カレントアウェアネス-R

当サイトの運営担当者は、毎営業日、図書館に関する情報を収集しています。この「カレントアウェアネス-R」では、その中から、図書館の「いま」(カレント)がわかるニュースを中心に、ご紹介しています。

カレントアウェアネス-R 新着タイトル一覧 (⇒タイトルのみ表示


欧州連合(EU)による文化・創造産業支援のためのプログラム“Creative Europe 2021-2027”が開始

2021年5月26日、欧州委員会(EC)は、文化・創造産業支援のためのプログラム“Creative Europe 2021-2027”について、初年度の作業プログラムが採択されたことを発表しています。これにより、“Creative Europe 2021-2027”が開始されることになります。

“Creative Europe”は次の2点を主な目的とし、文化・創造産業支援のための助成を行います。

・欧州の文化的・言語的多様性と遺産を保護し、発展させ、促進する。
・文化・創造セクター、特に視聴覚セクターの競争力と経済的可能性を高める。

今回開始された“Creative Europe 2021-2027”は、“Creative Europe 2014-2020”の後継プログラムとなります。“2014-2020”の予算は14億7,000万ユーロでしたが、“2021-2027”では24億4,000万ユーロの予算規模となる見込みであり、60%を超える増加となっています。なお、“2014-2020”では、図書館が関係するプロジェクトへの助成も多くなされました。

Internet Archive(IA)、蔵書評価の結果除籍されることとなった演劇史に関するコレクションの寄贈をカナダ・ハミルトン公共図書館から受ける:デジタル化しオンライン公開へ

2021年5月26日、Internet Archive(IA)は、カナダ・オンタリオ州のハミルトン公共図書館(HPL)から、18世紀から19世紀にかけての演劇史に関する約1,000冊の図書の寄贈を受けたと発表しています。

同コレクションは、HPLが、演劇文化史に関心を抱いた地元の大学の演劇学の教授から、1984年に寄贈を受けたもので、照明や演出といった演劇の技術的な詳細、演劇界のさまざまな俳優は劇作家、英国や米国の様々な種類の劇場の建築、旅回りの劇団の歴史といった図書が含まれます。

近年、HPLが定期的な蔵書評価を行った際に、米国や英国に関する資料である同コレクションは、ハミルトン地区の作品を重視する同館の業務にそぐわないとされ、同館では、いくつかの大学図書館や劇場アーカイブに問い合わせを行いましたが、多くの人に利用されるとしてIAに寄贈することとなったものです。

同コレクションは、IAでデジタル化しオンラインで公開されることとなっており、デジタル化公開後、図書は長期保存され、デジタル化資料は“Controlled Digital Lending(CDL)”のもとで提供されます。

国際日本文化研究センター、「絵巻物データベース」のIIIF対応を発表

2021年6月3日、国際日本文化研究センターは、「絵巻物データベース」がIIIFに対応したと発表しました。

「絵巻物データベース」では、同センターが所蔵する「地獄草紙絵巻」「鳥羽絵巻」等の高精細デジタル画像が公開されています。発表の中では、IIIF準拠のビューワMiradorでの操作の説明を行っています。

「絵巻物」データベースがIIIFに対応しました(国際日本文化研究センター, 2021/6/3)
https://topics.nichibun.ac.jp/pc1/ja/sheet/2021/06/03/s001/

参考:
国際日本文化研究センター、「吉田初三郎式鳥瞰図」データベースを公開:IIIFを採用
Posted 2020年4月2日
https://current.ndl.go.jp/node/40680

米・スタンフォード大学図書館、東アジアの印刷・通信技術等に関するコレクションを受け入れ

2021年5月26日、米国のスタンフォード大学図書館が、東アジアの印刷・通信技術等に関するコレクション“The Thomas S. Mullaney East Asian Information Technology History Collection”を受け入れたと発表しました。

寄贈されたのは、同大学の歴史学教授Thomas S. Mullaney氏が収集したコレクションです。中国を中心とした東アジアの、20世紀初頭から現在に至るまでのタイプライター、謄写版、ワープロ、コンピュータ等に関する機器や紙媒体の資料2,000点以上と、目録・高解像度のスキャン画像が含まれています。

発表の中では、今後、日本・韓国のコレクションの拡大・構築のため選択的に投資を行う予定であると述べられています。

Stanford Libraries receives a remarkable East Asian information technology collection(Stanford Libraries , 2021/5/26)
https://library.stanford.edu/node/172367

エストニア国立図書館が開催した国際セミナー“Tomorrow is T-Shaped: Work and Competencies in 21st Century Library”の記録動画が公開される

エストニア国立図書館が2021年5月27日に開催した国際セミナー“Tomorrow is T-Shaped: Work and Competencies in 21st Century Library”の記録動画が公開されています。同セミナーは、開催に当たり欧州国立図書館員会議(CENL)の支援を得ています。

同セミナーの紹介では、将来の理想的な従業員に求められるのは、少なくとも一つの分野で深い知識を持つとともに、他分野及び他分野で働く人々を理解し結びつける「T字型」の能力であるとの認識が最初に示されています。その上で、同セミナーが特に焦点を当てた内容として、革新的・創造的な図書館と、図書館員が利用者・組織・社会のニーズに対応するために現在及び将来に必要な能力の2点を挙げています。

