アーカイブ - 2020年 7月 - car

7月 2日

米・クレアモント神学校、Internet Archive(IA)の電子書籍貸出プログラム“Open Library”で利用可能にする目的で約25万冊の宗教研究関連書籍を寄贈

2020年6月8日、米国カリフォルニア州の博士号授与機関であるクレアモント神学校(Claremont School of Theology)は、同校図書館のフィリップス(Thomas E. Phillips)館長が米国神学図書館協会のメーリングリストに送信したメールを引用する形で、Internet Archive(IA)の電子書籍貸出プログラム“Open Library”で利用可能にする目的で約25万冊の宗教研究関連書籍をIAに寄贈したことを発表しました。

“Open Library”は、IAが図書館所蔵資料をデジタル化した電子的な複製物を「1部1ユーザー」で貸出する“Controlled Digital Lending”の技術を利用して実施する電子書籍貸出プログラムです。同校が寄贈したコレクションは2021年1月1日頃からOpen Libraryで利用可能になり始め、今後2年以内にコレクション全体のデジタル化が完了することが予定されています。同校のコレクションは米国西部における宗教学分野のものとしては特に定評のあるものです。この寄贈は同校がオレゴン州セーラムのウィラメット大学構内へ移転することにより、ロサンゼルス地区の研究者の資料アクセスが不便になることへの対応として行われました。

神戸市、「須磨海浜水族園デジタルアーカイブ」を公開:2023年に閉園する同園の記録や記憶を残していくための意見やアイデアを募集中

2020年7月1日、神戸市が、「須磨海浜水族園デジタルアーカイブ」を公開しました。

須磨海浜水族園は、設備等の老朽化により、2021年から一部解体に着手し、2023年に閉園することから(2024年に民間事業者が整備する新たな水族館が開館)、同園の記録や記憶のアーカイブを目的に開設されたものです。現在、同園の生きものや園内施設の写真のほか、園内の360度映像や季刊誌『うみと水ぞく』のバックナンバー等が掲載されています。

掲載されている写真は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス表示4.0国際(CC-BY)もしくは表示-非営利4.0国際(CC-BY-NC)のもとで公開されています。一部の写真は非営利目的での利用に限られています。

同アーカイブの公開に合わせ、7月31日まで、同園の記録や記憶を残していくための意見やアイデアが募集されています。

国立国会図書館(NDL)の「オンライン資料収集制度(eデポ)」が7周年:収集対象である新型コロナウイルス感染症に関するネット上のレポート・論文・記録集等の納入を依頼

2020年7月1日、国立国会図書館(NDL)の「オンライン資料収集制度(eデポ)」が7周年を迎えました。

NDLでは、2013年7月1日から、改正国立国会図書館法に基づき、私人が出版したオンライン資料(インターネット等で出版(公開)される電子情報で、図書または逐次刊行物に相当するもの(電子書籍、電子雑誌等))のうち、当面、無償かつDRM(技術的制限手段)のないものに限定して収集・保存を行なっています。

上記オンライン資料に該当する新型コロナウイルス感染症に関するネット上のレポート・論文・記録集等も対象です。

@NDLJP(Twitter,2020/7/1)
https://twitter.com/NDLJP/status/1278121167295877120

オンライン資料収集制度(eデポ)(NDL)
https://www.ndl.go.jp/jp/collect/online/

吹田市立博物館(大阪府)、新型コロナウイルス感染症に関連する地域資料を展示するミニ展示「新型コロナと生きる社会~私たちは何を託されたのか~」を開催

大阪府の吹田市立博物館が、2020年7月18日から8月23日まで、ミニ展示「新型コロナと生きる社会~私たちは何を託されたのか~」を開催します。

同館では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連する地域資料の収集を3月中旬から開始しており、ミニ展示では、ひとまずこれまでに収集できた資料を展示することで次なる収集につなげるきっかけにするとともに、新型コロナウイルス感染症が日本や吹田に何を残したのか、また私たちに何が託されたのか、これからの日本のあり方を考える手がかりとする事を目的としています。

