindowsにのみ対応、Mac OSは切り捨てというようなことが罷り通っているのが現状である。

 著作物の保護に関連して、漫画コンテンツ等の画面のキャプチャー(静止画像)作成に対する拒否感が、版元には強く存在する。しかしこれを防止する有効で低廉な方法はなく、無理に導入しても上記に示した操作の複雑化は免れない。漫画は画像コンテンツであることから当然といえば当然だが、平然と印刷物からスキャンして不正流通が横行している現実を無視して、電子書籍コンテンツのDRM導入に執心すること自体大きな矛盾を孕んでいると言わざるを得ない。DRM導入による操作感の悪化と、コンテンツ保護への要求の着地点として、PC向けのDRMとして定着しているのは「ゆるやかな」DRMであり、何らかの形で出所を明示する、通称「フットプリント」と呼ばれる方式である。購入者に関する情報が電子的に刻印され、コンテンツの不正コピーとともに、刻印もまたコピーされるという抑制効果を狙ったものである。

 

表3.6 主要電子書籍フォーマット、ビューアと対応DRM一覧

フォーマットビューワ対応OS特徴DRMについて問題点
.bookT-TimeMac
Win
WindowsMobile
ダウンロード型。縦書き横書き自在。ウィンドウサイズに合わせた再レイアウト。読み上げ対応(Winのみ)。携帯BookSurfingコンテンツへのコンバート可能WindowsのPrintScreenキーは無効にしている。コピーの物理的なプロテクトは行なっていないが、ファイルにフットプリントを埋め込む事で、心理的なコピープロテクトをかけている。物理的なコピーは可能
CrochetMac
Win
非ダウンロード型。Webブラウザのプラグインにて動作。大容量のコミックコンテンツも瞬時に表示可能。ユーザーごとに閲覧ページ数の制限などの立ち読み設定が可能。ファイルとして取得することはできない。WindowsのPrintScreenキーは無効にしている。システムの構築の必要あり。
XMDFブンコビューワWin
WindowsMobile
携帯電話
ザウルス
アクオス
電子辞書
ダウンロード型。Macには非対応ではあるが、母体がメーカーなので、シャープの製品(PCの他、携帯電話、ザウルス、WindowsMobile、電子辞書、液晶テレビのアクオス)などのビューワも用意している。ファイルの物理的なコピープロテクトは行なっていない。ファイルにフットプリントを埋め込む。Mac版のビューワがない。
Ebiebi.BookReaderWin
iPhone
ダウンロード型だが、ファイルアクセスをサーバで管理。文字ものでも、画像化された版面を表示する。WindowsのPrintScreenキーは無効にしている。サーバでファイルの管理をしているので、コピープロテクトは行なっている。トランクルームという機能を使って、サーバ上で購入したコンテンツ管理ができる。別の端末にコンテンツを移したら、戻さなければ再度読めない。
PDFAdobeReaderMac
Win
WindowsMobile
携帯電話
ダウンロード型。印刷用のDTPデータをそのままPDFにできる。対応プラットフォームも多いが、携帯などのデバイスでは縦書きなどが正しく表示されない事がある。暗号化してパスワードを入力しないと表示できないようにする機能あり。印刷用のDTPデータからそのままPDFにするのは簡単だが、DTPデータの転用ではPC上読みにくい。最初からPC上でみることを前提にして制作したものならその問題はない。
Keyring PDFキーリングライブラリ+AdobeReaderWin標準のPDFに対して、閲覧するための鍵(キー)をつけてコピープロテクトを実現したもの。キーリングライブラリを使ってファイルに鍵を付けるコピー防止方式。Macで使用できない。
swfFlash PlayerMac
Win
携帯
非ダウンロード型。Flash Player(Webブラウザのプラグイン)で表示する。本来はゲームやアニメーション向けのものなので、表現力は豊か。以前は、通信されるデータを抜き出す事が簡単にできたが、現在では暗号化したデータを送受信する事も可能になった。しかし暗号化したファイルのデコードにやや時間がかかるため、動作が重く感じることがある。Flash Playerに依存していることにより、Flash Playerのバージョンアップ、仕様変更などによる影響を受けることがある。
FlipBookFlipViewer(最新版はFlashを使用している)Mac(2008/10でサポート終了)
Win
本のインターフェイスでページをめくるようなイフェクトで読む事ができる。 採用例が少ない。動作速度が遅い。

