2012年5月29日、ベルギーのブリュッセルで、欧州のPEER(Publishing and the Ecology of European Research)プロジェクトの終了会議が開催され、プロジェクトの成果等に関する発表が行なわれました。PEERは、著者による研究成果のセルフアーカイブ(グリーンOA)が、読者や著者、学術雑誌を含めた欧州における研究の生態系に対して与える影響を調査することを目的としたプロジェクトで、2008年9月に開始されたものです。PEERに協力している国際STM出版社協会が2012年5月29日付けで発表した文書によると、終了会議では、オープンアクセス誌(ゴールドOA)が持続可能なオープンアクセスを実現するための現実的な手段であるという点で、プロジェクト参加者が合意したとされています。
(1)LMS Change(University of Westminster)
(2)Shared LMS: Business Case Evaluation(University of Cardiff, WHELF)
(3)The Benefits of Sharing(University of Edinburgh, The University of Stirling, SCURL)
(4)HIKE(University of Huddersfield, JISC Collections, Serials Solutions)
(5)E-BASS25(Royal Holloway, University of London, Kingston University, JISC Collections)
(6)Anthologizr: On demand e-publishing from OA repositories(University of London)
立命館大学日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点が定期的に開催している新拠点セミナーの番外編として、2012年7月10日に、ハーバード大学ライシャワー日本研究所のAndrew Gordon所長による講演会「世界に向けて東日本大震災を記録する―危機アーカイブの効用と構築のための課題」(Building a Digital Archive of the Great Eastern Japan Disaster: Potential and Challenges of Crisis Archiving)が開催されます。場所は立命館大学アート・リサーチセンター多目的ルームで、参加無料・予約不要となっています。なお、Ustreamによる動画配信も行われるとのことです。
2012年7月4日に、九州大学附属図書館において、セミナー「Power of Library ~大学図書館のパワー~」が開催されます。プログラムは、第一部「今求められている図書館経営」と第二部「これから求められる図書館像」に分かれています。ゲストスピーカーとして、米国イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校図書館長兼図書館部長のコーフマン(Ms. Paula Kaufman)氏と、インディアナ大学ブルーミントン校図書館部長のジョンソン(Ms. Brenda L. Johnson)氏が来日します。
ドイツの北部を中心とする7州にまたがる図書館ネットワーク“Gemeinsamer Bibliotheksverbund”(GBV)が、“Patrons Account Information API”(PAIA)というAPI仕様のドラフトを公開しました。このAPIは、NCIPと同種の機能を持つもので、図書館利用者の貸出や予約状況、延滞料などの情報を取得したり、貸出中資料の更新などの処理を行うためのものです。仕様の本体は、6種類のメソッドを定めた“PAIA core”と認証の仕方を定めた“PAIA auth”に分かれており、後者の認証においてはTwitterなどでも用いられているOAuthを採用しているようです。GBVは、その他に、図書館等の所蔵資料の利用状態を取得するための“Document Availability Information API”(DAIA)も定めています。
2012年5月22日、米国のBaker & Taylor社が、デジタルコレクション用プラットフォーム“Axis 360”の新バージョンを発表しました。今回のバージョンでは、全米視覚障害者団体(National Federation of the Blind:NFB)の協力を得て、音声読み上げに対応するなど視覚障害者による電子書籍の利用も可能になっているようです。