現地時間2012年3月15日、英国で開催された国際DOI財団の理事会において、ジャパンリンクセンター(Japan Link Center:JaLC)がDOI登録機関に認定されることが決まったそうです。世界で9機関目、日本では初のDOI登録機関になるとのことです。JaLCは、科学技術振興機構(JST)が開発し、国立国会図書館(NDL)や国立情報学研究所(NII)等の関連機関によって共同運営されることになっており、日本国内で発行される学術コンテンツにDOIを付与すること等を目的として、2012年4月の開始に向けて準備が進められているようです。
2012年3月15日、サンクトペテルブルクにあるロシア最古の公共図書館であるロシア国立図書館(National Library of Russia)が、Ex Libris社の統合図書館システム“Aleph”の導入を決定したと発表されました。これまで使用してきた独自開発システムからのシステム更新のようです。発表文によると、現在Alephを使用している国立図書館は世界に25館存在し、モスクワにあるロシア国立図書館(Russian State Library)も導入済みとのことです。
Australian Academic Press発行の電子ジャーナル“Australian and New Zealand Journal of Audiology”は、2011年で休刊し、オンラインで利用することができなくなっていました。このトリガーイベントの発生を受けて、2012年3月12日から、電子ジャーナルアーカイビングサービス“Portico”上での提供が開始されたようです。今後は、Porticoと契約している機関は、以前同誌を購読していたかどうかに関わらず、Portico上でアーカイブを利用できるとのことです。
特許庁の発表によると、独立行政法人工業所有権情報・研修館の特許電子図書館(IPDL:Industrial Property Digital Library)が、2012年3月19日から、機械翻訳によって作成された中国実用新案の和文抄録データの検索サービスを開始するそうです。サービス開始時には約5万件のデータが用意され、2012年度中には約100万件以上(過去10年分)が利用可能になる予定とのことです。これは、世界の特許文献の中で中国文献の占める割合が急増しているという背景のもと、中国国家知識産権局(SIPO)と中国実用新案の英文抄録データの交換について合意が成立したことによって可能となったもののようです。特許庁は、今後中国特許についても日本語で検索できる環境を整備していくとしています。
中国の大学図書館コンソーシアム“CALIS”(China Academic Library and Information System)が、2012年3月1日から、OCLCの図書館間相互貸借(ILL)サービスに加入したと発表されました。先日WorldCatへの投入が発表された50万点のCALISの書誌レコードが、同日から、OCLCのILLシステム“WorldCat Resource Sharing”で利用できるようになったということのようです。CALISで
は、図書の貸出は行わず、図書の一部や雑誌論文等のコピーを提供するとされており、依頼を受け付けてから通常2~3営業日程度で処理されるそうです。参加を記念して、CALISに対する、及び、CALISからの依頼は最初の500件まで無料となるようです。
2012年3月14日、2011年度の私立大学図書館協会賞が、広島修道大学図書館の「『明治法曹文庫』の関連事業」と、創価大学中央図書館「創価大学全学読書運動 Soka Book Wave」の2件に決定したと発表されました。また、同協会は、3月15日付けで「2012年度研究助成審査結果について」及び「協会ホームページの充実について(お知らせ)」という文書も発表しています。