アーカイブ - 2020年 12月 3日 - car

査読に関するジャーナルのポリシーと編集者の見解(文献紹介)

2020年11月19日付で、オープンアクセスジャーナル“eLife”に、オーストラリアのメルボルン大学のDaniel G Hamilton氏らによる共著論文“Meta-Research: Journal policies and editors' opinions on peer review”が公開されています。論文では、生態学、経済学、医学、物理学、心理学のジャーナルの編集者322人へサーベイの結果が示されています。

調査対象となったジャーナルの49%が全ての投稿論文の盗用をチェックし、61%が著者に特定の査読者を推薦・非推薦することを可能としており、2%未満がオープン査読の形式を使用していることを報告しています。 ほとんどのジャーナルには、査読者からの査読レポートの編集に関する公式の方針が存在しませんが、91%の編集者が、編集者が査読レポートを編集することが適切である状況が少なくとも1例はあるとしています。

編集者はまた、出版倫理に関連する5つの事項についての見解を明らかにしています。 過半数の編集者は、共同査読、査読者がデータへのアクセスを要求すること、査読者が自身の論文の引用を推奨すること、編集者が自身のジャーナルで出版すること、レプリケーション研究(特定の論文の結果が再現されるか評価する研究)への支持を表明したと述べています。

フランス国立図書館(BnF)、デジタル事業に関する枠組み“Schéma numérique”の2020年版を公開

2020年11月23日、フランス国立図書館(BnF)が、同館のデジタル事業に関する枠組み“Schéma numérique”の2020年版を公開したことを発表しました。

同館におけるデジタルコレクションの構築や公開、同館の活動や戦略における位置づけ、デジタル分野の発展領域等に関して、地図上に表現する形で示されています。

地図は、デジタルコレクション、データ、インフラストラクチャ-、コレクションの扱い、可能性と予測、技術、リソースの探索と共有、報告と目録の8領域に分けられています。また、デジタル納本、デジタル化、労働環境、探索ツール、同館の電子図書館“Gallica”、総合目録をはじめとした、10の項目が点在しています。

“Schéma numérique”の全文では、各領域にマッピングされた要素について解説が行われています。

Schéma numérique 2020 de la BnF(BnF, 2020/11/23)
https://www.bnf.fr/fr/actualites/schema-numerique-2020-de-la-bnf

小田原駅東口図書館(神奈川県)、入居する複合商業施設「ミナカ小田原」のグランドオープンを記念して「地域とつながる鉄道」をテーマとしたオープニングイベントを開催

2020年12月4日から6日まで、神奈川県の小田原駅東口図書館は、同館の入居する複合商業施設「ミナカ小田原」が12月4日にグランドオープンすることを記念して、「地域とつながる鉄道」をテーマとしたオープニングイベントを開催します。

オープニングイベントとして、小田原鉄道歴史研究会や、『知のナビ事典:日本の鉄道』の著者である専修大学の野口武悟教授、小田原市ゆかりの俳優である合田雅吏氏によるトークイベントが企画されています。また、12月5日には同じフロアに入居する子育て支援施設「おだぴよ子育て支援センター」とともに、子ども向けのプログラムを実施します。その他、館内では鉄道のジオラマ、鉄道写真等に関する展示も開催されています。

小田原駅東口図書館は、駅近という利便性に合った情報提供や、「歴史と文学の街小田原」の魅力を市民と連携しながら発信する図書館として、2020年10月19日に「ミナカ小田原」の6階にプレオープンしました。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、「国内機関における研究データ管理の取り組み状況調査」を開始

2020年12月1日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、「国内機関における研究データ管理の取り組み状況調査」を開始したことを発表しました。

同調査は、国内の大学・研究機関を対象とした機関内での研究データ管理の取り組み状況に関する調査として、一部を大学ICT推進協議会研究データマネジメント部会(AXIES-RDM部会)と協力して、2020年11月27日から12月28日まで実施されています。調査対象機関は、JPCOAR会員機関、AXIES会員機関、及び国内の大学・研究機関です。

同調査は、研究データ管理の取り組みの基礎情報、ニーズ把握、管理体制の構築状況、サービスの実施状況、情報インフラの整備状況等に関する、回答所要時間約50分程度の設問で構成されています。

お知らせ(JPCOAR)
https://jpcoar.repo.nii.ac.jp/
※2020年12月1日付で「国内機関における研究データ管理の取り組み状況調査を開始しました」というお知らせが掲載されています。

泉佐野市立図書館(大阪府)、南海電鉄泉佐野駅に図書館の予約資料を受け取ることが可能な貸出ロッカーを設置

2020年12月1日、大阪府の泉佐野市は、南海電気鉄道株式会社「泉佐野駅」の協力の下、泉佐野駅の切符売り場付近に、泉佐野市立図書館で予約した図書を受取できるロッカーを設置したことを発表しました。

2020年12月1日以降、予約図書の受取場所に「泉佐野駅」を指定することで、駅のロッカーで予約図書を受取可能になっています。図書館は予約図書の準備の完了後、予約者に対してロッカー番号とロッカーを開けるための4桁の暗証番号を通知します。

