アーカイブ - 2020年 6月 - car

6月 12日

米国図書館協会(ALA)知的自由委員会(IFC)、図書館の再開にあたっての健康やプライバシーに関する懸念や、館内でのビデオ撮影に対応したガイドライン3点を承認

2020年6月9日、米国図書館協会(ALA)の知的自由委員会(IFC)及びプライバシー小員会が、図書館の再開にあたっての健康やプライバシーに関する懸念や、館内でのビデオ撮影に関する最近の議論に対応するためのガイドライン3点の承認を発表しました。

“Guidelines for Reopening Libraries During the COVID-19 Pandemic”は、新型コロナウイルスの流行下に図書館サービスを提供するにあたって安全を保つためにしばしば尋ねられる質問に回答するもので、職員の健康の保護、ヘルスチェック・マスク・入館記録の法的側面、利用者の図書館からの退館要請、に対応しているほか、方針を見直すための次のステップも提供しています。

飛鳥未来プロジェクト実行委員会(奈良県)、飛鳥地域の本好きな子どもにオンライン読書を提供するためのクラウドファンディングを実施中:同地域の図書館の司書とも連携

2020年6月11日、飛鳥未来プロジェクト実行委員会(奈良県)が、飛鳥地域の本好きな子どもにオンライン読書を提供するためのクラウドファンディングを開始しました。

新型コロナウイルスの感染拡大のため、子どもの図書館利用にも制限があることから、その課題を解消するために行われるものです。文部科学省のGIGAスクール構想により、飛鳥全地域の小・中学生にタブレット端末が付与される機運が高まっていることをうけ、そのタブレットで利用可能なKindleアプリを利用しKindle Unlimitedとの契約を行なって、約1年間のオンライン読書環境を提供します。利用者は、クラウドファンディングの実行後、小・中学生を対象に募集を行なって決定されます。

飛鳥未来プロジェクトは、飛鳥地域(橿原市、三宅町、田原本町、高取町、明日香村)に係るプロジェクトで、田原本町・橿原市・明日香村が後援しています。同事業は同地域の図書館の司書と連携して行うとし、司書は、子どもの興味関心や、今後読んでいったらより良い書籍の推薦などを行います。また1年間のプロジェクト終了時には発表機会(ビブリオバトルやプレゼンテーションなど)が設けられます。

目標金額は100万円で期限は6月30日です。

高山市図書館(岐阜県)、「みんなの健康シリーズ」のライブ配信を実施

岐阜県の高山市図書館が、2020年6月15日、ZoomおよびYouTubeを用いて、「みんなの健康シリーズ」のライブ配信を実施します。

テーマは「飛騨でもできる!!ポストコロナの肺がん治療」です。

参加には申し込み不要です。配信内容は後日地元ケーブルテレビでも放送予定です。

みんなの健康シリーズのライブ配信を行います(高山市図書館,2020/6/10)
https://www.library.takayama.gifu.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=journal_view_main_detail&post_id=48&comment_flag=1&block_id=702#_702

6月 11日

SAGE社、人種差別と警察官による暴力に関する論文コレクションを無料公開

2020年6月9日、SAGE社が、構造的人種差別と警察官による暴力に関する社会行動科学分野の論文コレクション“Structural Racism and Police Violence”を新たに無料で公開したと発表しました。

発表の中では、研究者の活動や、制度的人種差別に関する教育関係者の議論、政策立案者やコミュニティの指導者の平等な社会づくりを支援することが目的とされています。公開された記事には、人種、治安維持、人種差別・行動主義・不平等などに関する議論の仕方について扱うものが含まれています。

図書館問題研究会、日本図書館協会からの回答文書「「 図書館における新型コロナウイルス感染症拡大予防ガイドライン」に関するご要望について(回答)」を公開

2020年6月8日、図書館問題研究会(図問研)は、日本図書館協会(JLA)からの回答文書「「 図書館における新型コロナウイルス感染症拡大予防ガイドライン」に関するご要望について(回答)」が図問研に送付されたことを発表しました。

同文書は、6月6日付で送付されたものであり、図問研から寄せられた、ガイドライン作成のプロセスについての意見、記載内容の修正要望に対するJLAの回答が記載されています。

6月6日付で日本図書館協会より「「 図書館における新型コロナウイルス感染症拡大予防ガイドライン」に関するご要望について(回答)」が送付されました。(図問研, 2020/6/8)
http://tomonken.sakura.ne.jp/tomonken/blog/2020/06/08/answer-2/