 

 ダウンロード型の典型的な販売サイトとして、イーブックイニシアチブジャパンの「eBook Japan」がある。

 販売電子書籍コンテンツ数は、2008年1月現在26,649作品である。「eBook Japan」は独自開発のファイルフォーマットとビューアがあり、DRMも施されている。対応システムはWindowsのみ、Mac OSでは機能しない。PC中心に展開しており、携帯電話向けコンテンツの販売は外部に委託している。ただし携帯電話向けのコンテンツ数はPCに及ばない。PCを中心に販売コンテンツの権利処理を行っていたことと関係すると思われる。

 最近同社は、eBook Japanで購入した作品を、“iPhone 3G”(以下、原則としてiPhoneと表記)でも利用できる仕組みを開発し公開しているが、こうした他媒体への対応を電子書店側の判断で行うことに難色を示す出版社・版元もある。そのため全ての作品がiPhoneで利用できるようにはなっていない。なおiPhone関連事項は後述する。

 

 d)非ダウンロード型(期限付き閲覧許諾など)

 従来、電子書籍はユーザーが対象コンテンツを自分のPCへダウンロードして利用することが基本的な「かたち」であった。だが近年のPC用電子書籍の傾向として顕著になってきたのは、インターネット接続環境が進化して、「どこでも」接続型の環境が徐々に浸透してきたことにより、電子書籍コンテンツ利用のスタイルに変化が生じていることである。すなわちコンテンツをダウンロードしない、インターネットへの常時接続を前提とした読書スタイルの浸透である。この場合、コンテンツ配信側のサーバに自分の「本棚」をつくり、どこからでもアクセスできるようにする。購入した電子書籍は「本棚」に納められ、たとえ使用するPCが自分のものでなかったとしても自身のID/パスワードでコンテンツの利用が可能となる。この方法ではそもそも、ダウンロードという考えはないのであって、したがってダウンロードされたコンテンツの不正コピー等を防止するDRMへの対応の必要性もない。さらにユーザーの購入したコンテンツを一定の期間だけ利用可能とする「時間制限閲覧」のような販売方法も可能になる。

 講談社は「コミックプラス」という自社運営サイトにおいて、非ダウンロード型の書籍サイトを公開している。ここでは講談社発行のマンガ雑誌のほとんどが、冊子版の発行と同時に「立ち読み」として公開され、一定限のページ数を読むことが可能である。これを冊子版の販売促進につなげている。またシステムによる制限はなく、Windows/Mac OSともに問題なく利用できる環境も、提供可能となった。一定時間の経過後は冊子版から電子へと有償販売のターゲットを切替え、引き続き展開する。すなわちPC上ではまず、冊子版の新刊プロモーションとして電子書籍を活用し、しかる後にPCや携帯電話向けを含む電子媒体による販売の流れが築かれている。かつて雑誌連載から単行本、文庫本と流れていった紙媒体での販売スタイルが、ここでは電子に置き換わり同じような流れを形成しつつあるといえるだろう。

 「Yahoo!コミック」は同様に非ダウンロード型のいわゆる広い意味での「ストリーミング」式の販売サイトを構築している。Yahoo!コミックの場合、講談社のような出版社とは異なり、純粋に書店としてのビジネスを進めることができる立場にある。したがって、出版各社の電子書籍コンテンツを広汎に集めて取扱うことが容易にできる強味を持っている。取り扱いタイトル数は当然にも増大する。ただし対応システムはWindowsのみである。

