アーカイブ - 2008年 4月 - car

4月 9日

研究者はウェブで公開されている成果の知的財産権をどう考えているか?(英国)

英国図書館(BL)は、オンラインで公開されている研究成果の知的財産権に対し、研究者たちがどのような意識を持っているのかを調査し、その結果をこのほど公開しました。複製や剽窃が容易となったデジタル時代が到来し、著作権のバランスが崩れてきており、現状把握が必要であるという問題意識が調査の動機です。主な結果には以下のようなものがあります。

・93%の回答者が、デジタル形式の成果にも紙媒体と同様に知的財産権が存すると考えている。
・87%の回答者が、非営利の調査、私的な研究、レビューなどを行う際には、権利所有者の許諾を得ることなく、知的財産権が保護されている業績を複製して利用できるなど、公正な使用(fair dealing)という例外を認めるべきだと考えている。
・68%の回答者が、紙媒体とデジタルフォーマットにそれぞれ異なる公正使用のための法律を設けることに反対している。

4月 8日

国際子ども図書館講演会テキスト 「エジプトの児童文学と公共図書館-エジプトの読書運動-」

国際子ども図書館が2007年10月に開催した講演会 「エジプトの児童文学と公共図書館-エジプトの読書運動-」の講演テキスト(日本語訳)を公開しています。

講演会テキスト
「エジプトの児童文学と公共図書館-エジプトの読書運動-」
http://www.kodomo.go.jp/images/event/evt/2007-10/200710.pdf

全国公共図書館協議会、「公立図書館における図書館職員の研修に関する報告書」を刊行

全国公共図書館協議会が2008年3月、「公立図書館における図書館職員の研修に関する報告書」を刊行しました。これは2006年度に実施した「公立図書館における図書館職員の研修に関する実態調査」(E647参照)の結果を受け、全国8つの研修の事例を追加調査するとともに、研修を実施する際の参考となる「研修実施マニュアル」、キャリアパスにあわせた「研修モデル」をまとめ、問題点・課題を整理したものとされています。

公立図書館における図書館職員の研修に関する調査報告書
http://www.library.metro.tokyo.jp/15/15h2007.html

参考:
E647 - 公立図書館における図書館職員の研修に関する実態調査
http://current.ndl.go.jp/e647

E700 - 公立図書館で働く司書有資格者のいま

「大学図書館における著作権問題Q&A」(第6版)

国立大学図書館協会が、「大学図書館における著作権問題Q&A」(第6版)をウェブサイトで公開しています。

大学図書館における著作権問題Q&A(第6版)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/anul/j/documents/coop/copyrightQA_v6.pdf

ゲイツ財団、ブルガリアの公共図書館のインターネット無料提供サービスに助成

ブルガリア文化省と国連開発計画(UNDP)ブルガリアによる、2009年5月から5年間でブルガリアの公共図書館1,200館にコンピュータを設置しインターネットへの無料アクセス及び研修サービスを開始するというプログラムに対し、ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団が助成を行うことを発表しています。2008年にはその手始めとして全国調査を行うとのことですが、ゲイツ財団はこの調査に60万6千ドルを提供すると発表しています。UNDPブルガリアによると、現在は9館に1館しかインターネット無料提供を行っておらず、コンピュータが設置されている図書館も30%に留まっているとのことです。

Bulgarian Libraries – Access Points to Information and Communication for All

IFLA、図書館成功事例データベースをリニューアル

国際図書館連盟(IFLA)が、図書館成功事例データベースをリニューアル公開しています。これは世界情報社会サミット(WSIS)のフレームワークに則り、世界中で図書館の存在を高めるのに貢献すべく、構築されたものです。

同データベースのインターフェースは英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語の4か国語で構築されています。2008年4月8日現在、130件あまりの事例が登録されており、プロジェクトのカテゴリ(アクセスポイントとしての図書館、文化遺産のための図書館、生涯学習のための図書館など)、プロジェクトの分野(館種、業務・サービス内容など)、大陸、国、WSISのカテゴリや基本原則といった項目で検索することができます。

IFLA Libraries Success Stories Database
http://www.tribalpixel.ch/ifla/index.php

イラク国立図書館・文書館の最新状況

イラク国立図書館・文書館(INLA)のエスカンダー(Saad Eskander)館長の日記を掲載していた英国図書館(BL)が2008年3月10日、同館長によるINLAの最新状況レポートを掲載しました。自動車爆弾による窓の大量破損、職員の家族の誘拐・殺害といった悲しい出来事も報告されている一方で、資料やPC・プロジェクタ等の新規購入や利用者の大幅増加(1日240名だったのが750名に)など、着実な復興の様子もうかがい知れます。

Diary of Saad Eskander, Director of the Iraq National Library and Archive
Special report: 10 March 2008
http://www.bl.uk/iraqreport.html

