アーカイブ - 2008年 8月 29日 - car

大学の授業用教科書の価格高騰に対抗した、教科書の「オープン」化状況-カリフォルニアの場合

米国では、大学の授業用教科書の価格高騰が問題となっていますが、カリフォルニア州では、出版社からの10万ドルという対価を断って、自著を「オープンソース・テキストブック」としてオンラインで無償公開した著名な経済学の教授が注目を集めているそうです。この教授がテキストブックのオープン化に取り組んだ経緯、また州内・米国の大学における教科書のオープン化の試み(オープンコースウェア、無料の電子書籍(Wikibooksなど))の広がりと、出版社による従来より安価な電子書籍の試みとの競合などについて、Los Angels Times紙が紹介記事を掲載しています。

Free digital texts begin to challenge costly college textbooks in California - Los Angeles Times

LCSHのブラウジングができるウェブサイト(※補足あり)

28万件以上の件名標目を有し、レコード数としては520万件あるという米国議会図書館(LC)件名標目表(LCSH)について、任意の語からブラウジングできるウェブサイトを、ドイツの大学図書館が作成しています。検索結果からは、当該の語をLCSHにアクセスできるAPI“LCSH.info”に送って得られるデータ(上位語・下位語との関係を図示したもの、等)が表示できるほか、WorldCat、Google Book Search、Open Library、LibraryThingなどを検索できるようになっています。

Browsing LCSH
http://www.biblio.tu-bs.de/db/lcsh/

08/27/2008付けLISNewsの記事
http://www.lisnews.org/browsing_lcsh

参考:
LCSHにアクセスできるAPI

大学図書館員と大学教員の、図書館の役割に対する認識のアンビバレンス

先日Ithakaが発表した報告書“Ithaka’s 2006 Studies of Key Stakeholders in the Digital Transformation in Higher Education”に関して、その内容を分析する記事がLibrary Journal誌に掲載されています。この記事によると、調査結果から、図書館員が重要だと考えている図書館の役割(教員にとっての資料への玄関口となること)が、必ずしも教員には重要だと考えられていないことが分かるということです。一方で、今回の調査では、比較的「伝統的」な図書館の役割のみが調査対象となっているため、今後は「学習センターとしての図書館」「教育のパートナー」といった図書館の役割を調査の要素に組み込んでいく必要があることを指摘しています。

夏の読書プログラムで得られるユニークな特典(米国)

米国カリフォルニア州のサンディエゴ郡公共図書館では、2008年9月19日まで、夏の読書プログラムで規定の冊数以上本を読んだ子どもを対象に、無料でペットに迷子防止用マイクロチップを埋め込むサービスをしています。このプログラムは、郡の動物サービス局、サンディエゴ不妊・去勢治療プロジェクト、マイクロチップ製作会社と図書館が協同して行っているもので、不妊・去勢治療を行える動物病院モービル“Neuter Scooter”内で、処置が行われるとのことです。

READ FOR A REASON
http://dbpcosdcsgt.co.san-diego.ca.us/screens/SRP/RFAR_select.html
http://dbpcosdcsgt.co.san-diego.ca.us/screens/SRP/rfr/RFAR_SNAP.html

80年以上前の公共図書館スタッフ向けの試験問題(米国)

シカゴ公共図書館が1925年に実施した、スタッフの“Training Class”への入学の可否をみる試験問題が、ブログ“DrWeb’s Domain”で紹介されており、デジタル化された試験問題本文を見ることもできます。

Could you pass the test? « Library Notes
- DrWeb’s Domain 2008/8/26付けの記事
http://drweb.typepad.com/dwdomain/2008/08/could-you-pass.html

試験問題(PDF)
http://libnotes.files.wordpress.com/2008/08/exam1.pdf

資料保存器材、「百万塔陀羅尼への保存修復手当て」等を公開

資料保存に関するブログ「ほぼ日刊資料保存 ニュースを世界から!」を提供している有限会社資料保存器材が、このほどウェブサイトをリニューアルするとともに、新たなコンテンツとして、スタッフが携わった修復プロジェクトの写真入り紹介記事「百万塔陀羅尼への保存修復手当て」、および、これまで提供されていた記事「蔵書の状態調査のためのサンプル系統抽出法」の改訂版が公開されています。

百万塔陀羅尼への保存修復手当て - 有限会社資料保存器材
http://www.hozon.co.jp/report/ito/ito-no001-darani.html

蔵書の状態調査のためのサンプル系統抽出法(改訂版) - 有限会社資料保存器材
http://www.hozon.co.jp/report/kibe/kibe-no006-random_sampling.html

“DSpace”のトレーニング用教材20講分、オンライン公開(英国)

リポジトリ用ソフト“DSpace”についてモジュール単位で学習できるトレーニング用教材を、英国のリポジトリ・サポート・プロジェクト(RSP)が作成し、英国ウェールズのアベリストウィス大学の機関リポジトリから公開しています。教材はワークブックとスライドからなり、「イントロダクション」から始まる20講分がダウンロードできます。教材はクリエイティブ・コモンズの「表示-継承」ライセンスで提供されており、今後も追加していくとのことです。

また同時に、ハードディスクにソフトをインストールすることなく、CD-ROMだけで手軽にDSpace環境を研修用に利用できるようにするための“Live CD”用イメージファイルも提供されています。このファイルをCD-ROMに焼き、PCに入れてそのCD-ROMからブートすると、DSpaceが利用できるというものです。