設置されたロッカーは、泉佐野駅の始発から終電までの駅に立ち入り可能な時間帯に利用することができます。

泉佐野市報道提供資料 [PDF:246KB](泉佐野市,2020/12/1)
http://www.city.izumisano.lg.jp/ikkrwebBrowse/material/files/group/35/PR20201201.pdf

イタリアの視覚障害者の読書支援団体Fondazione LIA、電子書籍のアクセシビリティ向上に関する情報を提供するホワイトペーパーのドイツ語訳作成を発表

2020年11月27日、イタリア・ミラノに本拠を置く視覚障害者の読書支援団体Fondazione Libri Italiani Accessibili(LIA)は、電子書籍のアクセシビリティ向上に関する情報を提供するホワイトペーパーとして英語で作成した“E-Books for all: towards an accessible publishing ecosystem”について、ドイツ語訳化することを発表しました。

ホワイトペーパーのドイツ語訳化は、Fondazione LIAと、ドイツ図書流通連盟(Börsenverein des Deutschen Buchhandels)・ドイツ読書バリアフリーセンター(dzb lesen)の間で締結された合意に基づいて進められます。ドイツ語版のホワイトペーパーは2021年秋までに提供される予定です。

新型コロナウイルス感染症関連論文が撤回されるリスクを最小限に抑えるために最適な査読プロセス(文献紹介)

2020年11月20日付で、Springer Nature社の刊行する欧州医療哲学会(European Society for Philosophy of Medicine and Health Care)の機関誌“Medicine, Health Care and Philosophy”に、論文“Optimizing peer review to minimize the risk of retracting COVID-19-related literature”のオンライン速報版が掲載されています。

同論文は、The New England Journal of Medicine(NEJM)やThe Lancetなどの著名な査読誌も含め、根拠データが不十分である等の理由により、公表された新型コロナウイルス感染症に関連する論文の撤回がしばしば発生していることを受けて執筆されました。著者らは、文献データベース上の表記が明確でなかったり、ソーシャルメディア等で拡散済であるために撤回済の論文の引用がしばしば確認されることや、研究者の多忙等のため時間をかけた厳格な査読よりも迅速な出版が重視される傾向が見られ査読の質の低下が懸念されることなど、現在の状況が内包する公衆衛生上の懸念を指摘しています。

株式会社紀伊國屋書店、大学・公共図書館向け電子図書館サービスKinoDenに本文音声読み上げ機能を追加

2020年12月3日、株式会社紀伊國屋書店は、大学・公共図書館向け電子図書館サービスKinoDenにおいて、電子書籍の本文閲覧に際しインターネットブラウザを利用して音声読み上げができる機能を追加したと発表しました。発表では、「読書バリアフリー法」に基づく図書館での「アクセシブルな電子書籍」提供への期待の高まりに応えるもの、と述べています。

KinoDenが収録する電子書籍のうち、EPUBリフロー型フォーマットのタイプの中で出版社が許諾した電子書籍約3,000点が本文音声読み上げの対象となります。この機能は、現在はインターネットブラウザからの閲覧のみに限定しているものの、2021年前半にはKinoDenが採用する電子書籍アプリbREADER Cloud上でも実現する予定とあります。

熊本市、市立図書館等において県立図書館蔵書の貸出・返却サービスを実施することを発表:利用者の利便性向上、新型コロナウイルス感染症の感染防止が目的

2020年12月3日、熊本市は、同市の図書搬送ネットワークに熊本県立図書館を加え、市立図書館等において県立図書館蔵書の貸出・返却サービスを実施することを発表しました。2021年1月13日からの実施であり、実施施設は市立図書館、公民館図書室、市議会図書室等の22か所となっています。

実施目的として、新型コロナウイルス感染防止に配慮しながら利用者の利便性向上を図ることを挙げています。このサービスにより、資料の借入・返却において熊本県立図書館へ行く必要がなく、移動距離が短縮できるとしています。

県立図書館蔵書の貸出に当たっては、県立図書館のウェブサイトで借りたい資料と受取館を指定します。予約及び借入には県立図書館登録カードが必要であり、県立図書館の貸出ルール(貸出冊数、貸出期間等)が適用されます。

デジタル時代における特別コレクションとアーカイブのインパクト測定(文献紹介)

2020年11月28日付で、欧州研究図書館協会(LIBER)の季刊誌“LIBER QUARTERLY”の第30巻第1号(2020)掲載の論文“Measuring the impact of special collections and archives in the digital age: opportunities and challenges”が公開されました。

同論文は、特別コレクションに関する課題解決等を目的とした英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)のプロジェクト“Special Collections Programme(SCP)”の枠組みで実施された、特別コレクションやアーカイブのインパクト測定に関する調査をもとにしています。調査はオンラインで実施され、RLUK参加機関のうち英国やアイルランドの16の大学図書館・研究図書館から回答が寄せられました。データの集計および分析は、2018年6月から8月の間に行われました。

