アーカイブ - 2016年 6月 14日 - car

Wikipediaからの引用は学術論文や図書のインパクトの証になるか(文献紹介)

Journal of the Association for Information Science and Technology誌に掲載予定の論文、” Are wikipedia citations important evidence of the impact of scholarly articles and books?”の早期公開版が2016年6月13日付けで公開されています(本文は有料)。著者は英国・ウルヴァーハンプトン大学のKayvan Kousha氏とMike Thelwall氏です。

この論文では2005~2012年に出版され、論文データベースScopusに収録されている、英語で書かれた論文302,328本と、モノグラフ18,735冊に対する、Wikipediaの記事からの引用の状況を調査しています。調査の結果、学術論文については、Wikipediaの記事から1回以上引用されているものは全体の5%にとどまり、研究評価に使うには少なすぎるとされています。一方、モノグラフについては全体の3分の1が1回以上、引用されており、特に人文学分野において引用が多かったとのことです。

欧州委員会(EC)、altmetricsに関する専門家グループ立ち上げ 根拠に基づいた情報提供を呼びかけ

欧州委員会(EC)は、”Open Society Policy Platform”(OSPP)に対し研究評価指標やaltmetricsのオープンサイエンスにおける役割について助言すること等を目的に、altmetricsに関する専門家グループを立ち上げました。新たに立ち上がった専門家グループでは、2016年7月13日を期限に、根拠に基づいた情報の提供(Call for Evidence)を呼びかけています。

OSPPはECの研究イノベーション総局(Directorate-General for Research and Innovation)が設立する予定の、欧州のオープンサイエンス政策の開発・実施に関し助言する専門家グループです。altmetricsに関する専門家グループはOSPPやECの政策立案者に対し、オープンサイエンスを支援する研究評価指標やaltmetricsの開発と責任ある利用に関する助言を与えることを目的としています。今回公開されたCall for Evidenceでは、大学関係者や研究者、学会、出版者、altmetrics開発者等、幅広いステークホルダーに対し、根拠に基づく情報の提供を呼びかけています。情報を求めている具体的なトピックとして、「オープンサイエンスのための次世代の指標」、「altmetricsの現状」など6つのサブテーマも設定されています。

フィンランドの大学・研究機関における学術雑誌購読費用の詳細が公開される 出版者ごとの詳細までの公開は世界初?

フィンランドの大学・研究機関が、2010-2015年に学術雑誌購読のために支出した費用の詳細を、同国の教育文化省のオープンサイエンス推進担当部門、Open Science and Research Initiativeが公開しています。各機関が対象期間中の毎年、どの出版者に対し何ユーロ支出したかをCSV形式で公開しており、一国単位で、出版者ごとの詳細な金額まで公開するのは世界初とのことです。

今回公開されたデータは元々、2014年にOpen Knowledge Foundationのフィンランドにおける地域グループ、Open Knowledge Finlandが大学等に対して直接、公開を要求していたものでした。出版者から契約違反を訴えられることを恐れた大学等は公開を拒否しましたが、公開要求者らが行政裁判所に訴え、行政裁判所が購読契約費用は公開すべきデータであると認めたことにより、今回の公開に至ったとのことです。

今回公開されたデータによれば、フィンランド全体では2010-2015年の期間中、平均して毎年2,200万ユーロを学術雑誌購読に費やしており、2011年以降毎年、支出金額は増額していました。

「図書館ではお静かに」と言わないで 自閉症の人々が使いやすい図書館を実現するためのネットワーク(英国)

英Guardian紙オンライン版で、自閉症の人々が使いやすい図書館を実現するためのネットワークの活動が紹介されています。

学習障害を持つ人や自閉症の人を支援する非営利団体、Dimensionsが行った調査によれば、自閉症の人々の90%は、図書館がより自分たちにとって使いやすいものであれば、もっと図書館を利用するだろうとしていたといいます。しかし静かにし続けていることが困難であったり、予測のできない行動をとることのある自閉症を持つ人は、理解を得られず注意されたり、奇異の目で見られることがあり、そのことが図書館利用の障害となっています。

そこでDimensionsと英国の高学年の子ども及び教育図書館員協会(Association of Senior Children and Education Librarians: ASCEL)は協同で、自閉症の人が利用しやすい図書館を実現するためのネットワークを立ち上げました。このネットワークの目的は、英国にある3,000超の公共図書館を、自閉症の人々を受け入れる場とすることです。

Guardian紙の記事中では「最も重要なのは、図書館で働く人々が自閉症について理解し、寛大さを身につけることだ」とするDimensionsの職員のコメント等も紹介されています。