同セミナーの主なプログラムは次のとおりです。

・デジタル社会における読書、学習、創造性のモダリティ
Rainer Sternfelt氏(NordicNinja VC)

・図書館・図書館員のための現在と今後の展望
Juan D. Machin-Mastromatteo氏(メキシコ・チワワ自治大学)

・革新的で創造的な未来の図書館
Erik Boekesteijn氏(オランダ王立図書館)

Sparc Europe、欧州の高等教育機関の図書館等におけるオープンエデュケーション推進に関する2021年から2023年の戦略を発表

2021年5月31日、Sparc Europeのオープンエデュケーション(OE)の発展支援等を行う欧州の図書館員のネットワーク“European Network of Open Education Librarians” (ENOEL)が、2021年から2023年にかけての戦略計画を発表しました。

高等教育における図書館は、欧州の教育資源・実践をオープンかつ再利用可能にするうえで重要なパートナーであり、ENOELの活動の主な対象は欧州の高等教育機関の図書館員コミュニティとすると述べています。

活動の主要な目標に、ユネスコ(UNESCO)によるオープン教育資源(OER)促進のための勧告の実施支援を掲げています。取り組む事項として、「能力育成」「OERを支援するポリシーの策定」「包括的で公正な質のOERの推進」「OERの持続可能なモデル構築の促進」「OERに関する国際協力の推進と強化」が挙げられています。

イラン国立図書館・公文書館とインドネシア国立図書館が覚書を締結:専門家の相互交流、資料修復、図書館員の知識向上等の分野で協力

イランの英字紙テヘラン・タイムズの2021年6月1日付け記事で、イラン国立図書館・公文書館とインドネシア国立図書館が覚書(MoU)を締結したことが報じられています。

記事によれば、今回の覚書は図書館・情報科学における協力を拡大する内容であり、両館は専門家の相互交流、資料修復、図書館員の知識向上等の分野で協力を行います。

National libraries of Iran, Indonesia sign MOU(Tehran Times, 2021/6/1)
https://www.tehrantimes.com/news/461593/National-libraries-of-Iran-Indonesia-sign-MOU

イングランド芸術評議会(ACE)、国内全ての公共図書館のための単一のデジタルプラットフォームの開発・公開のため340万ポンドを拠出すると発表

2021年6月3日、イングランド芸術評議会(ACE)は、国内全ての公共図書館のための単一のデジタルプラットフォームSingle Digital Presence(SDP)の開発のために340万ポンド拠出すると発表しました。

SDPは、ACEと英国図書館(BL)が共同で取り組んでいるもので、国内の図書館のコレクション・展示・オンラインイベントへの国内外からのアクセスを向上させることを目的としたものです。

2018年から2020年にかけて行われた第1段階では、世界の類似のプロジェクトの広範な調査や、プラットフォームの動作や必要な資源の検討のための協議が行われていますが、今回の資金は、同取組の次の段階として、ソフトウェアの開発・様々な図書館行政庁(library authority)との動作テスト・技術的なプロトコルの策定等、プラットフォーム構築のために必要な技術アーキテクチャを検討するために用いられます。また、資金のうち100万ポンドは国内の図書館がSDPに対応できるよう、IT機能の向上支援のため用いられます。

実施期間は3年間で、2年目にプラットフォームの公開が想定されています。

フィンランド・ヘルシンキ都市圏図書館、予約資料を取置期限日までに受け取らなかった場合の手数料の徴収を開始

2021年5月26日、フィンランドのヘルシンキ都市圏図書館(Helmet)は、予約資料を取置期限日までに受け取らなかったり、キャンセルしなかった場合、予約資料1点につき1ユーロの手数料を徴収すると発表しています。徴収開始日は6月1日です。

ただし、18歳以下、団体貸出利用者(学校、保育園等)等一部利用者には手数料は請求されません。また、取置期限日までにキャンセルした場合も請求されません。休暇などで不在期間中に予約を一時中止にすることも可能で、資料の予約自体はこれまで通り無料です。

これは、ヘルシンキ都市圏図書館において、資料の予約が一般的となって、毎年280万件の予約が行われているものの、そのうち14%(40万件)が受け取られていないことにより、資料の流通が滞って利用者の満足度が下がったり、資料の配送によって環境に負荷がかかっていることに対処するために行われるものです。また、職員の労働時間を他の業務に充てることができるともしています。

同館によると、手数料の徴収は多くのフィンランドの自治体で行われているものの、それにより資料の予約サービスの利用は減っていないとのことです。

Elsevier社のアクセス制限がドイツの研究者の出版行動と引用行動に与えた影響(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2021年5月25日付で、ドイツ経済学中央図書館(ZBW)のNicholas Fraser氏らが共著で執筆した文献“No Deal: Investigating the Influence of Restricted Access to Elsevier Journals on German Researchers' Publishing and Citing Behaviours”が公開されています。

2014年にドイツでは、大手出版社とのナショナルライセンス契約を交渉するプロジェクトDEAL(Projekt DEAL)が設置されました。DEAL とElsevier社の交渉は2016年に開始されましたが、2018年に決裂しました。この結果、約200のドイツの研究機関がElsevier社との契約を取り止め、2018年7月以降これらの機関のElsevier社のジャーナルへのアクセスは制限されました。

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