日本の社史をテーマとした査読付き英文オープンアクセス誌“Shashi: the Journal of Japanese Business and Company History”が創刊されました。年1回の刊行です。創刊号では、日本通運、中国新聞社の社史を扱った2本の記事が掲載されています。また、研究ノートとして、渋沢栄一記念財団実業史研究情報センターの小出いずみ氏が同センターの活動を、同じく門倉百合子氏が社史における関東大震災の描かれ方を紹介しています。
IFLAが文化遺産に関わる図書館員に必要とされる能力と、その研修についての書籍を刊行しています。文化遺産図書館員に必要とされる保存(preservation and conservation)、文化遺産政策、資料の受入と管理、書誌データの記述等の独特の専門知識・技能について取り扱う内容となっているようです。
2012年12月20日に、北米研究図書館協会(ARL)が“Research Library Services for Graduate Students ”と題するレポートを公開しています。このレポートは、ARLの研究レポートシリーズ“New Roles for New Times”の第2弾となるものです。今回のレポートはニューヨーク大学のLucinda Covert-Vail氏とScott Collard氏によるもので、インタビュー等の調査を通じて、ARL加盟図書館における大学院生に対するプログラムについて明らかにし、合わせてそのサービス向上へ向けての提言を示すものとなっているようです。
2012年12月17日付けのThe Digital Shift誌に“EBL Touts Its Versatility”という記事が掲載されています。オーストラリアのEbooks Corporation社の電子書籍サービス“Ebook Library(EBL)”が世界中に広まっているとして、その概要といくつかの導入事例をまとめているものです。2004年開始のEBLは、現在600以上の機関(数千館の図書館)で導入され、そのうち81%が学術図書館、15%が専門・政府・企業図書館ということです。事例では、ウェルズリーカレッジ、フェアフィールド大学、テキサス大学オースティン校という米国の3大学が紹介されています。また、EBLの提供している、PDA(Patron-Driven Acquisition)や短期貸出(short time loan)といったオプションの利用状況についても数字を挙げつつ示されています。
米国議会図書館(LC)が、文化的・歴史的・美学的に意義のある映像資料の永久保存レジストリ“National Film Registry”に追加する2012年分の映画25作品を発表しています。新たに保存される作品は「ボーン・イエスタデイ」(1950年)、「ティファニーで朝食を」(1961年)、「ダーティハリー」(1971年)、「ハーヴェイ・ミルク」(1984年)、「プリティ・リーグ」(1992年)、「マトリックス」(1999年)などの25作品です。今回もっとも古いものは1897年の“The Corbett-Fitzsimmons Title Fight”でした。毎年25作品が追加されており、今回の追加によりレジストリで保存される作品は600作品になりました。
2012年の“I Love My Librarian Award”の受賞者10名が発表されました。推薦書が併せて公開されています。この賞は、Carnegie Corporation of New YorkとNew York Timesの資金援助を受けて、米国図書館協会(ALA)が運営しているものです。2012年は、公共図書館から3名、学校図書館から3名、大学図書館から4名という内訳になっています。