2012年12月18日、米国デジタル公共図書館(DPLA)とEuropeanaの協働によるオンライン展示“Leaving Europe: A new life in America”が公開されました。19~20世紀における欧州から米国への移民をテーマとしたものです。この両者の協力関係とオンライン展示の計画は2011年10月に発表されていたものです。
米国政府印刷局(GPO)が、RDA(Resource Description and Access)の導入時期を2013年4月に予定していると発表しました。RDAに関するページで、2012年12月から2013年4月までのスケジュールが掲載されています。なお、GPOは、政府刊行物の書誌レコードを作成し、連邦政府刊行物寄託図書館制度(FDLP)を通して政府刊行物を全米の図書館に頒布する役割を担っています。
米国国立医学図書館(NLM)研修センターが、2013年1月から、図書館員を対象としたPubMedのオンライン講義“PubMed for Librarians”を開始します。以下の計5コマの講義(各1時間)が用意されます。受講には登録(人数制限ありの模様)が必要ですが、講義の録画は後日公開されるということです。
・Introduction to PubMed
・Automatic Term Mapping (ATM)
・Building and Refining Your Search
・Customization with My NCBI
・MeSH (Medical Subject Headings)
欧州研究図書館協会(LIBER)が2013-2015年の戦略計画“Re-inventing the Library for the Future”を公表しました。重点的に取り組んでいく領域として以下の3つが挙げられています。
・学術コミュニケーションと研究インフラ(Scholarly Communication and Research Infrastructures)
・研究図書館の再構築(Reshaping the Research Library)
・アドヴォカシーとコミュニケーション(Advocacy and Communications)
米国の“ビッグ6”に数えられる大手出版社のひとつ、サイモン&シュスター(Simon & Schuster)社は、図書館に対して電子書籍を提供していません。しかしこのたび、あるタイトルについて、OverDrive社の電子書籍サービス経由で図書館に提供することになったそうです。そのタイトルは、Jean Thompson氏による“The Year We Left Home”という小説で、2013年の“All Iowa Reads”賞を受賞したものです。同賞の主催委員会は、サイモン&シュスター社に対して、賞の歴史や、受賞作品がアイオワ州でいかに読まれているか、どのくらい販売されているか、図書館で借りられているかといったデータを提示し、説得を行なったということです。2013年1月1日より電子書籍での提供が開始される予定です。
International Journal of Digital Curation誌の7巻2号に、Marjan Grootveld氏およびJeff van Egmond氏による“Peer-Reviewed Open Research Data: Results of a Pilot”という論文が掲載されています。著者らはオランダの学術情報の収集・提供機関であるData Archiving and Networked Services(DANS)に所属しており、そのEASYというデータアーカイブを利用して行った、研究データのピアレビューに関する試験的研究について記されています。
Library Journal誌に、図書館と景観(Libraries and Their Landscapes)と題する記事が掲載されています。冒頭で、共和政ローマの哲学者キケロ(Marcus Tullius Cicero)の言葉“Si hortum in bibliotheca habes, deerit nihil.”(If you have a garden in a library, nothing is missing.)を引用しつつ、図書館の設計における景観との関係や屋外空間の重要性について考察しています。
Orange and the Bibliotheque nationale de France, with the participation of the Voltaire Foundation, are launching an enhanced digital edition of Voltaire's Candide (PDF)
米EDUCAUSEが刊行するEDUCAUSE review誌の2012年11・12月号に、OCLC副会長兼最高戦略責任者であるLorcan Dempsey氏の執筆した“Thirteen Ways of Looking at Libraries, Discovery, and the Catalog: Scale, Workflow, Attention”という記事が掲載されています。これは、2013年3月出版予定の“Catalogue 2.0: The future of the library catalogue”という書籍に同題で収録される論考を改稿したものということです。同記事では、図書館、ディスカバリサービス、目録という領域における今後のトレンドについて、以下の13点を挙げて解説しています。
・Moving to the Network Level: Web Scale
・Not a Single Destination: Multiple Presences on the Web
・Community is the New Content: Social and Analytics
・The Simple Single Search Box and the Rich Texture of Suggestion
Evidence Based Library and Information Practiceの7巻4号に、米オハイオ州立大学図書館のStephanie J. Schulte氏による、エンベディッドライブラリアンシップに関する文献レビューが掲載されています。レビューを通して、大学図書館等におけるエンベディッドライブラリアンの定義や実践について分析するとともに、今後はこういった活動のインパクトに対する量的研究が必要としています。
カナダのサイモンフレーザー大学の博士課程に在籍しているモリソン(Heather Morrison)氏が、2012年のオープンアクセスの“劇的な成長”を示した統計データをExcelファイルで公開するとともに、自身のブログでその内容の一部を紹介しています。例えば、オープンアクセスジャーナルのディレクトリとして有名な“Directory of Open Access Journals”には、2012年に1,133タイトルが登録され、1日につき約3タイトルが追加されていった計算になるとしています。
なお、彼女は“Freedom for scholarship in the internet age”と題した博士論文の審査を11月に済ませたということです。