フィンランド・教育文化省、同国の研究関係情報を1か所で検索できるウェブサイト“Research.fi”を公開

2020年6月9日、フィンランド・教育文化省は、同国の研究に係る情報を1か所で検索できるウェブサイト“Research.fi”の公開を発表しました。

同国の研究体制、同国の組織や公私の研究助成金によるプロジェクトの出版物、人材に関する統計データ、研究のための資金源、出版物の書誌情報といったデータが含まれています。

大学・応用科学大学・研究機関・研究助成機関等が提供しているサービスの情報を集約する全国研究情報ハブをもとに構築されたもので、情報利用の容易化、研究者の事務負担の軽減、科学政策の意思決定支援を目的に作成されました。

将来的には、同国で研究を行っている研究者の情報や、その研究者によって作成された研究データや資料といった情報にも対象を拡大する予定です。

カナダの出版団体Booknet Canada、オーディオブックの利用実態調査の結果を発表

2020年6月8日、カナダの出版団体Booknet Canadaが、同国におけるオーディオブックの利用実態調査報告書“Press Play: Audiobook Use in Canada 2020”を公表しました。2年に1度実施している調査で、英語を話しオーディオブックを利用する成人500人を対象に行われました。

プレスリリースでは、

・2018年調査で毎日利用しているとの回答者が7%であったものが、今回の調査では、24%が毎日1回やそれ以上利用していると回答。

・何をしているときに利用しているかについての調査では、通勤・通学時が37%、家事が37%、散歩26%等となっている一方、38%はオーディオブックだけを利用していると回答。

・オーディオブックの探し方では、友人・図書館員・書店・SNS等からの提案が38%、「読了」した本の著者の別のタイトルが30%、冊子体や電子書籍で読んだ本をオーディオブックで利用したとの回答が17%。

FREYA project、永続的識別子選択のためのガイドを公開:フィードバックを募集中

FREYA projectは、2020年6月2日付けのTwitterにおいて、永続的識別子(PID)選択のためのガイドを公開したことを発表しています。同プロジェクトは、永続的識別子のための技術的・社会的基盤の発展を目指しており、欧州委員会からの資金提供を受けています。

出版物、データセット、人、組織、ソフトウェアについて個別のガイドがリポジトリZenodo上で公開されており、各ガイドには、複数の候補から適切なPIDを選択するためのチャート図や各PIDの簡単な紹介が掲載されています。

2020年6月中はガイドへのフィードバックを募集しており、7月にはフィードバックを踏まえた改訂が行われる予定とあります。

@freya_eu(Twitter, 2020/6/2)
https://twitter.com/freya_eu/status/1267751947920179201

QS社、世界大学ランキング2021を公開:100位以内には日本から5大学がランクイン

2020年6月10日、QS社が毎年公開している世界大学ランキングの2021年版が公開されました。2020年版と同じく、1位は米・マサチューセッツ工科大学(MIT)、2位は米・スタンフォード大学、3位は米・ハーバード大学でした。

このランキングは世界の研究者を対象とする調査や、Scopusのデータを利用した所属研究者の過去5年分の論文の引用分析の結果等に基づいて算出されるものです。

100位以内には、日本からは24位に東京大学、38位に京都大学、56位に東京工業大学、72位に大阪大学、79位に東北大学の5大学がランクインしています。

@worlduniranking(Twitter)
https://twitter.com/worlduniranking/status/1270490856030642179

オーストラリア国立図書館によるアジア関係資料の収集範囲縮小への批判(記事紹介)

日本資料専門家欧州協会(EAJRS)のウェブサイトに、2020年5月28日付けで“National Library of Australia's Asia collection”という記事が掲載されています。筆者はオーストラリア国立大学名誉教授のテッサ・モリス=スズキ氏であり、オーストラリア国立図書館(NLA)によるアジア関係資料の収集範囲縮小とアジア閲覧室の閉鎖に関し、NLA館長に再考を求めるための署名活動への参加を呼びかけています。

NLAは、数十年にわたる資料収集によりアジア関係資料の優れたコレクションを所蔵していますが、同記事によれば、国外で出版された日本・北朝鮮・韓国・東南アジア本土に関する資料収集を中止し、潜在的には中国・インドネシア・太平洋地域に関する資料の収集も大幅に削減するという新たな方針を決定しました。

同記事では、NLAのコレクションが利用できることを前提として、多くの国内の大学でアジア関係資料の収集が大幅に縮小されていることを指摘し、そのような状況を踏まえた上で今回のNLAによる方針変更を考える必要がある、としています。

一般財団法人地域創造、2019年度「地域の公立文化施設実態調査」報告書を公開:美術館等を対象とした調査を実施

2020年6月3日、一般財団法人地域創造は、2019年度「地域の公立文化施設実態調査」報告書の公開を発表しました。同法人が2014年度に実施した「地域の公立文化施設実態調査」の後継調査にあたるものです。