三田図書館・情報学会2008年度研究大会

三田図書館・情報学会2008年度研究大会が、9月27日に慶應義塾大学で開催されます。プログラムと発表内容の概略が公開されています。

三田図書館・情報学会 2008年度研究大会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/mslis/am_2008.html

参考:
三田図書館・情報学会2007年度研究大会
http://current.ndl.go.jp/node/6720

島根県立図書館、「おすすめしたいこどものほん」掲載図書を市町村図書館で巡回展示

島根県立図書館は、毎年「おすすめしたいこどものほん」リストを作成していますが、今年はリストに掲載している本を、実際に手に取れるように市町村の図書館で巡回展示しています。

島根県立図書館が推薦本を市町村へ貸し出し - 山陰中央新報
http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=505582004

電子版教科書を普及させるには、何をすればよいのか?:報告書刊行(米国)

社会問題や学生の生活改善を求めて、全米の大学で活動している学生組織の連合体である“PIRGs”が、大学教科書の価格高騰に対応したデジタル版教科書の普及に向けて、今後取り組むべき課題をまとめた報告書を刊行しています。

この報告書によると、デジタル版教科書には、手ごろな価格である、印刷ができる、アクセスが容易である、の3つの要素が必要不可欠だが、電子書籍(E-Book)はこれらの要件を満たしておらず、クリエイティブ・コモンズなどのオープン・ライセンスで刊行されている“Open Textbook”が、条件をクリアしていると分析しています。

総務省、災害時の業務中断防止・早期復旧のための地方公共団体ICT部門向けガイドラインを策定

総務省が2008年8月21日、地震やそれに派生する火災および水害などの二次被害などにより、情報システムに障害が発生した場合であっても、地方公共団体の業務の中断を防止し、また、それを早期に復旧することを目的とした「地方公共団体におけるICT部門の業務継続計画(BCP)策定に関するガイドライン」を策定・公表しました。

また同時に、2008年7月1日時点でBCPを策定しているかどうかを地方公共団体に尋ねたところ、策定していたのは3都道府県(6.4%)、41市区町村(2.3%)だったとのことです。なお未策定の都道府県の半数が、今年度または来年度以降に策定予定と回答しています。

「地方公共団体におけるICT部門の業務継続計画(BCP)策定に関するガイドライン」の公表 - 総務省
http://www.soumu.go.jp/s-news/2008/080821_3.html

2008年国際識字デーのテーマは「識字は最良の治療薬」

毎年9月8日は、ユネスコが定める「国際識字デー」です。世界全体としては識字率は上がってきており、2015年までに90%に達すると目されていますが、特に人口増加が著しい地域では識字率は上がっているものの非識字者の数も増えており、現在も世界で7億7,400万人(成人のおよそ5人に1人)が非識字で、7,500万人の子どもが教育システムの「外」にいるという状況です。「万人のための教育(Education For All)」プログラムの1つに、2015年までに成人の識字率を50%以上にすることが掲げられていますが、この達成が危ぶまれている国も多くあるとのことです。

チェコ首相は国立図書館の新館建築に含み

新館建築プロジェクトが暗礁に乗り上げているチェコ国立図書館ですが、チェコのトポラーネク(Mirek Topolanek)首相は、文化大臣との会談後、国立図書館の現在の建物を修理して利用する方が優先順位が高いと述べる一方で、新館を建築する可能性に含みを持たせる回答をしたということです。

Czech PM reckons with new national library building
http://www.ceskenoviny.cz/news/index_view.php?id=330376

参考:
E825(No.134)斬新なデザインのチェコ国立図書館新館建設,暗礁に?
http://current.ndl.go.jp/e825

独教育・研究省による、教育・研究の国際協力に関するポータルサイトがリニューアル

ドイツ連邦政府の教育・研究省が運営している、教育・研究の国際協力に関するポータルサイト“Kooperation international”が、2008年8月にリニューアルされました。日本を含む各国・地域が行っている国際協力プログラムやイベント、ニュースにアクセスできるようになっています。ドイツ語版のほか、英語版もあります。

kooperation-international.de
http://www.kooperation-international.de/
http://www.kooperation-international.de/en/countries/themes/
(上がドイツ語版、下が英語版)

10月14日は「オープンアクセスの日」

SPARC(Scholarly Publishing and Academic Resources Coalition)、Students for FreeCulture、PLoS(Public Library of Science)の3機関が協同で、2008年10月14日を「オープンアクセスの日(open access day)」として、公的助成研究のオープンアクセス化の推進を含む、オープンアクセスの意義を周知するイベントを開催すると発表しています。

ALA、今年も米国野球殿堂博物館とタイアップ

米国図書館協会(ALA)が2008年8月、米国野球殿堂博物館(National Baseball Hall of Fame)とタイアップしたプログラム“Step Up to the Plate @ your library”を行いました。両者はともに米国の伝統(classic)であるということで、2006年から毎年、タイアップしたプログラムを行っています。

横芝光町図書館、「青空文庫」作品を大活字で印刷・提供

千葉県横芝光町図書館が、「青空文庫」に収録されている作品を大活字版で印刷したものの提供を開始しています。同館が少しずつ作成しているとのことで、利用者からのリクエストがあったものは優先的に作成するとのことです。

[ご案内]「青空文庫」の作品を大きな活字で! - マロニエの花咲く 横芝光町立図書館blog
http://blog.goo.ne.jp/hikari_library/e/8060116e0dfd2b19b1567fb5901470fe

横芝光町立図書館
http://www.library.yokoshibahikari.chiba.jp/

参考:
E715 - 青空文庫,『青空文庫 全』を全国の公共図書館等へ寄贈
http://current.ndl.go.jp/e715