アーカイブ - 2015年 7月 14日 - car

Science Europeの社会科学の科学委員会、高品質の研究成果のオープンアクセス(OA)についてのレポートを公開

2015年7月13日、ヨーロッパの研究助成財団・研究実施機関が加盟するScience Europeの社会科学委員会が、高品質の研究成果のオープンアクセス(OA)についてのレポート“The Need for‘Diamond Engagement’around Open Access to High Quality Research Output”を公開しました。

OAに抵抗してきた科学者や政策立案者を読者に想定しており、この報告書では、3つの重要な原則、パートナーシップ・標準化・相互運用性に“Diamond Engagement”という概念を提案しているとのことです。

Emerald社、図書館情報学分野の雑誌等を対象に出版直後からの機関リポジトリ登録を認める” Zero Embargo trial”を開始

2015年7月10日、Emerald Group Publishing社は同社が刊行する図書館情報学分野のすべての雑誌と、情報・知識管理分野の一部の雑誌を対象に、論文出版直後からの機関リポジトリ等への登録を認める” Zero Embargo trial”を実施することを発表しました。対象となるのは”Library Review”、”Journal of Documentation”等の21誌です。

Emerald社では通常、同社の雑誌に掲載された論文の著者最終稿をリポジトリ等で公開する際には、論文出版から24ヵ月間の猶予期間(エンバーゴ)を置くことを求めています。これに対し今回実施されるZero Embargo trialの対象誌については、論文公開直後から、著者最終稿を機関リポジトリ等で公開することが認められることになります。なお、対象となるのは助成機関や所属機関等のポリシーによりオープンアクセス化が義務付けられている(”mandated”)論文に限られます。

このtrialはEmerald社に新たに設けられたLibrarian Advisory Group (LAG)の意見に従って実施に至ったとのことです。LAGは同社の図書館情報学分野の主要な編集者や著者によって構成されています。

スペイン国立図書館が『ドン・キホーテ』ポータルを公開

2015年7月8日、スペイン国立図書館は同国Iberdola社のスペイン財団と共同で、『ドン・キホーテ』のポータルサイト”Quijotes”を開設しました。

このポータルサイトは『ドン・キホーテ』第2版の刊行400周年を記念して作成されたものとのことです。スペイン国立図書館に所蔵されている、世界40か国語以上に翻訳・編集された、3,300版を超す『ドン・キホーテ』への一元的なアクセスが提供されています。

La BNE presenta un nuevo portal del Quijote(Biblioteca Nacional de Espana、2015/7/8付け)
http://www.bne.es/es/AreaPrensa/noticias2015/0708-portal-quijotes.html

Quijotes
http://www.bne.es/es/quijote/index.html

『ドン・キホーテ』ポータルをスペイン国立図書館が公開 第2部刊行400周年にあわせて(歴史とデジタル、2015/7/11付け)

英HEFCE、研究評価における評価指標の役割に関するレポートを公開

2015年7月9日、英高等教育助成会議(HEFCE)は研究評価における評価指標(metrics)の役割に関するレポート、”The Metric Tide”を公開しました。

このレポートはサセックス大学のJames Wilsdon教授を議長とする研究グループの調査に基づくものです。研究グループでは文献調査や関係者へのフォーカス・グループ、ワークショップ等によってエビデンスを収集したほか、HEFCE等が実施している英国高等教育機関の研究評価活動、Research Excellence Framework(REF)の2014年の各大学スコアと、各種研究評価指標間の関係を分析しました。

レポートのExecutive Summaryでは調査結果に基づき、以下のような指摘・提案を行っています。

・ピア・レビューは、その欠点にも関わらず、研究業績を評価する基礎となるものとして支持されている。ただし、適切な注意を払った上で研究評価指標の利用を拡大することを強く支持する声も少なからず存在する。