 

 e)サービスの特徴(立ち読み、印刷の可否、書棚管理、音声読上など)

 電子書籍の基本的な特徴は、物理的な形状を保持しない純粋コンテンツであるということができるだろう。つまり電子書籍コンテンツ自体に物理的な形態や重量はなく、記憶媒体のなかに格納される性質のものである。一方で、だからこそ可読に際しては表示のためのデバイスを必要とし,コンテンツを格納するメモリーあるいは情報を取り込む通信機能を必要とする。

 以上の前提に立って電子書籍の特徴的なサービスについて言及する。

 

立ち読み:

 物理的な形状をもたないコンテンツの中身は、読者が購入前にあらかじめ見あらためることに適していない。これは通常の本(書籍)との決定的な違いであろう。本の場合、書店に陳列される商品としての「本」そのものが見本である。そこで電子書籍では、立ち読みとしての見本を本来の商品とは別に用意し、一定の制限(多くは部分的な利用)をもって提供している場合が多い。あるいは時間制限を設けて、全ページを一覧できるサービスを提供しているものもある。

 

印刷の可否:

 購入した電子書籍をプリントアウトして読めないかという読者の要望がある。電子書籍を印刷できるようにすることは、技術的に可能である。しかしこれを許容するかしないかは出版側の判断による。多くの出版社の判断は印刷を拒絶している。出版社は基本的に紙媒体の書籍を販売しており、同一作品の電子書籍を発行した場合のプリントアウトの許可は、紙媒体の作品との営業的競合を生じるという判断をしているからだと思われる。

 将来、紙媒体を販売しない出版社は当然に出現するであろう。その際、この出版社はプリントアウトを拒否するだろうか? 印刷の可否は書籍それ自体の営業的な軸足がどの媒体にかかっているかによって、判断が大きく揺れ動くことだろう。

 

書棚管理:

 従来からの電子書籍ビジネスではファイルのダウンロードが主流であった。インターネットの常時接続環境が徹底するなかで、必ずしも読者のパソコンにファイルをダウンロードすることもなく、読者が必要なとき書棚にアクセスすることで閲覧が保証できるようになってきた。読者にとってみれば購入した電子書籍を保守管理する必要もなくなり、また一方で出版元としては不正コピーへの複雑なDRMの対処からも解放され、本を一定時間の閲覧権として販売もできるというメリットも得ることになる。その意味でバーチャルな自分の書棚を持つことは今後ごく普通の読書スタイルとして当たり前に浸透していくのではないだろうか。購入した電子書籍は一定期間あるいは半永久的にネット空間の何処かに格納されており、読者を判別するID/パスワードによって、ネットにアクセスできるどのマシンからでも読めることになる。当然「しおり」を挟んだり、メモ書きをしたりという付加サービスの発展にもつながる諸機能を有することになるだろう。

 

音声読上げ:

 パソコン上のテキスト情報を読上げるスクリーンリーダー機能は、徐々に当たり前のものとして浸透してきている。この点は2章の視覚障害者の読書と電子書籍の可能性で触れたとおりである。視覚的な障害をもつ人ばかりではなく、高齢化などによる視力の低下などによって、電子書籍の音読の必要性は明らかになってきている。電子書籍は特にパソコンでの音読には適した条件を備えていると言ってよい。すでに視覚障害者向けのさまざまな音読ソフトも開発されている。こうした技術と電子書籍のフォーマットやビューアの開発技術が手を組むことによって、健常者、視覚障害者の区別なく、同一の電子書籍が両者の読書を可能にする状況が生まれつつある。

 

3.1.1.3 モバイル情報端末(スマートフォン、通信機能付き携帯ゲーム機)

 