ミニ展示 新型コロナと生きる社会 ~私たちは何を託されたのか(吹田市立博物館)
http://www2.suita.ed.jp/hak/moy/moy1.html

「角川武蔵野ミュージアム」が2020年8月1日にプレオープン:「グランドギャラリー」「マンガ・ラノベ図書館」等がオープン

2020年7月2日、株式会社KADOKAWAは、公益財団法人角川文化振興財団が、同社と所沢市(埼玉県)が共同で進めるプロジェクト「COOL JAPAN FOREST構想」の拠点施設「ところざわサクラタウン」内の「角川武蔵野ミュージアム」のプレオープンを2020年8月1日に決定したと発表しています。

同ミュージアムは、図書館・美術館・博物館が融合する文化複合施設として隈研吾氏が設計したもので、8月1日のプレオープン時には1階の「グランドギャラリー」「マンガ・ラノベ図書館」および2階のカフェがオープンするほか、10月15日まで竣工記念展「隈研吾/大地とつながるアート空間の誕生 ― 石と木の超建築」が開催されます。

マンガ・ラノベ図書館は、約2.5万冊の書籍があり、ラノベやマンガの分類ジャンルの開発など多彩なアプローチでラノベ・マンガの魅力を発信するとしています。

グランドオープンは2020年11月6日が予定されています。

高山市(岐阜県)、デジタルアーカイブ事業で記録として残していきたい場所や慣習を募集

2020年6月30日、岐阜県の高山市が、2020年度から実施するデジタルアーカイブ事業において、記録に残していきたい場所や慣習を募集すると発表しました。

写真や映像として残していきたい風景や慣習が、時代の流れとともにどう変わっていったのか、どう変わっていくのかを定期的に記録し保存する事業です。

いつまでも大切にしていきたい風景や慣習を募集します(高山市,2020/6/30)
https://www.city.takayama.lg.jp/shisei/1005951/1012525/1012526.html

7月 1日

Knowledge Unlatched(KU)、OpenAPCのデータセットの収録範囲が単行書のオープンアクセス化のための費用“Book Processing Charges(BPC)”に拡張されたことを発表

2020年6月30日、Knowledge Unlatched(KU)は、機関が実際に支払した論文処理費用(APC)のデータセットを提供するイニシアチブ“OpenAPC”とともに、OpenAPCの提供するデータセットの収録範囲が単行書オープンアクセス(OA)化のための費用“Book Processing Charges(BPC)”に拡張されたことを発表しました。

OpenAPCは、OA出版物のAPCの透明・効率的管理を目指すプロジェクト“INTACT”の一部を構成するイニシアチブで、ドイツのビーレフェルト大学図書館が運営しています。今回の初めてのOpenAPCへのBPCの登録では、KUの共同出資による選書プログラムの下で、KUが出版社に支払した全ての費用に関する約1,000冊相当のデータが含まれています。また、KUが資金を募っているその他のコレクションについても、詳細な支払関連データを共有することが予定されています。KUは、自身のOpenAPCへの貢献により、OA単行書のための新しいデータベースが立ち上げられた、としています。

BPCを含んだデータセットは、OpenAPCイニシアチブのウェブサイトで公開されています。2020年夏以降に現在のデータセットからの拡張が予定されています。

米・SPARC、Internet Archive(IA)による“Controlled Digital Lending”に基づく事業への支持を表明

2020年6月29日、米・SPARCはウェブサイト上で、Internet Archive(IA)による“Controlled Digital Lending”に基づく事業への支持を表明しました。

SPARCの声明は、2020年6月に複数の出版社がInternet Archive(IA)に対する著作権侵害訴訟を提訴したことを受けて発されました。SPARCはIAが世界中の知へのアクセスの民主化にとって重要な役割を果たしていることを指摘した上で、冊子体の図書館の貸出を模して電子的な複製物を「1部1ユーザー」で貸出するIAの“Controlled Digital Lending”は、新型コロナウイルス感染症による危機の中で学生・教員・研究者を支援する学術図書館にとっても特に重要な意義を持つものとして言及しています。

