鉛、フタル酸エステルが含まれる製品から子どもを守る法律、書籍や図書館にも影響?(米国)

米国では2008年、鉛、フタル酸エステルが含まれる製品から子どもを守るための法律・消費者製品安全性改善法(CPSIA)が成立しました。この法律の施行にあたり、米国出版社協会(AAP)等が「書籍やその他の紙の資料によって、同法が想定しているような、子どもの健康や安全性に影響を及ぼすような被害は出ない」ことを理由に、書籍等を法の対象外とするよう求めましたが、消費者製品安全性委員会から却下されるという事態が起こりました。これを受けて米国図書館協会(ALA)は、「法を厳格に解釈すれば、12歳以下の子どもが触れる可能性のある、図書館のすべての蔵書について、法に則って安全性のテストをしなければならず、子どもが図書館蔵書に触れられないようになってしまう」として、法の主旨を明確にして欲しいと議員に訴えるとともに、図書館界に広がりつつある動揺に対しては、「おそらく問題はないだろう」と述べ、冷静に事態を見守るよう要請しています。

Would Lead Ban Threaten Kids’ Access to Libraries? Probably Not. – 1/12/2009 – Library Journal
http://www.libraryjournal.com/article/CA6628453.html

Children’s Books and the CPSIA – STANDBY – Situation “Fluid” – District Dispatch
http://www.wo.ala.org/districtdispatch/?p=1349

ALA Urges Congress To Correct Law That Inadvertently Targets Libraries, Publishers – District Dispatch
http://www.wo.ala.org/districtdispatch/?p=1322

ALAが2009年1月8日に議員向けに出した書簡
http://www.wo.ala.org/districtdispatch/wp-content/uploads/2009/01/cpsia.pdf

参考:
ブッシュ大統領が2008年消費者製品安全性改善法案に署名、子供向け製品に関する広範囲な安全基準および執行基準が新設される – topics | モリソン・フォースター
http://www.mofo.jp/topics/legal-updates/tlcb/161.html