アーカイブ - 2020年 12月 9日 - car

Internet Archive、Andrew W. Mellon財団からの助成をうけ、地域の歴史のウェブアーカイブ構築のための公共図書館を対象としたプログラム“Community Webs”の規模拡大を発表

2020年12月8日、Internet Archive(IA)は、地域の歴史のウェブアーカイブ構築のための公共図書館を対象としたプログラム“Community Webs”が、Andrew W. Mellon財団から113万ドルの助成を受けたと発表しています。

同プログラムは2017年の創設以来、21州の40の公共図書館で実施され、文書・画像・動画といった媒体からなる地域の市民の生活を記録した300ものコレクション(50TB以上)をウェブアーカイブしてきました。

今回の助成を受け、全米50州の各州最低2館づつに加え、米国領土内の地域の歴史団体もあわせて150から200の参加が可能となるとしています。参加館は、ウェブアーカイブや閲覧のためのサービスのほか、研修、コミュニティウェブアーカイブ促進のための資金の提供をうけることができます。

また、公共図書館によるコミュニティウェブアーカイブの成果を、専門的なツールやデータセットを通じて研究者が使用できるよう、米国デジタル公共図書館(DPLA)といったプラットフォームと提携を行なうとともに、地域の歴史のデジタル保存の努力を進展させるため、州や地域の団体と連携するとしています。

12月の上旬には参加館を募集する予定としています。

米国国立医学図書館(NLM)、医学件名標目表(MeSH)2021年版の適用をはじめとした医学学術文献データベースMEDLINEの年末更新処理を実施

2020年12月4日、米国国立医学図書館(NLM)が、同館が整備する医学学術文献データベースMEDLINEについて、2021年に向けた年末処理の実施に伴う変更点の内容を発表しています。

NLMは2020年の年末処理によるMEDLINEの主要な変更点を以下のように紹介しています。

・12月3日付でNLMの整備するシソーラスである医学件名標目表(MeSH)について、最新の2021年版がMeSH用語のデータベース“MeSH Browser”のデフォルトへ設定された。PubMedへの2021年版MeSHの反映は12月中旬までに完了予定である。

・2021年版MeSHでは、2020年版の14件の標目について新しい用語への更新が行われた。また、277件の新しい用語が標目に追加された。

・2020年1月以降、MeSHの補足用語(Supplementary Concept Record)として追加された“COVID-19”や“SARS-CoV-2”をはじめ、新型コロナウイルス感染症に関連する多数の語彙が標目に昇格している。

神戸大学附属図書館、同館デジタルアーカイブで公開中の資料コレクション「神戸開港文書」にメタデータ・画像169点及び翻刻・翻訳16点を追加

2020年12月1日、神戸大学附属図書館は、同館デジタルアーカイブで公開中の資料コレクション「神戸開港文書」に、メタデータ・画像169点、欧文の書簡・文書の翻刻・翻訳翻刻・翻訳16点に相当するデータを追加したことを発表しました。

今回データをが追加された資料は、同館所蔵の古文書の整理中に2018年以降新規に発見された資料群です。内容から「神戸開港文書」に含むことが妥当であるとの判断から「神戸開港文書補遺」として新規追加されています。また、欧文の書簡・文書16点の翻刻・翻訳には、同大学人文学研究科の大津留厚名誉教授が協力しています。

新規公開されたデータのうち、画像データについては申請手続き不要で二次利用が可能です。

デジタルアーカイブ「神戸開港文書」にデータを追加しました(メタデータ・画像169点分、翻刻・翻訳16点分)(神戸大学附属図書館,2020/12/1)
https://lib.kobe-u.ac.jp/libraries/18274/

米・歴史的黒人大学図書館連盟(HBCU Library Alliance)と米・図書館情報資源振興財団(CLIR)、歴史的黒人大学の図書館が所蔵するアーカイブ資料のアクセス促進を目的とした共同プロジェクトを実施

米・図書館情報資源振興財団(CLIR)が2020年11月20日付のプレスリリースとして、米・歴史的黒人大学図書館連盟(HBCU Library Alliance)とともに、アンドリュー W.メロン財団の7万5,000ドルの助成金を活用したプロジェクトとして、“Creating Access to HBCU Library Alliance Archives: Needs, Capacity, and Technical Planning”に取り組むことを発表しています。