SPARCは、IAの“Controlled Digital Lending”に基づく事業を擁護する立場表明(Position Statement)へ他の図書館コミュニティとともに署名済であり、未署名の図書館関係者へも署名を奨励することを明らかにしながら、“Controlled Digital Lending”への支持を表明しています。

DataCite、既存の永続的識別子(PID)関連サービスの発見性向上のためのレジストリ“PID Services registry”を公開

2020年6月26日、DataCiteが、既存の永続的識別子(PID)及びPID関連サービスの発見性向上のためのレジストリ“PID Services registry”を公開したことを発表しました。

欧州オープンサイエンスクラウド(EOSC)においてPID関連分野で特に貢献し、欧州委員会が出資するFREYA projectにおいて、PID Services registryは開発されました。既存のPID関連サービスを簡単に調べることが可能なサービスとして提供され、PID関連サービスのDOI及びDOIに関するメタデータが登録されています。公開時点では、様々な分野のPID関連サービス35件が登録されており、今後拡張することが予定されています。

DateCiteでは、2020年7月8日の午前11時(中央欧州夏時間)から、PID Services registryを紹介するウェビナーの開催を予定しています。

Introducing the PID Services Registry(DataCite Blog,2020/6/26)
https://doi.org/10.5438/pwjv-9m56

韓国国立中央図書館(NLK)、機関リポジトリ普及促進事業OAKの2020年の対象機関を発表:同事業によるリポジトリ設置機関が53機関に

2020年7月1日、韓国国立中央図書館(NLK)は、6月30日に、機関リポジトリ普及促進事業OAKの2020年の対象機関として、啓明大学校医学図書館・済州大学校中央図書館・朝鮮大学校中央図書館・韓国職業能力開発院・韓国韓医薬振興院の5機関と契約を締結したと発表しています。これにより同事業により設置された機関リポジトリは53となります。

2014年に開始された同事業では、77万件の学術情報がOAKの国家リポジトリを通じて検索できるようになっており、今回契約した機関では、バイオ、生物資源、自然生態系、観光、レジャー等に関する研究成果や、人工知能事業の推進と連携した研究情報、韓医薬の素材に関する研究情報や特許資料といった韓医薬産業に関する機関リポジトリが構築されます。

5機関では、OAKのメタデータ標準が適用された最新型リポジトリの構築、内部システム連携、1年間の無償メンテナンス、運営者教育などの支援を受けることになります。

総務省、データサイエンス・オンライン講座「社会人のためのデータサイエンス演習」の受講生募集を開始

2020年6月30日、総務省は、データサイエンス・オンライン講座「社会人のためのデータサイエンス演習」の受講生の募集を開始しました。

同講座は、2019年5月に開催した講座を再び開講するものです。大規模公開オンライン講座(MOOC)のプラットフォーム「gacco」において、2020年9月29日から開講を予定しており、行政やビジネスでの活用を想定した、実践的なデータ分析の手法を学習することができます。

受講料は不要で、だれでも受講登録が可能です。

データサイエンス・オンライン講座「社会人のためのデータサイエンス演習」の受講者募集開始(総務省, 2020/6/30)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01toukei09_01000055.html

データサイエンス・オンライン講座「社会人のためのデータサイエンス演習」(gacco)
https://gacco.org/stat-japan2/

米・マサチューセッツ工科大学出版局と米・カリフォルニア大学バークレー校が迅速な査読を行うオーバーレイジャーナル“Rapid Reviews: COVID-19”を公開

2020年6月29日、米・マサチューセッツ工科大学(MIT)出版局と米・カリフォルニア大学バークレー校が、新型コロナウイルス感染症に関連する研究成果の迅速な査読を行うオーバーレイジャーナル“Rapid Reviews: COVID-19” (RR:C19)を公開したことを発表しました。

