米国の州立図書館機構の長で構成されるCOSLA(Chief Officers of State Library Agencies)が2011年12月に発表した資料によると、米国の公共図書館の39%(人口ではの16%に相当)は、電子書籍を提供していないとのことです。それらの多くは予算の少ない小規模図書館と推測されるとのことです。一方、州内の全ての公共図書館で電子書籍が提供されている州は12州あったとのことです。
ユネスコが2012年9月26日から28日にかけて、カナダのバンクーバーで資料デジタル化と保存をテーマにした国際会議“Memory of the World in the Digital Age: Digitization and Preservation”を開催するようです。これは「世界の記憶」プログラムの創設20周年記念の一環として開催されるもので、会議では、デジタル保存とデジタル化を通じた文書遺産へのアクセス推進に関するイニシアティブの構築、2003年に発表された「デジタル遺産の保護の憲章」の改訂等を目指すようです。
2012年2月10日、電子ジャーナルアーカイブ“CLOCKSS”が、米国医師会(American Medical Association:AMA)発行の“Archives of Family Medicine”と“JAMA Français”の提供を開始したようです。これは、AMAが1月23日に、ジャーナルサイトからの提供を停止し、今後はCLOCKSSアーカイブから提供するとの発表を受けたもののようです。
CLOCKSS News (2012/2/10付けの記事として“The CLOCKSS Archive Triggers Two Journals from the American Medical Association”とあります) http://www.clockss.org/clockss/News
eJournals: The CLOCKSS Archive Triggers Two Journals from the American Medical Association (INFOdocket 2012/2/9付けの記事)
2012年2月6日、国際博物館会議(International Council of Museums:ICOM)が、エジプトのカイロにあるエジプト文明国立博物館(National Museum of Egyptian Civilisation in Cairo:NMEC)において、「失われる危険のあるエジプト文化遺産リスト」(Emergency Red List of Egyptian Cultural Objects at Risk)の刊行を発表し、ICOMのJulien Anfruns議長からNMECのMohammed Abdel Fatah館長にそのリストが手渡されたようです。このリストは、2011年の同国の政変の最中に博物館等から文化遺産が略奪されたことを受けて、その保護のためにまとめられたもののようです。ICOMは、このリストを作成した目的について、不法に入手された文化遺産が売買されないように、法で保護されている文化遺産に関する情報を、芸術・文化遺産の担当者や政府関係者、古美術品のディーラー等に対して提供するものであるとしているようです。なお、ICOMはこれまでにも、アフリカの考古遺産や、中国・コロンビア等の文化遺産に関するレッドリストを発表しています。
2012年2月8日に、カナダ国立図書館・文書館(LAC)が、所蔵資料をもとに、同館のサービスや文書資料遺産の保存・提供に携わる人々とその活動について紹介するポッドキャストの配信を開始したようです。“Discover Library and Archives Canada: Your History, Your Documentary Heritage”と題されたこのシリーズでは、毎月、移民や政府、軍事等に関する様々なトピックが扱われ、第1弾として写真資料に写った先住民の特定を目指したLACのプロジェクト“Project Naming”を取り上げているようです。なお、ポッドキャストはiTunesや同館ウェブサイト等で視聴できるようです。