参考:
イラク国立図書館・文書館の復興状況

欧州における音楽映像資料の保存状況調査報告書

欧州連合(EU)の“Culture 2000”プログラムの支援のもと,視聴覚資料保存のための教育活動を行なっている「TAPE(Training for Audiovisual Preservation in Europe:欧州における視聴覚資料保存のための研修)」が2007年に実施した、欧州(西欧・中欧・東欧)の890機関を対象とした音楽映像資料の保存状況調査の結果を報告しています。回答した96機関のうち、資料保存プログラムを実施中・計画中という機関は36機関に留まったなどの結果が出ています。

1716年以降の上級学位論文のインデックス(英国)

1716年以降、英国で上級学位を授与された論文51万件強のオンライン索引“INDEX TO THESIS”という有料サービスが英国のExpert Information社により運用されています。登録されている全ての論文には抄録と全文の入手方法に関する情報が付され、全体の0.5%にはフルテキストへのリンクが張られているということです。著者名索引、件名索引が利用できるほか、論文はそれぞれ、11の主題の下に設けられた300の小分類へと分類されています。

INDEX TO THESIS
http://www.theses.com/

オープンアクセス・電子図書館に関わる活動での南アジアの存在感

2001年にアジア電子図書館国際会議(ICADL)が、2004年と2006年には電子図書館国際会議(ICDL)が開催されたインドをはじめ、南アジアはオープンアクセスや電子図書館に関する活動で重要な役割を担っています。このほど、南アジアで成功を収めている電子図書館やオープンアクセス活動(オープンコースウェア、オープンアクセス雑誌、メタデータ収集サービス等)について詳述している文献“Open Access to Knowledge and Information: Scholarly Literature and Digital Library Initiatives – the South Asian Scenario”がユネスコにより刊行されました。

LC、無料で利用できる図書館情報学分野のウェブ情報資源のガイドを作成

米国議会図書館(LC)が、すぐに印刷媒体の資料や有料データベースを利用できる環境にない図書館司書・技術者・学生等に役立てるよう、無料で利用できる図書館情報学分野のウェブ情報資源を集めたガイドを作成しています。このガイドは、

・一般、目録に関する情報、カレントアウェアネスサービス、図書館・図書館協会のダイレクトリ、各種メーリングリストなどを紹介した“Online Subject Guides”
・ウェブで無料公開されている図書館情報学用語辞書、研究文献のリポジトリ、研究文献データベース、電子ジャーナル、電子ブックを紹介した“Full-text Resources”
・LC、英国図書館(BL)、民間企業が行っている相互貸借・文献複写サービスを紹介した“Interlibrary Loan and Document Delivery Services”

オックスフォード大学図書館、ProQuest社とのPPPにより"The John Johnson Collection"へのアクセスを全英の図書館に無償で提供

英オックスフォード大学(University of Oxford)は、ProQuest社とのPPP(public-private partnership)によって、ボドリアン図書館(Bodleian Library)所蔵の"The John Johnson Collection(近代英国の一枚もの印刷物のコレクション)"をデジタル化し、全英の大学図書館・公共図書館・学校図書館に無償でアクセス可能にするというプロジェクトを進めています。

現時点では、劇場のチラシ、出版見本、犯罪・裁判の記録、広告といった資料6300点がデジタル化され公開されており、最終的には65000点(150000点の画像)がデジタル化・公開される予定とのことです。

Public-private partnership delivers thousands of images for free

2007~2008年の図書館システム市場の動向は?(米国)

米国のLibrary Journal誌が2008年4月1日号で、毎年恒例となっているブリーディング(Marshall Breeding)氏による図書館システム市場の動向分析記事を掲載しています。2006年の図書館システムベンダーの大型合併に伴う市場再編が起き競争が激化していること、統合図書館システム(ILS)の売り上げが前年比で15%減少したのを次世代OPACインターフェースや電子情報管理システムの売り上げが埋め合わせていること、オープンソースの図書館システムソフトウェアをサポートするベンダーが現れたことなどが、特徴として挙げられています。大学図書館、学校図書館、専門図書館、小規模な図書館など、ユーザ館種別の動向分析もなされています。

4月 7日

私大図協東地区パブリック・サービス研究分科会、大学図書館評価と入館者増減に関する研究成果を公開

私立大学図書館協会東地区部会研究部 パブリック・サービス研究分科会が、教育支援、レファレンス、電子情報サービス、館内利用・貸出の4領域に係る大学図書館の評価(図書館評価グループ)と、入館者数の増減からみた今後の図書館像(入館者推移からの考察グループ)に関する2007年度の研究成果を、ウェブサイトで公開しています。

パブリック・サービス研究分科会 研究論文 - 私立大学図書館協会東地区部会研究部 パブリック・サービス研究分科会
http://www.jaspul.org/e-kenkyu/public/ronbun.htm