同ジャーナルでは、人工知能(AI)を用いて、プレプリントリポジトリから有望な研究成果を抽出し、専門家にピアレビューを依頼し、透明性が担保された過程を経て結果をオープンアクセス(OA)プラットフォームで出版するとしています。

発表によると、研究助成団体であるPatrick J. McGovern Foundationから助成を得て、オープンソースの出版プラットフォームであるPubPub上にホストされています。

最初のレビューは、2020年7月に公開される予定です。

オーストラリア図書館協会(ALIA)、政府による図書館情報学課程の学費の値上げ方針に反対する声明を発表

2020年6月29日、オーストラリア図書館協会(ALIA)は、政府による大学の学費の改訂方針に関し、図書館情報学課程の値上げに反対する声明を発表しました。

政府が提案する“Job-ready Graduates Package”では、労働市場での優先分野に合致した課程では学費が大幅に削減される一方(情報技術(IT;20.6%減)、教育(45.6%減))、図書館情報学課程は113%値上げとされたことをうけ発表されたものです。

そして、近年の新型コロナウイルス感染拡大下において示された、オンライン環境での活動への適応のためにITの知識と技術を活用した革新的な教育者としての図書館情報学分野の専門家の価値や、図書館情報学の専門家が教職の労働人口の重要な部分を占めていることを示したうえで、政府は、図書館情報学の卒業者が労働市場の優先分野に合致していることを考慮し、ITや教育に関する課程と同等の学費とするよう求めています。

ALIAでは図書館情報学課程の学費を削減することで、ITに詳しい教育者としての多様な労働人口として、図書館情報学分野の専門家を強化することができると指摘しています。

米国図書館協会(ALA)図書館史ラウンドテーブル (LHRT) 、2020年度の小論文賞(Justin Winsor Library History Essay Award)を発表:米・ロサンゼルス中央図書館の建築史

2020年6月30日、米国図書館協会(ALA)の図書館史ラウンドテーブル (LHRT) が、2020年度の小論文賞(Justin Winsor Library History Essay Award)を発表しました。同賞は、応募された未発表の原稿を対象に、図書館史に関する最も優れた小論文(エッセイ)を毎年表彰するものです。

選ばれたのは、米・ニューヨーク大学エルマー・ホームズ・ボブスト図書館特別コレクションセンターのアシスタントキュレータ兼ファカルティフェローであるパーク(Julie Park)氏による“Infrastructure Story: The Los Angeles Central Library’s Architectural History”です。

契約書・理事会の議事録・フロアプラン・改修報告書を用いて執筆されたもので、インフラとしての図書館建築とその空間面での優先事項には深い関係があり、そのことは、永続的で不変と感じられた特徴であったとしても、時間とともに変化する不測の事態に適応することを求めたとして、1978年の非常に混み合った図書館の内部に対する、1926年の当初の美しく区画化された図書館の建物を示し、建物の「歴史的・審美的重要性」は中央図書館をより機能的にするために必要な変化とは共存できなかったと指摘しています。

外務省、モルドバ共和国との一般文化無償資金協力「国立図書館デジタル化機材整備計画」に関する書簡の交換を発表

2020年6月30日、外務省は、モルドバ共和国と、供与限度額を4,370万円とする一般文化無償資金協力「国立図書館デジタル化機材整備計画」に関する書簡の署名・交換を行なったと発表しています(6月29日付)。

モルドバ共和国の国立図書館において、同館及び国内関係機関が所蔵する歴史的・文化的価値の高い図書・資料や国民の関心の高い図書等をデジタルアーカイブ化するための機材を整備するものです。

モルドバに対する一般文化無償資金協力「国立図書館デジタル化機材整備計画」に関する書簡の交換(外務省,2020/6/30)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_008539.html

参考:
日本の各国図書館に対する文化無償協力
Posted 2005年10月4日
https://current.ndl.go.jp/node/2980

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