熊本県の益城町図書館、図書館横のプレハブハウスで「益城mini図書館」をオープン

2016年6月11日、熊本県の益城町図書館は図書館横のプレハブハウス「よかましきハウス」で「益城mini図書館」をオープンしました。Facebookによると一般向け150冊、児童向け150冊が毎週火曜と木曜日に貸し出されているようです。

4月の熊本地震被災後、復興、再開館に向けた取組みや状況が同館のFacebookで発信されており、図書館が入居する複合施設のロビーで図書館の本を提供したことや、6月4日に読み聞かせが開始されたことなどが発信されています。

Facebook(益城町図書館, 2016/6/10,12)
https://www.facebook.com/mashikitosyo/posts/600150323495733
https://www.facebook.com/mashikitosyo/posts/600829840094448

米・ミシガン大学図書館、著作権調査管理業務に役立つツールキットを刊行

2016年6月13日、米・ミシガン大学図書館が、HathiTrustの著作権調査管理システム(CRMS)への理解を促し、類似の著作権調査事業遂行の参考となることを目的に“Finding the Public Domain: Copyright Review Management System Toolkit”を刊行しました。

図書館のウェブサイトでhtml版、pdf版も公開されています。

米・ミシガン大学図書館では、HathiTrustに含まれる孤児著作物を特定するプロジェクトに取組んでいます。

Announcements >Finding the Public Domain Toolkit: Identifying Items Not Subject to Copyright(University of Michigan Library,2016/6/13)
http://www.lib.umich.edu/announcements/finding-public-domain-toolkit-identifying-items-not-subject-copyright

Finding the Public DomainCopyright Review Management System Toolkit

中央教育審議会の答申「個人の能力と可能性を開花させ、全員参加による課題解決社会を実現するための教育の多様化と質保証の在り方について」

2016年5月30日付で、中央教育審議会(中教審)による「個人の能力と可能性を開花させ、全員参加による課題解決社会を実現するための教育の多様化と質保証の在り方について」が発表されました。

章構成は以下のとおりです。

・第一部 社会・経済の変化に伴う人材需要に即応した質の高い専門職業人
養成のための新たな高等教育機関の制度化について

 第Ⅰ章 21世紀を生きる職業人を取り巻く状況と今後の職業人材養成
 第Ⅱ章 高等教育における職業人養成の現状と課題
 第Ⅲ章 新たな高等教育機関の制度化の方向性
 第Ⅳ章 新たな高等教育機関の制度設計等・

・第二部 生涯学習による可能性の拡大、自己実現及び社会貢献・地域課題
解決に向けた環境整備について

 第Ⅰ章 生涯学習を取り巻く状況
 第Ⅱ章 学習成果活用の課題
 第Ⅲ章 今後の施策の方向性
 第Ⅳ章 検定試験の質の向上等
 第Ⅴ章 ICTを活用した「生涯学習プラットフォーム(仮称)」の構築
 

スミソニアン協会、ビデオゲーム産業草創期のオーラルヒストリーアーカイブ事業に着手

2016年6月13日、スミソニアン協会は、レメルソン発明および革新研究センター (Lemelson Center for the Study of Invention and Innovation)において、ビデオゲーム産業の草創期に関するオーラルヒストリーインタビューのアーカイブ事業に着手すると発表しています。

最初の2年間は、1960年代から1970年代にかけての考案者やデザイナーのオーラルヒストリーインタビューに取組むとのことです。

事業を進めるため、同センターでは、著明なゲームのパイオニアや博物館・アーカイブズのビデオゲームの研究者・担当者からなる専門委員会を設置しています。

Smithsonian’s Lemelson Center Announces Video Game Pioneers Archive Initiative(Smithsonian,2016/6/13)
http://newsdesk.si.edu/releases/smithsonian-s-lemelson-center-announces-video-game-pioneers-archive-initiative

参考:
CA1719 - 動向レビュー:デジタルゲームのアーカイブについて―国際的な動向とその本質的な課題― / 細井浩一

つがる市立図書館、開館予定が発表:イオンモール内に開館(7/29)

2016年6月13日、青森県つがる市、イオンモール株式会社、株式会社図書館流通センターの3者が、7月29日につがる市立図書館を開館予定であることを発表しました。

つがる市立図書館は同市が「つがる市総合計画」の中で検討してきたもので、イオンモール社からショッピングモール「イオンモールつがる柏」の別館の活用について提案があったことを受け、検討の上、設置場所を別館に決定されました。

同館はTRCが指定管理者となり、蔵書数は約8万冊で、エントランスにはタリーズコーヒーが入居します。

青森県 つがる市
http://www.city.tsugaru.aomori.jp/
http://www.city.tsugaru.aomori.jp/kyouiku/pdf/library-open.pdf
※2つ目のリンクはプレスリリースの資料です。

