フランス国立図書館(BNF)が2009年7月から実施している、出版社からの納本をオンラインで受け付けるサービス“Extranet du dépôt légal”の利用者満足度を調査し、その結果を公表しています。1次調査では同サービスに利用登録している出版社に対してのアンケート調査を実施し、2次調査では未登録の出版社に対して電話での聞き取り調査を行ったとのことです。同サービスを利用している出版社の満足度は10段階評価の「8.1」である一方で、登録のみを行いサービスを利用しなかったとの回答も55%に上ったとのことです。
2010年12月13日、米国ハーバード大学のBerkman Center for Internet and Societyが、「米国デジタル公共図書館」(Digital Public Library of America)のための調査および計画立案のホスト役を務めると発表しました。Alfred P. Sloan Foundationの資金援助を受け、今後同センターは「米国デジタル公共図書館」の目指す範囲や構造、コスト、運営などを定めるために、同プロジェクトに関わる幅広い範囲のステークホルダーを招集するとのことです。
2010年12月13日付けのアイルランド国立図書館のニュースによると、同館は、18世紀末から19世紀半ばにかけてのアイルランドの作曲家の楽譜等を公開するデジタルアーカイブ“National Archive of Irish Composers”を開設したようです。公開されている資料は、アイルランド国立図書館の所蔵する楽譜コレクションをデジタル化したものとのことです。
2010年12月7日付けのスペインのEl País紙に、スペイン国立図書館(BNE)のペーレス・サルメロン(Glòria Pérez-Salmerón)館長による「ポケットの中にすべての知」(Todo el saber en el bolsillo)と題された記事が掲載されています。記事では、インターネット技術の進展によって、今後10年のうちに図書館のモデルが完全に変わってしまうであろうということ、近い将来「図書館」はかばんやポケットに収まってしまい、どこからでもアクセスできるようになるだろうということ、情報が溢れる時代にあっては、図書館は情報のフィルターとしての役割を果たし、信頼できる情報を提供することに専念するだろうということ、国立図書館は、知識をもたらすような信頼できる情報の「カプセル」やコンテンツを生み出す存在となると同時に、紙の図書だけでなくインターネット上のデジタル資料も含めて貴重な資料を守る守護者としての存在となるだろう等と述べられているようです。
米国のミシガン図書館(Library of Michigan)が、予算と人員の削減により、2011年1月からサービス内容を変更するようです。所蔵資料の利用を館内のみに限定、図書館相互貸借(ILL)による他館への貸出の取りやめ、ミシガン州の総合目録“MeLCat”への不参加、土曜日と日曜日の休館などが予定されているとのことです。
2010年12月9日、ニュージーランド国立図書館(National Library of New Zealand)は、同館がこれまで実施してきたチャットレファレンスサービス“Ask Now”を12月17日に終了すると発表しました。同館はその理由について、“Ask Now”が始まった2002年当時と比べて情報を取り巻く環境が変化したために、チャットレファレンスの利用が減少し、図書館の利用の仕方が変化したからと述べているようです。
2010年12月3日付けの英国情報システム合同委員会(JISC)のニュースによると、JISCがKnowledge Exchangeに委託して実施した研究の報告書“Submission fees -- A tool in the transition to Open Access?”が公開されているようです。これは、学術雑誌への投稿料(Submission fees)がオープンアクセスジャーナルのビジネスモデルにとって果たす役割について調査したもので、その結果、特に論文がリジェクトされる比率の高い雑誌にとっては、投稿料の制度は出版社に利益をもたらすこと等が明らかになったようです。