同調査は、「ホール」「美術館」「練習場・創作工房」(およびそれらの施設を含む「複合施設」)といった公立文化施設の設置状況、運営体制、自主事業やアウトリーチの取り組み、高齢者や障がい者などに向けた事業等を調査対象としています。2019年9月から11月にかけて、全国の地方公共団体を対象に調査票による調査が実施されました。配布数1,790に対して回答数は1,695であり、回収率は91.9%となっています。

「2019年度地域の公立文化施設実態調査」報告書を公開しました(一般財団法人地域創造, 2020/6/3)
https://www.jafra.or.jp/docs/6808.html

日本図書館協会(JLA)非正規雇用職員に関する委員会、「公共図書館における非正規雇用職員に関する実態調査結果」を公表

2020年6月8日、日本図書館協会(JLA)の非正規雇用職員に関する委員会が、「公共図書館における非正規雇用職員に関する実態調査結果」を公表しました。

同委員会では、2018年12月から2019年1月にかけて神奈川県で全非正規雇用職員を対象とした調査を行い、その集計結果を2019年5月に「公共図書館における非正規雇用職員に関する実態調査調査結果(速報)」として公表しましたが、今回、クロス集計をもとに分析を加えた結果を公表したものです。

日本図書館協会 非正規雇用職員に関する委員会 お知らせ・報告
https://www.jla.or.jp/tabid/805/Default.aspx
※「公共図書館における非正規雇用職員に関する実態調査結果(2020.6.8)」とあります。

6月 10日

文部科学省、学校および大学等における新型コロナウイルス感染症対策に関するガイドラインを発表:学校図書館、大学図書館についても言及

2020年6月5日、文部科学省が、「新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドライン」に関する通知文書および「大学等における新型コロナウイルス感染症への対応ガイドラインについて(周知)」を発出しました。

ガイドラインの中で、学校図書館については、新型コロナウイルス感染症対策を徹底したうえで時間帯を決めて貸出等を行うことが推奨され、分散登校を実施する場合は、児童生徒の自習スペースとして活用することも考えられるとしています。

大学図書館については、教育研究の上で重要な役割を担うサービスは、オンラインサービスの充実を図りつつ、利用者のニーズを踏まえて、感染拡大防止措置や著作権等への配慮を行った上で、早期利用可能化の検討を求めています。例としては、国立国会図書館(NDL)「図書館向けデジタル化資料送信サービス」を利用した館内閲覧・複写サービスの継続・再開、来館を伴わない貸出・複写サービス等の工夫が挙げられています。

フィンランド国立図書館、自動で件名を付与するサービス“Finto AI”が公開されたことを発表

2020年6月1日、フィンランド国立図書館は、自動で主題索引を付与するサービス“Finto AI”が公開されたことを発表しました。

発表によると、 “Finto AI”は、フィンランド国立図書館で開発が進められてきた、自然言語処理や機械学習を用いて件名や分類の付与を行うツール“Annif”をベースに構築されました。“Finto AI”のウェブサイトによれば、対応言語はフィンランド語、スウェーデン語、英語であり、入力されたテキストに対し、最大20件の主題索引の案を提示します。また、オープンAPIを提供しているため、既存システムで“Finto AI”の機能を利活用することが可能です。

北米研究図書館協会(ARL)第一回ベンチャー助成の助成対象者が決定

2020年6月8日、北米研究図書館協会(ARL)は第一回ベンチャー助成(Venture Fund)の助成対象者が米国のノースカロライナ大学(UNC)チャペルヒル校図書館、ノースウェスタン大学図書館、テンプル大学図書館に決定したことを発表しました。

ベンチャー助成は協会の重点事項を推進する加盟機関の活動を支援することを目的として、2019年に設立されました。

ノースカロライナ大学(UNC)チャペルヒル校図書館のプロジェクトは“On the Books: Jim Crow and Algorithms of Resistance”であり、100年以上のノースカロライナ州の会期別法令集のテキストコーパスを作成し、機械学習を使用してジム・クロウ法を特定します。このプロジェクトは、研究者に新たな研究機会をもたらすことが期待されます。

ノースウェスタン大学図書館のプロジェクトは“Lowering Barriers for Publishing Open Textbooks: A Minimal Computing Toolkit”であり、助成はオープン・テキストブック作成者向けのツールキットの拡張に利用されます。ツールキットは、ARL加盟機関の司書、教職員を対象としており、オープン・テキストの出版を支援します。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)運営委員会、「COVID-19以降の社会に向けたオープンアクセスの加速について」を公開

2020年6月8日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)運営委員会が、「COVID-19以降の社会に向けたオープンアクセスの加速について」を公開しました。