株式会社図書館流通センター
http://www.trc.co.jp/
※「お知らせ」欄に「「つがる市立図書館」がイオンモールつがる柏内に開館 TRCが指定管理者として運営」とあります。

AEON MALL
http://www.aeonmall.com/index.php

米・バージニアビーチ公共図書館の図書館員がつくる「魅力的」な図書展示(記事紹介)

2016年6月10日付けの米・Huffingtonpost紙が、バージニアビーチ公共図書館の図書館員アッシュ(Brittney Ash)氏がつくる「魅力的」な図書展示を紹介しています。

禁書週間(Banned Books Week)や鮫週間(Shark Week)にあわせた展示のほか、Sir Mix-a-Lot'sの曲“Baby Got Back”をもじった歌詞で「分厚い本」への読書に誘う展示や、牛乳の空き容器で作ったイグルーのなかで本が読める子ども向けの展示が写真付きで紹介されています。

‘Baby Got Books’ Display Will Make You Want To Tackle Daunting Reads(Huffingtonpost,2016/6/10)
http://www.huffingtonpost.com/entry/librarys-baby-got-books-display-will-make-you-want-to-tackle-daunting-reads_us_575acd75e4b0ced23ca7c9b2

関連:
Shark Week(Discovery Channel)
http://www.discovery.com/tv-shows/shark-week/

参考:

オランダ大学協会と独・De Gruyter社、オープンアクセス出版について合意

2016年6月13日、ドイツの学術出版社De Gruyter社が、オランダ大学協会(VSNU)とオープンアクセス出版について合意したと発表しています。

VSNU加盟の大学の研究者が、APC(論文処理費用)を支払わずに、決められた数の論文をオープンアクセスとして、De Gruyter社のハイブリットジャーナルの査読誌370誌から出版できる内容で、契約期間は2016年から2018年までの2年間です。

ただし、研究者が投稿しようとしているジャーナルを、所属機関が購読している必要があります。

De Gruyter Signs Open Access License Agreement with Dutch Universities(De Gruyter,2016/6/13)
https://www.degruyter.com/dg/newsitem/197/de-gruyter-schliet-lizenzvertrag-mit-niederlndischen-universitten-ber-open-access-

参考:
オランダ大学図書館・王立図書館コンソーシアム、Karger社とオープンアクセス出版について合意
Posted 2016年6月1日
http://current.ndl.go.jp/node/31713

米・Microsoft社、ビジネスに特化したSNSを運営するLinkedIn社を買収

2016年6月13日、米・Microsoft社が、ビジネスに特化したソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を運営するLinkedIn社を買収すると発表しています。

買収後、Microsoft社の決算報告において、LinkedInの事業は、Productivity and Business Processes部門に含まれることになると説明されています。

Microsoft to acquire LinkedIn(LinkedIn,2016/6/13)
https://press.linkedin.com/site-resources/news-releases/2016/microsoft-to-acquire-linkedin

Microsoft to acquire LinkedIn(Microsoft,2016/6/13)
http://news.microsoft.com/2016/06/13/microsoft-to-acquire-linkedin/#sm.00000dlq5ivl1dfk4sssya0wm6iy4

関連:
MS、決算報告の事業区分を変更へ--2016年会計年度から(ZDNet Japan,2015/9/29)
http://japan.zdnet.com/article/35071141/

参考:

米国図書館協会(ALA)、6月12日未明の米国フロリダ州のナイトクラブで発生した銃乱射事件に関し、会長名義で声明を発表

2016年6月13日、米国フロリダ州のオーランドにあるGLBTQの人々のナイトクラブにおいて、6月12日に発生した銃乱射事件について、米国図書館協会(ALA)のウェブサイトにおいて、会長であるフェルドマン(Sari Feldman)氏の名で、哀悼の念が示されるとともに、犠牲者とその家族、友人、GLBTQのコミュニティに対するものとして声明が発表されました。

米国の図書館は地域社会の平等や尊厳に関して奉仕するものであり、今後も図書館界は地域社会を変革させるべく取り組んでいくという考えを示しています。また、過去にも2005年のハリケーン・カトリーナの際やSARSの流行の際にも、対応してきたとし、今回の銃乱射についても、ALAは支援する考えを示しています。

そのほか、6月23日からオーランドで開催される予定のALAの年次大会については、開催する予定であり、関係者と緊密に連携して安全な会議とすることが述べられています。

ALA president responds to Orlando mass shooting(ALA, 2016/6/13)
http://www.ala.org/news/press-releases/2016/06/ala-president-responds-orlando-mass-shooting

関連:
NHKオンライン