・慎重に選ばれた研究評価指標は意思決定を補うものになりうる。ただし、研究の多様性を尊重した上で、量的指標と質的評価を組み合わせることが必要である。

常に諜報機関に監視されていることを考えさせるフォント”Seen”

インターネット上でやり取りしている自分の文章が、米国国家安全保障局(NSA)や英国政府通信本部(GHCQ)等の諜報機関に常に監視されていることをリアルタイムで考えさせられるフォント”Seen”がブログ”The Digital Reader”で紹介されています。

“Seen”はロンドン芸術大学セントラル・セント・マーチンズ校の大学院生Emil Kozoleが製作したものです。エドワード・スノーデン氏が2013年にリークした、NSAが監視対象としている単語リストに基づいて、監視対象となる語を入力した場合、語が上から黒塗りでつぶされるようになっています。このフォントは”Project Seen”のWebサイトからダウンロードすることができます。

This Font Will let You Know That the NSA Thinks You’re a Terrorist(The Digital Reader、2015/7/13付け)
http://the-digital-reader.com/2015/07/13/this-font-will-let-you-know-that-the-nsa-thinks-youre-a-terrorist/

Project Seen
http://emilkozole.com/Project-Seen

参考:

CCライセンスバージョン4.0日本語版公開

2015年7月13日、クリエイティブ・コモンズ(CC)はCCライセンスバージョン4.0(CC4.0)の日本語版とマオリ語版を公開したことを発表しました。CC4.0のアジア・太平洋地域言語版が正式公開されるのは両言語版が初とのことです。

CC4.0日本語版の作成は2014年2月から開始され、2015年1月にはドラフト版が公開されていました。今回公開された日本語版はCC4.0の単なる参考訳ではなく、「正式版」のひとつと位置づけられます。

New Translations: CC 4.0 licences now available in te reo Māori and Japanese(Creative Commons、2015/7/13付け)
http://creativecommons.org/weblog/entry/45695

ライセンスについて(Creative Commons)
https://creativecommons.org/licenses/?lang=ja

参考:
クリエイティブ・コモンズ・ジャパン、CC-CCライセンスバージョン4.0の日本語版ドラフトを公開、意見募集中
Posted 2015年1月5日
http://current.ndl.go.jp/node/27738

ウィキメディア財団、新しく5つの大学・研究機関に客員研究員“Wikipedia Visiting Scholars”を配置

2015年7月13日、ウィキメディア財団は、Wiki Education Foundationの協力を得て、財団のプロジェクトである“The Wikipedia Library”において、ウィキペディアの編集者を客員研究員として受け入れてもらう“Wikipedia Visiting Scholars”を新しく5つの米国とカナダの大学と研究機関に配置すると発表しています。

“Wikipedia Visiting Scholars”は、最先端の研究図書館と提携する遠隔地の無償のウィキペディアの編集者で、当該機関及びウィキペディアが必要とするテーマを拡張するため当該図書館の電子リソースの完全なアクセスが提供されるとのことです。

5つの大学・機関は以下の通りです。

・マックマスター大学(カナダ)
・デポール大学(米国)
・スミソニアン研究所(米国)
・ピッツバーグ大学(米国)
・ワシントン大学(米国)

Five new positions placing Wikipedians as Visiting Scholars(WIKIMEDIA blog,2015/7/13)
http://blog.wikimedia.org/2015/07/13/wikipedians-as-visiting-scholars/

参考:

米国国立医学図書館(NLM)、英語圏で1552年から1800年までに出版された希覯本をデジタル化してオンラインで公開

2015年7月13日、米国国立医学図書館(NLM)が、NLMが所蔵し、英語圏で1552年から1800年までに出版された書籍200タイトルの希覯本をデジタルコレクションのデータベースを通じて公開したと発表しています。

NLMも参加している英国および1801年以前に英国領であった地域で、1473年から1801年にかけて刊行された図書(印刷本)、雑誌、新聞、パンフレット、広告などを収録対象としている目録“English Short Title Catalogue(ESTC)”で調査を行ったものとのことです。