 プラットフォームのオープン化に従って、日本の携帯電話キャリアが先行して推進してきたネットワークと端末が一体で提供される垂直統合型プラットフォームは転換の岐路に立たされている。次世代高速通信技術のモバイルWiMAXは2009年に開始予定であり、2010年には3.9Gと呼ばれるLTE(Long Term Evolution=3Gの長期的進化・発展と称する延命策)に携帯電話はシフトしていく動きを見せている。両者は要素技術において非常に似通ったものを共有するため時期を同じくして導入が図られていくものと考えられている。

 パソコン向けCPUの最大手ベンダーであるインテル(intel)社が提唱する、新世代のモバイル・インターネット・デバイス(MID)の浸透もあり、圧倒的に優位を誇ってきた携帯電話市場は、パソコンに侵食され、あるいは取り込み、融合しながら機動性の高いモバイル情報端末として発展していく様相を示している。巷間いわれている「Beyond PC」「Beyondケータイ」の世界である。

 2008年7月に世界的に導入開始となった“iPhone 3G”やそれを追うかたちの“Android”を搭載するモバイル機は、こうした動きの先駆けとなった。以下こうしたモバイル情報機器としての端末(ゲーム機等を含む)について言及する。

 

(1)「スマートフォン」と総称されるモバイル情報端末(iPhone、Windows MobileやAndroid搭載端末など)

 日本ではかつてPDA(Personal Digital Assistant)というモバイル情報端末が人気を得た時代があった。携帯電話の隆盛と高機能化によってPDAは日本では姿を消したかに見えていたが、PDAに通話・通信機能を搭載したものが米国を中心にして広く普及をしている。こうしたPDAに電話機能が備わったものを「スマートフォン」と総称している。

 アップルは2007年夏に携帯電話と“iPod”を融合させたiPhoneを導入、翌2008年夏には3G世代携帯電話に対応したiPhone 3Gを日本を含む世界で導入した。グーグルは携帯電話向けOSとしてAndroid(アンドロイド)を無償提供し、これを搭載した携帯電話機能を持つモバイル情報端末は2008年秋から、米国で導入が開始されている。このようなスマートフォンの流れは、“Windows Mobile”でも、世界的な大手の携帯電話メーカーであるノキア(Nokia)の採用する“Symbian(シンビアン)OS”でも既に実施あるいは計画されている。ここでは既に市場での実績と期待をもって迎えられているiPhoneとAndroidについての配信・流通の概要について触れる。

 

 a)アップルのiTunesとApp Store

 日本においてiPhoneは、携帯電話としてソフトバンクモバイルが販売を行っている。しかしiPhoneを使ったコンテンツ配信に関しては、アップルが直接管理運営するiPhone向けのアプリケーションダウンロードサービスである“App Store”を通じて行われている。App Storeでの電子書籍コンテンツの販売を行うためには、コンテンツを制作する開発者としての登録(認定)を行い、アカウントを取得しなければならない。これはiPDP(iPhone Developer Program)と呼ばれる手続きによって行われる。電子書籍コンテンツの配信をしようとすれば、このiPDPを独自に取得するか、iPDPを既に取得している第三者のアカウントを利用することになる。

 

図3.4 App Storeの配信

図3.4 App Storeの配信

 

 b)グーグルのAndroid Market

 グーグルのAndroidは携帯電話端末のOSを提供することから、アップルのiPhoneとは異なり“Android OS”を搭載する複数のメーカーによる複数の端末が市場導入される可能性が高い。その意味では複数のメーカーによる複数の端末に向けたアプリケーションあるいはコンテンツの配信に対しては、“Android Market”と呼ばれる配信サービスが準備されている。電子書籍コンテンツに関して言及するならば、アップルのように単一の配信・販売の仕組みの中でビューア・アプリケーションやコンテンツを管理する方式ではなく、ここではAndroid端末へのビューア・アプリケーションと電子書籍コンテンツとは分離した形で、Android OS搭載端末に配信されていくであろうと考えられる。

 

