英国のイングランド芸術評議会(Arts Council England:ACE)が、2011年9月15日付で、今後の博物館・図書館の方向性についての文書を公表しています。今後10年間の目標や、2011-2015年の間の計画等が記されているようです。ACEは、2011年10月から、解散する博物館・図書館・文書館国家評議会(MLA)の図書館関連事業を引き継ぐことになっています。
2011年9月21日、米Amazon.comが、図書館が提供する(OverDrive社の)電子書籍を利用者自身のKindleで借りることができるサービスの開始を発表しました。このサービスは、OverDrive社の電子書籍サービスを契約している米国内の約11,000館の公共・学校図書館が対象となっています。対応館はOverDrive Searchで検索できるそうです。利用者が電子書籍を借りる際は、(1)対応図書館のウェブサイトでOverDrive社の電子書籍を検索する、(2)その図書館の利用者IDでログインして電子書籍を借りる、(3)“Get for Kindle”をクリックするとAmazon.comのサイトに遷移するので自身のAmazon.comアカウントでログインする、(4)電子書籍のデータをWi-FiかUSB経由でKindleへ転送できる、という流れになるそうです。
米国議会図書館(LC)の議会調査局(CRS)が、2011年9月6日付けで、“Social Media and Disasters: Current Uses, Future Options, and Policy Considerations”と題したレポートを公開しています。緊急事態・災害の発生時における、危機管理機関などによるソーシャルメディアの活用をテーマとしたものです。レポートの概要部分によると、そのような活用には、情報発信や国民からのフィードバックの受信のために少々消極的に活用する機関と、被災者からの支援要望の受信やアップロードされた写真による被害算定のようにソーシャルメディアを危機管理ツールとして体系的に使用する機関の2通りに分かれるそうです。レポートでは、米国合衆国連邦緊急事態管理庁(FEMA)も含めて大多数の機関は前者であるとされています。
米国情報標準化機構(NISO)が発行している季刊誌“Information Standards Quarterly”の2011年夏期号が、“Organization and People Identifiers”と題して識別子特集を組んでいます。国際標準名称識別子(International Standard Name Identifier:ISNI)や、研究者IDであるORCID(Open Researcher and Contributor ID)などに関する記事が掲載されています。NISOのサイトから無料でPDFをダウンロードできます。
Social Networking Librarianというブログに、図書館での情報リテラシー教育にインフォグラフィックス(情報、データ、知識を視覚的に表現したもの:infographics)を使うという記事が掲載されています。ブログの著者は2年制のビジネスカレッジで図書館員として働いているそうですが、そこの学生たちにとっては(看護やインテリアデザインのコースの学生と同様に)論文やレポートを書くよりももっと生産的な課題があるのではないかと考え、インフォグラフィックスの作成を通して情報リテラシー教育を行うというアイディアに至ったそうです。
Our biggest problem with many business courses as well as our medical and interior design courses is that it either does not make sense for students to write a paper, or there are other more productive assignments for the students.