2012年4月24日、米国のハーバード大学図書館が、同館の書誌データのうち1,200万件以上を、クリエイティブコモンズのCC0(パブリックドメイン)ライセンスで公開しました。MARC21フォーマットの一括ダウンロードファイル(約3.1GB)が提供されているほか、米国デジタル公共図書館(Digital Public Library of America:DPLA)経由でAPIによる利用も可能のようです。同時に、同大学の機関リポジトリ“DASH”のメタデータにもCC0が適用されました。
米国図書館協会(ALA)傘下の図書館管理・経営協会(LLAMA)は毎年、図書館のPRで大きな実績を示した図書館を表彰する“John Cotton Dana Library Public Relations Award”を選定していますが、LLAMAから、この2012年版を受賞した8つの図書館(テキサス州アーリントン図書館、アイオワ州シダーラピッズ公共図書館、カリフォルニア州コントラコスタ公共図書館など)が、簡単な紹介とともに発表されています。
Ref.
Library advocates gathered in Washington for 38th annual National Library Legislative Day(米国図書館協会 2012/4/24付けプレスリリース) http://www.ala.org/news/pr?id=10243
英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)が研究データ管理(research data management:RDM)に関する講演資料計10本を公開しました。2種類のイベントの資料から成り、2012年3月末に様々なテーマで開催された第5回RLUKメンバー会議の資料(10本中、後半4本がRDM関係)と、RDMをテーマとしたディスカッションの資料6本です。JISCやデジタルキュレーションセンター(DCC)のようなRDM支援を行っている機関や各高等教育機関からの報告のほか、シェフィールド大学のSheila Corrall氏による、図書館員がRDMサービスを提供するに当たって求められるスキルについての講演も含まれています。
英国の劇作家ウィリアム・シェイクスピアの誕生日は伝統的に4月23日(死亡日と同じ)とされ、祝われています。彼は1616年に亡くなるわずか数週間前に妻や娘に宛てた遺書を作成しました。英国国立公文書館(TNA)はその遺書をデジタル化してオンラインで公開しています。もっとも、この遺書は弁護士が書いたもので家族や友人に宛てた言葉が記されているわけではないそうです。ただ、シェイクスピアは多くの詩や30以上の劇を残したものの手稿や個人的な手紙が残っておらず、そんななか、この遺書には3回も手書きでサインがされているという意味で貴重です。彼のサインは他に3例しか知られてないそうです。同館では、その他にも、ジェーン・オースティンなどの有名人の遺書や、カンタベリー遺言裁判所(Prerogative Court of Canterbury)の1384年~1858年における100万点以上の遺書などをデジタル化して公開しています。
2012年4月23日、米国OCLCの研究部門OCLC Researchが、“Social Metadata for Libraries, Archives and Museums Part 3: Recommendations and Readings”と題したレポートを公表しました。これは、図書館・博物館・文書館(MLA機関)におけるソーシャルメタデータの活用をテーマとした一連のレポートの第3弾(最終巻)で、これまでに発表された第1弾(2011年9月)と第2弾(2012年1月)の内容を受けて各機関への推奨事項をまとめたものです。あわせて、3本のレポート全体を要約した“Executive Summary”も公表されました。また、このテーマに関するFacebookページ、動画、スライド資料も公開されています。