2010年12月27日付けのNew York Times紙に、“Scholars Recruit Public for Project”と題する記事が掲載されています。記事では、ベンサムの手稿資料を解読しテキスト化する、英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの“Bentham Project”や、米国ジョージ・メイソン大学において進められている、1800年ごろまでの旧陸軍省の資料のデジタル化プロジェクト“Papers of the War Department”が紹介されています。いずれのプロジェクトも、市民の協力を得て史料を管理するもので、これにより文書の解読や整理に費やす時間の大幅な短縮につながるようです。しかし史料の解読には専門的な知識が必要とされるため、プロジェクトに対して懐疑的な意見もあったり、プロジェクト主催者自身も完璧を求めない考えであったりするようです。
ガーナのIT推進機関“Ghana Investment Fund for Electronic Communication(GIFEC)”が、ガーナ国内の公共図書館及び移動図書館のIT化を進めるプロジェクト“Library Connectivity Project”を実施しているようです。2012年までに公共図書館と移動図書館に対して、コンピューター端末の提供などを行い、インターネットにアクセスできる環境の構築を支援するとのことです。
2010年12月7日にイラン・イスラム共和国国立図書館・公文書館(National Library and Archives of the Islamic Republic of Iran)に、韓国情報の専門室が開設されたようです。開設にあたり催されたセレモニーで、同館顧問のAshari氏は、同室にはイラン国民に韓国の文化と文明を伝える窓としての役割があること、そして近い将来、韓国の国立中央図書館にもイランの専門室が開設されるであろうと述べたとのことです。
2010年12月27日に米国国立公文書館(NARA)が、“Online Public Access”のプロトタイプ版を公開しました。これは、NARAのオープンガバメント計画に基づくもので、デジタル化した記録資料や記録資料に関する情報を提供するポータルサイトとなっているようです。プロトタイプ版では、“Archival Research Catalog”の全データや、記録資料のデータベース“Access to Archival Databases”のうちの7つのシリーズ、そして“Archives.gov”と“Electronic Records Archives”を統合的に検索することができるようです。
ボイス・オブ・アメリカ(VOA)のウェブサイトで、ニューヨーク公共図書館(NYPL)でのトークイベント“Live from the NYPL”についての紹介記事が掲載されています。このイベントは有料で行われているもので、トニ・モリソンなどの作家から、キース・リチャーズ、JAY-Zといったミュージシャンまで、多彩な出演者が登場しているとのことです。記事では、担当ディレクターのHoldengräber氏の「人々を図書館に呼ぶためには新しい方法を考えないといけない」というコメントや、公共図書館協会(PLA)会長のCaplan氏の、「NYPLで20-40代の利用者が増加しているのは、このトークイベントによるところが大きいのではないか」とのコメントが掲載されています。
2010年12月26日付けのIran Book News Agencyの記事によると、イラン・イスラム共和国国立図書館・公文書館(National Library and Archives of the Islamic Republic of Iran)に、専門研究センターが2011年に開設されるとのことです。この研究センターでは、簿記、資料・アーカイブズ、イラン学・イスラム研究の3つの研究グループがつくられることになるようです。
2010年12月付けで、オーストラリア国立図書館(NLA)が、ソーシャルメディアの利用に関するポリシーとガイドライン“Social Media Policy and Guidelines”を公表しています。このガイドラインは同館職員を対象としたもので、FacebookやTwitter、YouTube等のソーシャルメディアの利用を職員に促すものであると同時に、同館の利益も守るためのものともなっているとのことです。