2011年4月17日付けのChronicle of Higher Educationに、ハーバード大学図書館長のダーントン(Robert Darnton)氏による“5 Myths About the 'Information Age'”と題された記事が掲載されています。記事では、「情報時代」にまつわる5つの誤解、すなわち「本は死んだ」、「我々は情報時代に突入した」、「あらゆる情報はオンラインで手に入る」、「図書館は時代遅れである」、「未来はデジタルである」を指摘し、それぞれについて「正しい理解」を示そうとしているようです。このうち「図書館は時代遅れである」という誤解に対しては、現在も多くの利用者が図書館に通っていること、図書館はこれまでも、そしてこれからも利用者に対してデジタル資料を含め様々な方法で資料を提供すること、そして将来の図書館は図書を提供しつづける一方で、デジタル情報をコミュニケートする中枢の機関として機能するだろうと指摘しています。さらに、ダーントン氏は以上の議論を踏まえ、本の流通や読書、書くという行為に関する議論についても同記事後半で展開しているようです。
5 Myths About the 'Information Age' (Chronicle of Higher Education 2011/4/17付けの記事)
2011年4月18日に、米国インディアナ大学が、米国等の大学による共同デジタルリポジトリ“HathiTrust”とイリノイ大学とともに、“HathiTrust Research Center”(HTRC)を開設すると発表しています。HTRCでは、非営利目的で教育関係の利用者に対して、HathiTrustに登載されているパブリック・ドメインの資料をオープンアクセスで提供するほか、著作権保護対象資料についても限定的にアクセスできるようにするとのことです。また、HathiTrustのデータを使って研究する研究者のためのコンピュータ環境等も提供するようです。