株式会社リグネ、ウェブサイトを通じた書店とユーザーとのマッチングサービス「ブックカルテ」を開始:書店員に1万円分の書籍を選書してもらうサービス

2020年12月3日、株式会社リグネは、書店とユーザーとのマッチングサービス「ブックカルテ」を同日から開始することを発表しました。

「ブックカルテ」のウェブサイトで選書を依頼したい書店員を選び、1万円分の書籍を選書してもらうサービスです。いわた書店(北海道・砂川市)が実施する選書サービス「一万円選書」の仕組みを参考とし、同書店からの許可も得たものとあります。

全国の書店と”本を読みたい人”をマッチングするサービス「ブックカルテ」をリリースしました!(PR TIMES, 2020/12/3)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000019567.html

ブックカルテ
https://bookkarte.com/

科学技術・学術政策研究所(NISTEP)、サイエンスマップ2018を公表

2020年11月25日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)は、論文データベース分析により国際的に注目を集めている研究領域を俯瞰した「サイエンスマップ2018」(2013年から2018年が対象)を発表しました。

「サイエンスマップ2018」では902の国際的に注目を集めている研究領域が見い出されました。日本の参画領域数は前回発表した「サイエンスマップ2016」における299領域から25領域減少し、参画領域割合も3ポイント減少して30%となりました。中国のシェアが50%以上を占める研究領域数が148領域存在しており、中国の先導により形成される研究領域数が拡大している一方で、現状では中国内での引用が多い状況であることも指摘されています。

発表では、人工知能が関係している研究領域の動向、社会科学等が関係している研究領域の動向の分析も行ったこと、インタラクティブにサイエンスマップの表示が可能なウェブ版もあわせて公開していることも紹介しています。

京都大学貴重資料デジタルアーカイブが公開3周年:蔵経書院文庫所収資料、谷村文庫猪苗代家本、菊池三渓自筆稿本等の画像も追加公開

2020年12月1日、京都大学図書館機構は、京都大学貴重資料デジタルアーカイブが2017年12月1日の正式公開から3周年を迎えたことを発表しました。

2017年12月1日時点の公開件数は3,719タイトル39万4,069画像でしたが、2020年12月1日時点では1万9,427タイトル161万3,314画像であり、150万画像を超える規模となっています。

同日には、以下の資料画像の追加公開についても発表されています。

・仏典・仏教関係コレクション「蔵経書院文庫」163タイトル
・谷村文庫猪苗代家本、菊池三渓自筆稿本等1,507タイトル

【図書館機構】京都大学貴重資料デジタルアーカイブ: 公開3周年、画像が150万件を超えました(京都大学図書館機構, 2020/12/1)
https://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/bulletin/1387870

オランダ・ライデン大学図書館、2万点超の地図資料をオンラインで公開:旧オランダ植民地の地図等

2020年12月1日、オランダ・ライデン大学図書館は、同館が所蔵、又は寄託により保管している複数のコレクションに含まれる地図資料を同館のデジタルコレクションで公開したことを発表しました。

計2万点超の地図資料が利用可能となっており、旧オランダ植民地の地図等が含まれます。発表では、オランダで最も大規模かつ重要な地図コレクションの一つが、今回の公開により研究・教育・一般向けにデジタル形式で利用可能となった、と述べています。

Springer Nature社、学術界の外におけるゴールドOAコンテンツの利用について調査したホワイトペーパーを公開

2020年11月30日、Springer Nature社は、ホワイトペーパー“Open for All, Exploring the Reach of Open Access Content to Non-Academic Audiences”の公開を発表しました。

同社がオランダ大学協会(VSNU)及びオランダ大学図書館・王立図書館コンソーシアム(UKB)と実施している共同プロジェクトの最新成果であり、ゴールドOAコンテンツが学術界の外でどのように利用されているのかを探る内容となっています。

ホワイトペーパーは二つの調査に基づいています。一つ目はドキュメント(書籍の章、雑誌論文、プロシーディングを含む)の書誌計量学的分析であり、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に関連する2017年出版のドキュメント36万点近くを対象としています。二つ目は同社の複数のウェブサイト上でのアンケート調査であり、6,000人近くが回答しました。

発表では、主な調査結果として次のような点が示されています。

英・Emerald社、抄録データのオープン化を推進するイニシアティブI4OAに参加

2020年11月25日、英・Emerald社は、抄録データのオープン化を推進するイニシアティブI4OAへの参加を発表しました。

I4OAの取組の一環として、同社は学術出版物の抄録データ、そのうち特に論文の抄録データに焦点を当ててCrossrefを通じた公開を行うとしています。

発表では、I4OAのコーディネーターを務めるLudo Waltman氏のコメントも掲載されています。同社がI4OAの立ち上げ前から抄録データのオープン化に取り組んでいたことに触れ、今回のI4OAへの参加により、同社が公式に抄録データのオープン化への支援を表明したことを歓迎しています。