全米デジタル情報基盤整備・保存プログラム(NDIIPP)が維持管理しているデジタル・フォーマットの利用可能性についての情報を提供するサイト“Sustainability of Digital Formats”において、Office Open XML(OOXML)に関する9つのフォーマットの掲載を開始したそうです。米国議会図書館(LC)のブログ“The Signal”でその概要が紹介されています。
Microsoft Office製品のWord、PowerPoint、Excelそれぞれのファイルの拡張子は、以前は.doc、.ppt、.xlsでしたが、XML構造を取り入れ、独自フォーマットから標準的なフォーマットを採用し、それぞれ"x"を付与した.docx、.pptx、.xlsxのフォーマットが最新版となっているとのことです。
LCが公開している長期保存に適したフォーマット仕様“Recommended Format Specifications”では、文字資料については、OOXMLに加えて、XMLベースのオフィス文書の形式であるOpen Document Format(ODF)も推奨しています。
Office Opens up with OOXML(The Signal, 2015/2/3付け)
2015年2月2日、スミソニアン・アメリカ美術館が、コンソーシアム“The American Art Collaborative(AAC)”の立ち上げを発表しました。コンソーシアムには、アメリカの美術館・博物館14館が参加しています。参加館のコレクションについてのデータをLinked Open Dataで公開し、デジタルでの検索や学術的な発展に寄与することを目的としているとのことです。アンドリュー・メロン財団からの助成を得て、9か月のプログラムに従事しており、第1フェーズで美術館・博物館のデータをLinked Open Data形式に変換して公開し、第2フェーズで研究や教育目的のアプリケーションを開発するとのことです。
2015年1月付けで、オランダ・ライデン大学のCentre for Science and Technology Studies(CWTS)が作成した調査報告” Bibliometric study on Dutch Open Access published output 2000-2012/2013”が公開されていました。
同報告はCWTSがオランダの科学・文化・教育省(Ministry of Science, Culture & Education)に対して提出したもので、オランダの科学者による過去10年のオープンアクセス(OA)出版動向に関する大規模調査の一部として、予備的な結果をまとめたものです。オランダのほか、同国に近い傾向を持つであろう国としてデンマークとスイスについても調査対象に含めています。Web of Scienceのデータを出発点とした場合とDirectory of Open Access Journalsのデータを出発点とした場合の2つの方法で、これらの国々の2000~2012年の学術論文におけるOAの割合や、OA、非OAそれぞれの被引用数の状況の推移等をまとめています。
Bibliometric study on Dutch Open Access published output
2015年2月2日付けの学術出版系ブログ“The Scholarly Kitchen”に、” PeerJ–A PLOS ONE Contender in 2015?”と題した記事が掲載されています。著者はPhil Davis氏です。この記事では2014年10月にWeb of Scienceに収録されることが発表された生涯投稿料モデルを採用しているオープンアクセス誌の“PeerJ”について、2015年6月に発表されるであろうインパクトファクターの値を予想しています。
PeerJはブログ記事執筆時点ではまだWeb of Scienceに収録されていません。そこでDavis氏はすでに収録されている雑誌掲載論文の引用文献を検索できる、Cited Reference Search機能を用いて算出したPeerJ掲載論文の2014年の被引用数を、2013年の出版論文数で除すことでインパクトファクターの値を見積もりました。結果は1.740でしたが、これにさらに現在は収録されていないPeerJ掲載論文自身からの被引用数も加わることを考えると、実際の値は1.879から1.984程度になるのではないか、としています。
PeerJ–A PLOS ONE Contender in 2015?(The Scholarly Kitchen、2015/2/2付け)
2015年2月1日の米国図書館協会(ALA)冬季大会において、米国の書籍産業研究グループ(BISG:Book Industry Study Group)が、米国図書館協会(ALA)と提携し、公共図書館の提供するデジタルコンテンツの利用動向の調査プロジェクトを行うと発表されたとのことです。BISGによると、“Digital Content in Public Libraries”と題されたこのプロジェクトでは、公共図書館の提供するデジタルコンテンツについて、図書館利用者のデバイス、紙・電子など媒体の選好、コレクション評価などについて調査を行うとのことです。2015年6月25日から30日にサンフランシスコで開催される、ALAの年次大会において、調査結果の最初の公表が予定されており、次いで、2015年9月8日に刊行(有料)が予定されているとのことです。
BISG and ALA In Research Partnership: Digital Content in Public Libraries to survey library patron consumption trends in a major joint study
シカゴ公共図書館では、2001年の秋から、選定された図書の読書を通じてコミュニティの意識を育む“One Book, One Chicago”の取組みを行ってきたとのことです。この度、シカゴ市民に対して、オンラインで選定図書の全文を公開し、読書経験を共有する試みを始めました。2014年秋から2015年春までの選定図書は“The Amazing Adventures of Kavalier & Clay”で、6つのパートが順次オンラインで公開されます。最初のパートが公開されるのは、2015年2月2日から2月22日までとなっています。
2015年1月30日、ロシア最大規模の学術図書館の1つである、ロシア科学アカデミーのInstitute of Scientific Information on Social Sciences (INION)の図書館において、火災が発生したことが各紙で報じられています。1918年に設立された同館には1000万点の所蔵資料があり、中には16世紀の資料も含まれるとのことです。ロシア科学アカデミーのVladimir Fortov総裁は、所蔵資料の約15%が損傷を受けたと発表しています。
2015年2月1日、米国図書館協会(ALA)傘下のレファレンス・利用者サービス協会(RUSA)が、中小の公共・大学図書館向けの優れたレファレンスソースを表彰する“2015 Outstanding Reference Sources List: Reference publications for small and medium-sized public and academic libraries”のほか、優れたビジネスレファレンスソース、オーディオブックのナレーションなどを表彰する各賞や各種リストを公表しています。