2011年3月27日付けのReadWriteWebの記事で、米国マイアミ大学の拡張現実研究グループ(Augmented Reality Research Group)が開発している、アンドロイド用アプリが紹介されています。これは拡張現実(AR)の技術を用い、アンドロイド端末のカメラを通じて資料が正しく配架されているかどうかを確認することができるものとのことです。間違った並びになっている場合には、間違った場所にある資料に「×」印が表示されるようですが、現在のところ、タグの認識が難しい児童書等の薄い本での利用で課題が残されているとのことです。
2011年3月28日に英国王立協会(Royal Society)が“Knowledge, Networks and Nations: Global scientific collaboration in the 21st century”と題するレポートを公開しています。これは、エルゼビア社の協力の下Scopusを用いて各国の科学論文数等を分析することで、世界の科学研究の動向を調査したもののようです。これにより、米国や西欧、日本がけん引してきた科学研究の世界において、中国やブラジル、インド等の新興国が伸張していることが明らかになったとのことです。レポートでは、この結果を基に、気候変動等の現代のグローバルな課題に対応するために、国際的な科学研究の協同の重要性を唱えているようです。
欧州委員会(EC)の“eContentplus”というプログラムの下で進められていたプロジェクト“ARROW”(Accessible Registries of Rights Information and Orphan Works towards Europeana)が、2011年3月10日に開催されたカンファレンスでこれまでの成果報告を行っています。“ARROW”は、欧州デジタル図書館“Europeana”の関連プロジェクトとして、欧州の国立図書館や出版者等のコンソーシアムを中心に進められたもので、孤児作品(orphan works)や絶版書を含めてあらゆる著作物の権利者や権利関係を明らかにし、そのための情報を提供するプロジェクトとのことです。3月11日には“ARROW”は、このカンファレンスの資料と、同プロジェクトのビジネスモデルを説明した文書“ARROW Business Model”を公開しています。今後同プロジェクトは“ARROW+”として、IFRRO(International Federation of Reproduction Rights Organisations)が引き継いでいくことになるようです。
Internet Archiveによるウェブアーカイブサービス“ARCHIVE-IT”において、日本の東北地方太平洋沖地震に関連するウェブサイトを収集した“COLLECTION: Japan Earthquake”のページが公開されています。バージニア工科大学が中心となり、米国議会図書館や日本の国立国会図書館も協力をしているものです。