私立大学図書館協会東地区部会研究部 パブリック・サービス研究分科会
http://www.jaspul.org/e-kenkyu/public/index.htm

「中絶」はNGワード?-POPLINEで一時検索不可に(米国)

米国国際開発庁(USAID)の助成のもと、ジョン・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生研究所が運営している、人口・家族計画・健康問題などリプロダクティブ・ヘルスに関する世界最大の書誌データベース“POPLINE”で、「中絶(abortion)」という語で検索した場合の検索結果が「ヒットなし」になる事態が発生しました。これは、中絶という語を含む文献2点が、POPLINEの論文収録基準に合わないのではとUSAIDから質問があり、それに対応したものであったとのことです。事態を知った公衆衛生研究所長は直ちにこの措置を取りやめ、元通り検索できるようになったとのことですが、米国図書館協会(ALA)のロイ(Loriene Roy)会長は、このすばやい対応を評価しながらも、学術情報の検閲に当たる行為だと厳しく批判する声明を出しています。

JISC、Web 2.0と知的財産権に関するツールキットを刊行

英国情報システム合同委員会(JISC)が、Web 2.0環境における知的財産権の問題を研究し、実践的なツールキットを作成するプロジェクト“Web2Rights”の成果物及びブリーフィング・ペーパーを公開しています。

Web 2.0環境では、誰もが潜在的なコンテンツ作成者・出版者であり得ること、国を超えて面識のない複数の人々が協同するような場合も多いこと、といった特徴から、著作権の帰属、適用されるルール・手続きなどの問題が発生するとされています。こうした問題に関する考え方やTipsについてツールキットが作成されているほか、ライセンスや契約のひな型、FAQなども公開されています。

the Web2.0 Rights project
http://www.web2rights.org.uk/

Web 2.0 and Intellectual Property Rights

Nature Publishing Group、掲載論文・レターの「裏側」を取材したビデオ配信を開始

Nature誌を刊行しているNature Publishing Groupが、Nature誌ほかに掲載された論文やレターの「裏側」について、執筆者にインタビューしたビデオ動画を配信しています。2008年4月7日現在、19の論文や会議についての動画を無料で見ることができます。各々、調査や研究の背景に関するインタビューとともに、研究に関連するわかりやすい映像(例:クジラの進化に関するものであれば、現在のクジラが泳いでいる映像、クジラの祖先の化石、イラストなど)が含まれています。

Nature Online Video Streaming Archive
http://www.nature.com/nature/videoarchive/

April 05, 2008付けPeter Scott's Library Blogの記事

東工大のグローバルCOEプログラムとNPG Nature Asia-Pacificが新しいオンラインジャーナルを創刊へ

東京工業大学の材料系グローバルCOEプログラム「材料イノベーションのための教育研究拠点」が、雑誌“Nature”の刊行で知られるNature Publishing Group(NPG)のアジア・太平洋部門(NPG Nature Asia-Pacific)が協同で、アジア太平洋地域における材料科学分野の研究成果・ハイライトを紹介するウェブサイト“NPG Asia Materials”を3月24日に立ち上げています。これは、今後数年以内に刊行予定のオンラインジャーナル“NPG Asia Materials”の第1段階として位置づけられています。

NPG Asia Materials
http://www.natureasia.com/asia-materials/

東京工業大学 グローバルCOEプログラム 材料イノベーションのための教育研究拠点

COUNTER実務指針第3版のドラフト案が公開

COUNTER(Counting Online Usage of NeTworked Electronic Resources)が、電子ジャーナル及びデータベースの利用データの記録と交換を管理するための実務指針(Code of Practice for Journals and Databases)の第3版のドラフト案を公開しています。SUSHI(Standardized Usage Statistics Harvesting Initiative)プロトコルの併合などが新しく変更になった箇所として挙げられています。なお、5月31日まで、意見募集が行われています。

Draft Release 3 of the COUNTER Code of Practice for Journals and Databases (Published March 2008)

知的財産戦略本部会合(第19回)の配布資料、議事録

2008年3月13日に開催された、政府の知的財産戦略本部会合第18回の議事次第、議事録が公開されています。

なお、配布資料中の知的財産による競争力強化専門調査会報告書『オープン・イノベーションに対応した知財戦略の在り方について』では、「オープン・イノベーションを支える基盤の整備」として、図書館に存在する学術情報等へのアクセスの改善、インターネットを利用した教材へのアクセスの改善、研究のための映像・テキスト情報の利用の円滑化などの重要性を挙げながら、著作権法を始めとする知財法制の在り方について早急に検討に着手することが必要、としています。

知的財産戦略本部会合(第19回)議事次第
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/dai19/19gijisidai.html
知的財産戦略本部会合(第19回)議事録

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