米国出版大手のSimon & Schuster社が、2010年前半に出版する主要な35タイトルについて電子版の販売開始をハードカバー版から4か月後に行うことを予定していると報じられています。同社の責任者は、電子版の販売開始をハードカバー版の後、ペーパーバック版より前に行うのがよいという見解を示しています。また、Hachette Book Group社も同様の計画を立てているとのことです。
米国図書館協会(ALA)は、資料を残して伝えるという図書館の役割の認知度を高めるため、2010年5月9日~15日を“Preservation Week @ your library”とし、各地での関連イベントの開催を呼びかけています。こうしたテーマの全国的なPR運動は今回が初めてで、合言葉は“Pass it on!”(「伝えよう!」)に決定しました。なお、“Preservation Week @ your library”には、米国議会図書館、博物館・図書館サービス機構も協賛しています。
米国カリフォルニア州ベンチュラ郡のH. P. Wright図書館が、財政事情により2009年11月で閉館となったそうです。同図書館については、『華氏451度』や『火星年代記』などのSF作品で知られる作家のレイ・ブラッドベリ氏が存続のための資金集め活動などをしていましたが、閉館を覆すことはできなかったようです。ブラッドベリ氏は6月のNew York Times紙の記事などで、「私は図書館により成長した」として図書館への思いを語っていました。
LIBER QUARTERLYの最新号(vol. 19 (2009) No.2 )に、米国の観点からEuropeanaの課題を指摘する論稿“A view on Europeana from the US perspective”が掲載されています。筆者はOCLCのアーウェイ(Ricky Erway)氏で、Europeanaと類似のプロジェクトに米国で関わってきた経験を踏まえて、Europeanaの課題を整理しています。なお、この論稿は、2009年10月に開催された、“Workshop on the Digitization of Library Material in Europe”での講演内容を基にしています。
米国コロラド州立図書館の調査・統計部門“Library Research Service”が、州内の公共図書館および大学図書館のILL状況についてのレポートを公開しています。ILLでの貸出件数は公共・大学ともにここ数年増加傾向にあるようです。また、貸出件数全体に占める割合は、公共では1%以下の低い水準で推移しており、大学では貸出件数全体が減少傾向にあるため増加傾向を示しているとのことです。