“College & Research Libraries”誌のウェブサイトに、米国イリノイ大学シカゴ校図書館のValerie Harris氏とPeter Hepburn氏による“Trends in Image Use by Historians and the Implications for Librarians and Archivists”というプレプリントが掲載されています。図書館や文書館によるデジタル化の進展によって、歴史学分野の学術雑誌における画像の使用が増加しているかどうかについて、2000年から2009年の範囲を対象に調査したものです。調査の結果さしたる増加は見られなかったそうで、それが図書館や文書館に対して持つ意味についても議論されているようです。
人文・社会科学系の学術書をオープンアクセスで刊行する英国のOpen Book Publishersによって、“The Digital Public Domain: Foundations for an Open Culture”というタイトルの研究書が刊行されました。同書は、Communia Thematic NetworkというEUの助成で行われているプロジェクトの研究者や図書館員、企業家、政策立案者等によるエッセイ集となっています。Communia Thematic Networkプロジェクトの成果として位置づけられている同書では、著作権とパブリックドメインの歴史、オープンアクセスやクリエイティブコモンズライセンスに関する最近のプロジェクトの事例等を扱っているとのことです。なお、Communia Thematic Networkプロジェクトは、デジタル環境におけるパブリックドメインの諸課題について、その理論分析と戦略ポリシーに関する議論を行うための欧州におけるレファレンスポイントとなるべく実施されている3年間のプロジェクトです。
The Digital Public Domain: Foundations for an Open Culture