米国の歴史的黒人大学(HBCU)の図書館は、文書資料・写真・視聴覚メディア等、アフリカ系米国人の歴史・文化・生活に関する多様な情報を含むコレクションを所蔵していますが、その大半について利用のためのアクセスが困難な状態にあります。同プロジェクトは、HBCU Library Allianceの加盟76機関が所蔵する貴重コレクションの保存・内容記述・デジタル化に必要な協力体制の検討を進めます。

プロジェクトチームは、HBCUに所属する図書館に対して、貴重コレクションの管理・利用状況やアクセス促進に関する意見を収集するためのアンケート調査の実施を予定しています。

日本建築協会による「第66回工高生デザインコンクール(設計課題:『現代』の茶室)」で「読まない図書館」をテーマとした作品が最優秀賞を受賞

2020年11月15日、三重県立四日市工業高等学校は、同校の2年生の在校生が「第66回工高生デザインコンクール」で最優秀賞を受賞したことを発表しました。

「工高生デザインコンクール」は、高校生の設計技能の向上を目的として、日本建築協会の主催により1955年から毎年開催されているコンクールです。2020年は『現代』の茶室を設計課題として開催され、119点の応募作品から入選作品が選出されました。

2020年の同コンクールでは「読まない図書館」をテーマとした作品が最優秀賞に選出されています。同作品は、図書館が障害を持つ人々にとって、公共建築として機能していないという設計者の経験をもとに制作されました。もてなす側ともてなされる側の一体感を非日常の空間で形成するという茶室の考え方に着想を得た、既存の図書館の敷地内に「一冊の本を通して、もてなす側ともてなされる側の一体感を感じられる非日常空間」である、と説明しています。

同作品は、既存の図書館に隣接した空間で障害を持つ人々がホストとなり、手話・点字・要約筆記等の様々な表現方法によって、図書館で本を借りた一般の人々に多様な体験を提供する場として設計されています。

同コンクールの入選作品は、日本建築協会の会誌『建築と社会』の2021年1月号に掲載される予定です。

“Virtual Research Environment”のバージョン1.0が公開される:デジタル保存のツールをテストできる仮想研究環境

2020年12月7日、デジタル資料の長期保存を目指す非営利団体Open Preservation Foundation(OPF)は、“Virtual Research Environment”(VRE)のバージョン1.0を公開したことを発表しました。

VREは、OPFとオランダデジタル遺産ネットワーク(The Dutch Digital Heritage Network:DDHN)により開発された、デジタル保存のツールをテストできる仮想研究環境です。

オープンソースのデジタル保存ツールがプリインストールされており、新たにインストール等を行うことなく各ツールの使用・テストが可能となっています。バージョン1.0では6種類のツール(Apache Tika、Droid、JHOVE、VeraPDF、MediaInfo、ffmpeg/Handbrake)が含まれています。

オランダ科学研究機構(NWO)、オープンサイエンスに関するプロジェクトに助成を行うプログラム“Open Science Fund”の立ち上げを発表

2020年12月1日、オランダ科学研究機構(NWO)は、“Open Science Fund”の立ち上げを発表しました。

オープンサイエンスに関するプロジェクトに助成を行うプログラムであり、あらゆる分野の研究者が申請可能となっています。助成対象となるプロジェクトの例として、オープンアクセス(OA)出版の革新的方法の開発を目的としたプロジェクト、データやソフトウェアの「FAIR原則」に基づいた共有、必要な文化変革(culture change)をもたらすのに役立つプロジェクトが挙げられています。

プログラムの第1段階では100万ユーロが用意されており、研究者はプロジェクトごとに最大5万ユーロを申請できます。

New funding instrument to stimulate Open Science(NWO, 2020/12/1)
https://www.nwo.nl/en/news/new-funding-instrument-stimulate-open-science

英国国立公文書館(TNA)、“COVID-19 Archives Fund”の立ち上げを発表

2020年12月4日、英国国立公文書館(TNA)は、“COVID-19 Archives Fund”の立ち上げを発表しました。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックの中で、コレクション管理上の問題に直面している英国内のアーカイブを対象としたプログラムであり、リスクのある状況に置かれた物理的資料及びボーンデジタル資料を保護するための、緊急の作業を支援するものと位置付けられています。

同プログラムは英国財務省(HM Treasury)から50万ポンドの割り当てを受けており、英国内の申請者は最大5万ポンドの助成申請が可能となっています。申請期限は2021年1月15日であり、その後審査を経て、2021年3月31日までに助成金の配分が行われます。

COVID-19 Archives Fund launched(TNA, 2020/12/4)
https://livelb.nationalarchives.gov.uk/about/news/covid-19-archives-fund-launched/