(2)携帯型ゲーム機

 携帯型のゲーム機は強力な画像・映像表示能力を持ったハイエンドな情報機器であるといっていい。とりわけ近年では小型化、高機能化への長足の進歩を遂げている。また新しいゲーム機のほとんどは通信機能を保持しているものが多い。任天堂のDSiやソニーのPSPなどはWi-Fi接続可能な無線LAN機能を装備しており、この通信機能を介してそれぞれの販売サイトへ直接アクセスでき、コンテンツを購入する仕組みが準備されている。通信機能を持たないものでも微小なメモリーカード等を介してPCからゲーム機専用のコンテンツをダウンロードさせることもできる。このようなことから、ゲーム機は必ずしもゲームだけの専用機ではなく、モバイル情報端末としても十分な機能を有していると言ってよい。従って漫画やアニメ、写真集、ライトノベル等のコンテンツが、ここで大きな市場を形成するであろうことは予想されることである。また家庭用ゲーム機である任天堂WiiやMicrosoftのxboxも含め、ゲーム機へのコンテンツ配信はすでにスタートしている。

 コンテンツ配信をおこなう運営会社は、コンテンツを供給する出版社との提携関係を強化し、配信条件に合致したコンテンツ制作のツールなどを提供する、または制作そのものを請負う形をとっている。また配信会社が出版社との合弁会社をつくる例もある。

  • a. 任天堂DS→配信会社:am3
  • b. 任天堂Wii→配信会社:リブリカ(講談社、小学館、集英社、角川書店、トーセ)
  • c. PSP   →配信会社:ソニー・コンピュータエンターテイメント
  • d. Xbox   →配信会社:Microsoft

 

(3)読書専用端末

 第2章でも取り上げたように、これまで日本において導入された読書専用端末は、いずれも成功したとは言い難い。ここではそうした失敗例については触れないが、日本にはまだ導入は始まっていない、アマゾンの読書専用端末“Kindle”については、言及しておきたい。

 Kindleには今までの読書専用端末の失敗を踏まえた対応がなされている。そのもっとも特筆すべき点として、Kindleには3G世代携帯電話のデータ通信を内蔵したことである。Kindleはダイレクトに電子書籍販売の「書架」に直結しており、欲しい本をPCを介さずに、Kindleだけで即購入できる仕組みを備えている。「書架」とは、いうまでもなくアマゾンのネット上の書籍販売システムのことを指している。3Gということでそれなりの通信速度もあり、1冊分1分以内のダウロードが可能であるとされている。また販売サイトへ導くために、“Amazon.com”には“Kindle Store”と名付けられた専用ページが用意されており、定期購読された雑誌、新聞などは、リアルタイムでPush型に配信されてくる。コンテンツはKindle発売当初約9万タイトルであったが、発売して約1年で約19.5万タイトルに成長している。これらの中にはニューヨークタイムズ紙が紹介するベストセラーの90%がカバーされているという。

 

(1) モバイル・コンテンツ・フォーラム監修. ケータイ白書2009. インプレスR&D, 2008, p. 40-42.

(2) 電子書籍ビジネス調査報告書2008:市場規模・最新市場動向・ユーザー調査掲載. インプレスR&D, 2008, p.4, (インプレスR&D インターネット総合研究所 調査報告シリーズ).

(3) 電子書籍ビジネス調査報告書2008:市場規模・最新市場動向・ユーザー調査掲載. インプレスR&D, 2008, p.233, (インプレスR&D インターネット総合研究所 調査報告シリーズ).

(4) 電子書籍ビジネス調査報告書2008:市場規模・最新市場動向・ユーザー調査掲載. インプレスR&D, 2008, p.231-232, (インプレスR&D インターネット総合研究所 調査報告シリーズ).

(5) 出版年鑑2008 目録・統計編. 出版ニュース社, 2008, [p.1308].

(6) 電子書籍ビジネス調査報告書2008:市場規模・最新市場動向・ユーザー調査掲載. インプレスR&D, 2008, p.16-17, (インプレスR&D インターネット総合研究所 調査報告シリーズ)..

 

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