Google Book Search和解が長期的にもたらすものは?-米国コロンビア大学でシンポジウム

米国コロンビア大学のカーノチャン法律・メディア・芸術センターが2009年3月13日、「Google Book Search和解が長期的にもたらすものは?」と題したシンポジウムを開催しました。Google、Authors Guild、米国出版社協会(AAP)の和解当事者の担当者らをはじめ、米国著作権局長、著作権クリアランスセンター(CCC)代表など著作権関係者、出版関係者、Microsoft社の担当者、ハーバード大学図書館長、ニューヨーク大学図書館長、研究者らが参加して行われたこのシンポジウムでは、(この和解を)紙の世界から電子の世界へという図書館の変化の文脈の中に位置付けてとらえる必要性、Googleと機関利用契約を締結する際の交渉の負担、依然として紙の資料を所蔵・保存し続けることの重要性、Orphan Worksの扱いについてGoogleが権限を集中的に有する形となり得ること、この和解によりOrphan Worksに関する法制化に影響が出かねないこと、経済的にのみならず文化的にもGoogleが書籍文化を「独占」しかねないことなどの懸念が、図書館関係者や研究者から出たそうです。Library Journal誌の報告記事によると、Google社の担当者がいささか「好戦的」な反論を行うなど、パネルディスカッションが白熱した模様です。

The Google Books Settlement: What Will It Mean for the Long Term?
http://kernochancenter.org/Googlebookssettlement.htm

NYU’s Mandel: Google Book Search Incremental, Transformative, Worrisome – 3/18/2009 – Library Journal
http://www.libraryjournal.com/article/CA6644844.html

At Columbia Conference, Harvard’s Darnton Asks: Is Google the Elsevier of the Future? – 3/18/2009 – Library Journal
http://www.libraryjournal.com/article/CA6644834.html