2012年1月12日付けで、米国の図書館システムベンダVTLS社が、カナダのJewish Public Libraryが2012年2月から同社の図書館システム“Virtua”のFRBR/RDA機能の使用を開始し、RDAを採用する世界初の公共図書館になると発表しています。同社によると、Virtuaは現時点でRDAの実装シナリオ1(リレーショナルデータベースまたはオブジェクト指向データベースに基づいた実装)に完全対応している唯一のシステムであるとのことです。
Jewish Public Library to become the first public library in the world to adopt RDA/FRBR (VTLS 2012/1/12付けプレスリリース) http://www.vtls.com/node/84
2012年1月16日、米下院に提出されたオンライン海賊行為防止法(Stop Online Piracy Act:SOPA)と上院のPROTECT IP(Preventing Real Online Threats to Economic Creativity and Theft of Intellectual Property Act of 2011)法への抗議のため、1月18日にWikipediaの英語版ページが24時間停止(ブラックアウト)されると発表されています。同法がインターネットのフリーかつオープンな性格を損なうものであり、米国内において国外のウェブサイトの検閲を行なうための新たなツールをもたらすものであるとの危機感が表明されているようです。
2012年1月16日、米国OCLCの研究部門OCLC Researchが、“Social Metadata for Libraries, Archives and Museums Part 2: Survey Analysis”と題したレポートを発表しました。この一連のレポートは、図書館・博物館・文書館(MLA)などのウェブサイトにおいて、タギングやコメントといったソーシャル機能によってユーザが作成したメタデータ(social metadata)の活用をテーマとしているものです。今回公開された第2弾のレポートでは、第1弾のレポートで調査したウェブサイトの管理者に対して、ウェブサイト作成の動機やウェブサイトで使われている技術、評価基準等を尋ね、その結果得られた回答の分析がまとめられているようです。今後公開される第3弾のレポートでは、MLA向けのソーシャルメタデータ機能に関する提言等がまとめられる予定とのことです。
ALA TechSourceに、2012年1月10日付けで、ブリーディング(Marshall Breeding)氏による“What's In Store for the Library Automation Industry in 2012?”という記事が掲載されています。この記事は、2012年の図書館システム市場の動向予測が記されたもので、2012年は大手の図書館システムベンダのクラウド型図書館システムが出そろって「分岐点」となる年(watershed year)だと述べられています。その他、Kuali OLE等のオープンソースソフトウェア、ベンダの買収、SkyRiverとOCLCの訴訟の行方、モバイル、近距離無線通信(NFC)、クラウド、電子書籍等のトピックスについて触れられています。