アーカイブ - 2016年 6月 10日 - car

LIBER、IFLA、EBLIDAの3つの図書館組織、オープンサイエンスシステムへの移行に関する欧州理事会総括に賛意を表明:国際STM出版社協会の意見に一部反論

2016年6月9日、欧州研究図書館協会(LIBER)、国際図書館連盟(IFLA)、欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)の3者が連名で“Be Open to Open Science: Stakeholders Should Prepare for the Future, not Cling to the Past”と題した声明を出しました。

2016年5月27日に承認されたオープンサイエンスシステムへの移行に関する欧州理事会総括(“The transition towards an Open Science system”)に対し、賛同の意を表明した声明となっており、2016年4月4日と5日に開かれたEU理事会議長国・オランダ主催のイベントで提示された“ Amsterdam Call for Action”について賛意を表明するとともに、図書館が“ Amsterdam Call for Action”の文脈にそってどのようなことができるかについて6点にわたって示した5月17日のLIBERの意見表明に示した内容と同趣旨であったとしています。

人文・社会科学分野におけるaltmetricsの可能性・課題・技術(記事紹介)

2016年8月に開催される第82回世界図書館情報会議(WLIC)・国際図書館連盟(IFLA)年次大会の資料として、フィンランドのヘルシンキ大学図書館のJohanna Lahikainen氏による“Altmetrics in Social Sciences and Humanities: Possibilities, Challenges, and Experiences”と題する記事が公開されています。

ヘルシンキ大学図書館が、EBSCO社の研究成果評価分析ツール“PlumX”を用いて2015年に実施したaltmetricsの試験結果の概要が述べられており、英語で執筆される医学・自然科学分野に対し、人文・社会科学分野の文献はフィンランド語・スウェーデン語といった現地の言語で執筆されるため、医学・自然科学分野ほどは評価ツールが効果的に機能しなかったことが述べられています。

そして、そのような分野に適したaltmetricsツールを作成することが重要であるとし、その解決策として、フィンランド語の雑誌へのDOIの付与、ORCIDの採用、2016年中に運営が開始される研究成果登録簿・データウェアハウスである“VIRTA”とAltmetrics社のaltmetricsデータの統合などが指摘されています。

『インターネットで文献探索』2016年版が公開

図書館資料に関連するウェブサイトやデータベースの情報をまとめた『インターネットで文献探索』の2016年版(2016年5月出版)が、実践女子大学所属の伊藤民雄氏によるウェブサイト「図書・雑誌探索ページ」で公開されています。

インターネットで文献探索 2016年版
http://biblioguide.net/inet2016/

図書・雑誌探索ページ
http://biblioguide.net/index.html

参考:
『インターネットで文献探索』2013年版がプレ公開
Posted 2013年5月1日
http://current.ndl.go.jp/node/23437

2016年の“Library of the Year”、候補推薦の募集開始(日本)

2016年6月9日、NPO法人知的資源イニシアティブ(IRI)が主催・企画・運営する“Library of the Year 2016”の候補募集が開始されました。募集期限は、2016年7月15日です。

選考基準、選考対象については

・図書館及びそれに準ずる施設・機関における他の図書館の参考となる先進的な取り組みや活動について評価し選考する。
・対象となる機関は、公立図書館、大学図書館、専門図書館、学校図書館、図書館団体、図書館関連企業など。
・ここ数年の活動を評価対象期間とする。

の3点が掲げられており、対象となる館種も考慮しつつ、選考過程の可視化、優秀賞の設定の仕方、会場票の重視等いくつかの改善を行った上で実施される予定です。

IRIによるLibrary of the Year(LoY)は、2015年をもって中止することが発表されていましたが、2016年度も実施されることが2016年4月に発表されました。

IRIホームページ
http://www.iri-net.org/

Library of the Year 2016
http://www.iri-net.org/loy/loy2016.html

Library of the Year 2016 候補推薦ページ(IRI)