NLMが2010年から支援している医学史文献のフリーアクセスを提供する国際的な協業であるインターネットアーカイブの“Medical Heritage Library”の一部にもなるとのことです。

あわせてセントルーズ大学とNLMの歴史的コレクションの中のヨーロッパの稀覯本を識別し保存するため3年間の協定を結んだと発表しています。

セントルーズ大学は印刷の発明から16世紀の終わりまでにヨーロッパで出版された書籍を探すことができるデータベース“Universal Short Title Catalog(USTC)”を運営しています。

ORCIDとCHORUSが連携

2015年7月13日、研究者に識別子を与える国際組織であるORCIDと、出版社・学協会が公的助成研究成果のパブリックアクセス拡大に向けた官民イニシアティブであるCHORUSが研究者のワークフロー支援のため覚書を締結したと発表しています。

両機関の計画には、CHORUSの記事レコードとORCID IDの著者レコードを結びつけることで、

・研究者と助成機関の間が単純で明快なリンクで結び付けられることを支援する
・助成機関の調査員と管理者の間にORCIDのレジストリを意識させる
・研究者と機関の業績調査のためのパブリックアクセスを支援するために永続的識別子の使用を促す

ことが含まれるとのことです。

ORCID and CHORUS Partner to Support Researcher Workflow(CHORUS,2015/7/13)
http://www.chorusaccess.org/orcid-and-chorus-partner-to-support-researcher-workflow/

参考:
出版社・学協会が公的助成研究成果のパブリックアクセス拡大に向けた官民イニシアティブ”CHORUS”を提案(米国)
Posted 2013年6月11日
http://current.ndl.go.jp/node/23696

ウィリー・ネルソン氏、米国議会図書館(LC)によるガーシュウィン賞を受賞

2015年7月9日、米国議会図書館(LC)は、2015年のガーシュウィン賞受賞者が、ウィリー・ネルソン氏に決定したことを発表しました。2007年にLCにより創設されたガーシュウィン賞は、米国を代表する作曲家・ガーシュウィン兄弟(Ira Gershwin,George Gershwin)にちなみ、ポピュラー音楽で世界の文化に大きな影響を与えた作曲家・演奏家に対し贈られる賞です。

授賞式は11月に行われ、あわせて一連のイベントが実施されるそうです。

Librarian of Congress Names Willie Nelson Next Recipient of the Library of Congress Gershwin Prize for Popular Song(LC,2015/7/9)
http://www.loc.gov/today/pr/2015/15-117.html

参考:
ビリー・ジョエル氏、米国議会図書館によるガーシュウィン賞を受賞
Posted 2014年7月23日
http://current.ndl.go.jp/node/26629

E1062 - ポール・マッカートニー,LCのガーシュウィン賞を受賞
2010.06.24
http://current.ndl.go.jp/e1062

シアトル公共図書館(SPL)の無料Wi-Fiホットスポット貸出の現状(記事紹介)

2015年7月12日付のGreekWire誌に2015年5月から図書館カード保有者に対する無料Wi-Fiホットスポット貸出をはじめたシアトル公共図書館(SPL)の現状についての記事が掲載されています。

Googleから225,000ドルの助成金を得て1年間のプログラムとしてはじめられた貸出は、当初126のデバイスが用意されたそうですが、1,300人待ちの状態となったため、Googleから追加の80,000ドルの助成を得てデバイスの追加を行うことになったとのことです。

この貸出は、2014年のレポートでシアトル市民の88%がパソコンを所有しているが、そのうち15%がインターネットへのアクセス手段を持っていなかったことからはじめられたそうです。

SPLでは貸出の継続を考えており、Googleからの助成金が切れた後の資金の調達先を探していて、シアトル市の予算局やシアトル公共図書館財団と助成金の延長について話し合っているようです。

Testing the Seattle Public Library’s new Wi-Fi hotspot: It’s worth the wait(GreekWire,2015/7/12)