米国のLibrary Journal誌の2011年4月1日号に、毎年恒例の図書館システム市場動向調査レポート"Automation Marketplace"が掲載されています。2011年版のサブタイトルは"The New Frontier: The battle intensifies to win hearts, minds, and tech dollars"です。レポートでは、Ex Libris社のAlmaやOCLCのWeb-scale Management Servicesといった新しいアプローチのシステムの登場や、ディスカバリー・インタフェースの現状などについて触れられています。
米国図書館協会(ALA)・北米図書館協会(ARL)・大学・研究図書館協会(ACRL)で構成されるLibrary Copyright Alliance (LCA) は、2011年3月22日に連邦地方裁判所がGoogleブックスをめぐる訴訟の和解案を認めない見解を示したことを受け、この問題に関する第4弾となる図書館関係者向けのガイド“A Guide For the Perplexed Part IV: The Rejection of the Google Books Settlement”を公表しています。裁判所の判事の見解などを解説したものです。
2011年3月29日付けで、デンマークの科学技術イノベーション省(Danish Agency for Science Technology and Innovation)のオープンアクセス委員会がまとめた最終報告書“Recommendations for implementation of Open Access in Denmark”が公開されています。この報告書は、デンマークにおいて国家規模で科学研究成果のオープンアクセス化を導入することに向けた、同委員会による提言等がまとめられているとのことです。このようなオープンアクセス化導入の検討の背景には、同国の研究者や企業の研究成果を世界に発信し、同国が国際的な研究開発において主要な位置を占め続けることにつながるとの考えがあるようです。提言では、「科学技術イノベーション省はオープンアクセスポリシーを設定する」、「大学や研究機関はオープンアクセスポリシーを実施・促進する」、「全国規模で一つの共通な研究データベースを構築する」、「科学関係出版物の包括的で長期的な保存サービスを構築する」、「重要な研究データをオープンアクセス化とともに長期的な保存を行うための国家レベルの計画を策定する」等の16項目が挙げられているようです。
2011年4月1日に、米国のニューヨーク近代美術館(Museum of Modern Art:MoMA)は、無料のiPad用アプリ“MoMA Books”を公開したようです。これは、MoMAが刊行する電子書籍を購入し、閲覧できるアプリとのことで、電子書籍には、展示カタログやモノグラフのほか、既に絶版となった図書等も含まれているようです。