カナダの大学図書館コンソーシアムが運営するリポジトリ“Scholars Portal Journals”が、ORCID idによる検索に対応

2016年6月9日、カナダのオンタリオ州の大学図書館からなるコンソーシアムOCUL(Ontario Council of University Libraries)は、運営するリポジトリ“Scholars Portal Journals”において、ORCID idを用いた著者検索を可能にしたと発表しています。

ORCIDの情報は、学術出版社からリポジトリに提供されていて、検索結果の著者名の横に表示される緑色のアイコンをクリックすると、著者のORCIDレコードに繋がります。

New Feature on Scholars Portal Journals: Search by ORCID iD(OCUL,2016/6/9)
http://www.ocul.on.ca/node/5361

Scholars Portal Journals
http://journals1.scholarsportal.info/

『アーチー・グリーンと魔法図書館の謎』の作者エヴェレスト氏が選ぶ魅惑的な図書館トップ10(記事紹介)

2016年6月9日付けのGuadian紙で、『アーチー・グリーンと魔法図書館の謎』で知られる、児童文学作家エヴェレスト(DD Everest)氏が選ぶ魅惑的な図書館トップ10が紹介されています。

実在のオックスフォード大学ボドリアン図書館や、失われてしまった英国エリザベス朝の占星術師・数学者ジョン・ディー(John Dee)の図書館、古代エジプトのアレキサンドリア図書館のほか、文学作品『指輪物語』『薔薇の名前』『ディスクワールド』『ジョナサン・ストレンジとミスター・ノレル』『ハリーポッター』や、映画・テレビドラマの『スターウォーズ』『静寂の図書館』に登場する図書館が選ばれています。

Top 10 secret libraries of all time(Guardian,2016/6/9)
http://www.theguardian.com/childrens-books-site/2016/jun/09/top-10-best-secret-libraries-of-all-time

フェアユースウィーク:中国で初開催

EIFL(開発途上国において図書館を通じた情報へのアクセス向上に取り組んでいる非営利組織)のブログで、2016年5月19日・20日に中国で初めて開催されたフェアユースウィークの報告記事が掲載されています。

“Copyright issues in information services”をテーマに実施されたフェアユースウィークは、中国科学院(CAS)の主催で、一般人を含め、100名以上の図書館員、研究者、出版社が参加しました。

セッションでは、フェアユースの仕組みが、情報の共有と活用の促進や知的財産戦略の履行を如何に支援するかについて焦点が当てられ、大規模デジタル化、孤児著作物、図書館での権利制限規定、オープンアクセス、オープンデータなどについて議論されたとのことです。

イベントの資料(中国語)は中国科学院文献情報センター(LCAS)の機関リポジトリからダウンロードできます。

First China ‘Fair Use Week’ a success China’s first ‘Fair Use Week’ attracts over 100 participants(EIFL,2016/6/9)
http://www.eifl.net/news/first-china-fair-use-week-success

2016中国合理使用周

公共図書館で少数言語で書かれた子ども向け資料を作成する取組み(フィリピン)

公共図書館を通じた経済・社会的発展を目指す"Beyond Access"のウェブサイトに、米国を基盤とした教育支援団体IREXと共同で行っている、フィリピンの少数言語の子供向け教材作成プロジェクトが紹介されています。

3年前の教育省の方針で、標準語の英語・フィリピン語に加えて、フィリピンの175の少数言語のうち19の言語が学校で教えられることになったが、子ども向けの教材となりうるそれらの言語の資料が不足していることがプロジェクト開始の背景にあります。

先週、アーダネータ市図書館で行われたワークショップでは、図書館員20名や、教師などが参加し、多言語の書籍を簡単に作成できるソフト“Bloom”を用いて、イロカノ語・パンガシナン語・ヒリガイノン語の図解辞典(picture dictionary)の作成や、フィリピン語の書籍の翻訳が行われ、2ダース以上の本が完成したとのことです。

Creating local language materials through libraries in the Philippines(Beyond Access,2016/6/9)