2010年12月8日付けの47Newsほか各紙によると、12月7日に英国ロンドンのサザビーズで行われた競売で、19世紀初頭に米国の画家・鳥類研究家のオーデュボン(John James Audubon)氏が出版した『アメリカの鳥類』(Birds of America)が、印刷された書籍としては史上最高額の732万1,250ポンド(約9億6,500万円)で落札されたとのことです。
2010年12月7日付けのKnowledge Speakの記事によると、英国の出版研究コンソーシアム(Publishing Research Consortium:PRC)が、研究者にとって重要な情報のタイプは何かについてまとめたレポートを公開したようです。これは、世界3,800人以上の研究者からの回答を基に作成されたもので、それによると、すべての研究分野において最も重要と考えられているのが学術雑誌であったとのことです。また、回答者の93%が、それら学術雑誌へのアクセスが「大変容易である」「やや容易である」と回答したのに対して、データセット等は、重要な情報のタイプとみなされながらも、アクセスが難しいと考えられていることが明らかになったようです。
英国国立・大学図書館協会(SCONUL)が、「図書館デザイン賞」(SCONUL Library Design Award)の2010年の受賞館を発表しています。3000平方メートル以上の大規模図書館部門ではレスター大学(Leicester University )の“David Wilson Library”が、3000平方メートル以下の小規模図書館部門ではカーディフ大学(Cardiff University)の“Trevithick Library”がそれぞれ受賞しています。両館は共に2008年に開館したとのことです。
Carnegie Corporation of New YorkとNew York Timesの資金援助の下で米国図書館協会(ALA)が運営している、“I Love My Librarian Award”の2010年の受賞者10名が発表されています。この賞では、利用者による推薦と選考委員会による審査によって受賞者が決定されます。2010年は、公共図書館から4名、学校図書館から3名、大学図書館から3名という内訳になっているようです。
Carnegie Corporation of New York/New York Times I Love My Librarian Award winners announced(Visibility @ your library 2010/12/7付けの記事) http://www.pio.ala.org/visibility/?p=2354
2010年12月3日付けのNew York Times紙に、“Analyzing Literature by Words and Numbers”と題されたデジタル人文学に関する記事が掲載されています。この記事は、カレントアウェアネス-E184号に掲載の記事「E1123 - 「イズム」から「データ」へ デジタル人文学の進展」で紹介した、同紙のシリーズ記事の続きにあたるもののようです。記事では、米国のジョージ・メイソン大学のコーエン(Dan Cohen)氏とギブス(Fred Gibbs)氏による“Victorian Books”プロジェクトを中心に紹介しているようです。この“Victorian Books”は、フランス革命(1789年)から第一次世界大戦勃発(1914年)までの間に、英国で出版された図書のタイトルに、“God”や“love”等といったキーワードがどのように表われているかを分析し、当時の心性を明らかにしたものとのことです。また記事では、このようなデジタル人文学の研究手法に対する他の研究者からの期待とともに、データ分析が研究の主流となってしまうことに対する研究者からの危惧も記されており、そのほか、“Victorian Books”にも援助をした、Googleによるデジタル人文学プロジェクトへの助成に関する賛否等も掲載されています。
2010年11月23日付けLibrary Services for Young Peopleの記事によると、アイルランドのダブリンの古い建造物や史跡について紹介する“Dublin Buildings”という動画が公開されているようです。これは、小学校の児童等のために、市内の公共図書館員と小学校教員が協力して作成したものので、これまでに64件の動画が作成されているようです。