同文書では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防・収束と教育・研究活動の両立を持続的に行うためには、教育・研究のデジタル変革の拡大、オープンな情報として活用できる環境の整備が必要であるとされています。また、新型コロナウイルス感染症以降の社会における大学教育では教育コンテンツのオープンアクセスの推進、研究活動ではデジタル化およびオープン化、研究データの共有や公開を促進するオープンサイエンスが重要であり、そのためには、教員・研究者の協力が欠かせないと述べています。JPCOARは、今後、機関リポジトリを通じたオープンアクセス・コンテンツの提供の推進、大学や研究機関の研究データ公開に向けた取組を行い、研究者コミュニティと連携しながら教育と研究の発展に寄与していくとしています。

Project MUSE、米国における人種差別に関する書籍・論文のリスト“MUSE in Focus: Confronting Structural Racism”を公開:一時的に無料アクセス可能となっているコンテンツから選定

人文・社会科学系の電子資料提供サービスProject MUSEは、2020年6月6日付けのTwitterにおいて、書籍・論文のリスト“MUSE in Focus: Confronting Structural Racism”を公開したことを発表しています。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、Project MUSEの参加出版社は一時的に全て又は一部のコンテンツを無料で利用可能とする取組を行っており、同リストでは、それらの中から米国における人種差別に関するコンテンツを選定し掲載しています。

@ProjectMUSE(Twitter, 2020/6/6)
https://twitter.com/ProjectMUSE/status/1268934421018804225

オーストラリア図書館協会(ALIA)、公共図書館における電子書籍貸出に関するアンケート調査の結果を公表

2020年6月3日、オーストラリア図書館協会(ALIA)は、公共図書館における電子書籍貸出に関するアンケート調査の結果をまとめたレポート“A snapshot of eLending in public libraries”を公表しました。

アンケート調査はALAの書籍産業及び電子書籍貸出諮問委員会(Book Industry and eLending Advisory Committee)により2019年8月にオンラインで実施され、オーストラリア国内の図書館から398の回答を得ました。レポートでは、電子書籍プロバイダーが提供する資料タイトルやサービスへの満足度、電子書籍プロバイダーの提供サービスに対し改善を求める点等について集計結果を掲載しています。回答者の83%は、プロバイダーの提供する電子書籍の品揃えに「満足している」あるいは「非常に満足している」と回答している一方、91%はライセンス条件とコストに関し「満足とはいえない」あるいは「満足していない」と回答しています。

ALIAは、COVID-19によるロックダウンの期間中、2019年の同時期と比べて公共図書館における電子書籍貸出が倍増した一方で、今回の調査が明らかにしたように電子書籍の利用可能性、ライセンス条件、コストにおける問題は依然として存在する、と指摘しています。

REopening Archives, Libraries, and Museums (REALM) Project、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する予備的文献レビューを公開

2020年6月3日、REopening Archives, Libraries, and Museums (REALM) Projectが、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する予備的文献レビュー“Preliminary Literature Review for the Natural Attenuation of SARS-CoV-2 as a Decontamination Approach”を公開しました。

同レビューは、紙・プラスチック・布・金属といったMLA機関で一般的にみられる素材におけるウイルスの減衰、伝染方法、予防・除染の有効性について焦点を当てたものです。同レビューを読む際には、査読済のものと未査読のものが含まれていること、レビューされている文献は異なる研究者により異なる条件で行われており比較や解釈が難しいこと、医療分野等MLA機関とはかなり異なる制約やリスク要因のもとで運営されている業界のための知見も含まれていることに留意するよう求めています。より体系的な文献レビューは現在作成中で、6月後半には公開予定であるとされています。

ARL・ACRL・Oberlin Group of Libraries、ベンダー・サービスプロバイダに対し、新型コロナウイルス感染拡大下における電子リソースへの無償アクセスの継続と契約費の上昇の抑制を要請

2020年6月5日、北米研究図書館協会(ARL)、米国大学・研究図書館協会(ACRL)、リベラルアーツ・カレッジの図書館コンソーシアムOberlin Group of Librariesが、ベンダー・サービスプロバイダに対し、新型コロナウイルス感染拡大下における電子リソースへの無償アクセスの継続と契約費の上昇の抑制を要請しました。

新型コロナウイルスの感染拡大による、遠隔教育・学習・研究への転換等の支援のため、ベンダーやサービスプロバイダが電子リソースを無償公開したことに謝意を表すとともに、今後の再流行が考えられることや、大学・研究機関においては学生支援のための資金増による財政的課題があることから、感染拡大下、引き続き無償公開を継続するとともに、契約費の上昇を抑制することを求めるものです。

ページ