2011年12月15日、欧州の文化遺産ポータル“Europeana”が新たなウェブ展示として“Wiki Loves Art Nouveau”を公開しました。2011年に欧州18か国でモニュメントの写真コンテスト“Wiki Loves Monuments”が開催されましたが、そのコンテストのサブカテゴリーとしてアール・ヌーボーが設定され、約2,700点の写真の応募があったようです。今回公開されたウェブ展示は、応募のあった約2,700点のうち予備審査に残った343点について一般投票を行ない、そこで選ばれた50点をもとに作成されたようです。この“Wiki Loves Art Nouveau”は、すでにEuropeanaが公開しているアール・ヌーボーのウェブ展示を補完するものという位置付けのようです。
2011年12月22日、株式会社アトラスが、PubMed、J-STAGE、CiNiiを同時に検索できるスマートフォン用アプリ「論文検索」のAndroid版をリリースしたそうです。また、12月17日付けでリリースされたiPhone版アプリのバージョン1.1.0では、これらの3つのデータベースに加えて、オープンアクセス誌“PLoS”(Public Library of Science)の検索にも対応し、書誌事項に含まれる用語でWikipediaを検索する機能も追加されたそうです。
欧州委員会(EC)や欧州連合理事会を補佐する政策諮問機関である欧州研究領域委員会(European Research Area Committee:ERAC)が、“National open access and preservation policies in Europe: Analysis of a Questionnaire to the European Research Area Committee”と題した報告書を公開しています。これは、欧州におけるオープンアクセス及び保存に係る方針・戦略について行った質問紙調査の結果をまとめたものとのことです。同調査では、2010年11月に質問紙が送付され、2011年3月までに25のEU参加国(ブルガリアとハンガリーを除く)と4か国のERACオブザーバ(アイスランド、モンテネグロ、ノルウェー、スイス)が回答を提出したそうです。報告書では、オープンアクセスは増加を続ける大学・研究機関・助成財団によって支えられているものの、電子情報の長期保存の問題は真剣に考える必要があると指摘されているそうです。
2011年12月23日、北米研究図書館協会(ARL)が、カナダの21大学が参加する大学図書館コンソーシアム“Ontario Council of University Libraries”(OCUL)における電子リソース利用調査の最終報告書を公開しました。同報告書は、2010年2月から2011年2月の間の電子リソース利用のうち、無作為抽出された34,000回を対象として、ユーザ層、利用の目的、電子リソースへアクセスした場所等を調査した結果をまとめたものとされています。ARLは同様の調査を2004-2005年にも実施しており、前回調査時の結果との比較もなされているそうです。