アーカイブ - 2008年 11月 - car

11月 28日

“Big Read”プログラムが図書館、コミュニティにもたらす大きな効果

全米芸術基金(NEA)、博物館・図書館情報サービス機構(IMLS)、NPO“Arts Midwest”が協同で実施している読書プログラムへの助成プログラム“Big Read”が、その助成先である図書館やコミュニティにどのような影響を与えているのかを、事例をもとに紹介する記事が、Library Journal誌に掲載されています。助成金により、配布できる広報資料・グッズ・教師向けガイドなどを増やしてアウトリーチ・サービスを拡大した図書館、コミュニティ内の他の機関(博物館等)との連携協力を促進した図書館、人々の価値観に挑戦するような図書を選んで人々の議論を活性化させた図書館などが紹介されています。このプログラムにより、図書館が単に本がある場所というだけではないことの認知が広まっている、またコミュニティの強化・活性化の基盤が作られている、とまとめられています。

米エモリー大学、世界各国の奴隷貿易関係資料を集めたデータベース“Voyages”を公開

全米人文科学基金(NEH)の助成のもと、米国エモリー大学が、環大西洋各国(欧州、アフリカ、ブラジル、カリブ地域、北米)の図書館や文書館が所蔵している奴隷貿易関係の資料を集めて作成した、教育用コンテンツ、解説付きのデータベース“Voyages”を公開しました。

16~19世紀にアフリカから「商品」として運ばれた奴隷は1,000万人を超えるとされていますが、Voyagesではその航海記録、年代と乗船国/目的国ごとの推計奴隷数、奴隷6万7,000人分の名簿が公開されています。教育用コンテンツの中には、奴隷や航海船を描いた絵画なども含まれています。この作成には、各国の大学で奴隷貿易を研究している研究者に加えて、歴史家、ライブラリアン、(教育用)カリキュラム・スペシャリスト、地図製作者、プログラマー、ウェブデザイナーなど、多分野の専門家が協力したとのことです。

ライブラリアンによる、蔵書構築担当ライブラリアンのための、コンピュータ書籍書評サイト

米国のLibrary Journal誌では2002年から、ゴードン(Rachel Singer Gordon)氏によるコンピュータ関連書籍の書評を連載してきましたが、2008年10月15日をもって、この連載が終了しました。ライブラリアン(特に蔵書構築担当)向けのコンピュータ書籍の書評は、他にほとんど存在していないということで、ゴードン氏が書評サイト“The Tech Static”を立ち上げました。このサイトでは無料で書評を執筆してくれる人を募集しており、すでに、複数のライブラリアンが執筆した書評が掲載されています。

The Tech Static
http://www.thetechstatic.com/

New Technology Review Source for Librarians Launches - Weekly News Digest

小学館の『日本大百科全書(ニッポニカ)』をベースとした無料オンライン百科事典「Yahoo!百科事典」

ヤフー(Yahoo! Japan)社が2008年11月27日、小学館が刊行している百科事典『日本大百科全書(ニッポニカ)』をベースとした無料オンライン百科事典「Yahoo!百科事典」を公開しました。動画・音声などマルチメディアコンテンツの搭載、月次での内容更新(小学館による新項目の追加や改訂)、Yahoo! 検索との連動(2008年12月末~)などが特徴として挙げられています。今後は、利用者からのフィードバックを受ける仕組みを搭載し双方向での更新も目指している、とのことです。

Yahoo!百科事典 - 無料のオンライン百科事典
http://100.yahoo.co.jp/

新サービス「Yahoo!百科事典」を公開 - Yahoo! JAPAN - プレスリリース
http://pr.yahoo.co.jp/release/2008/1127a.html

フィラデルフィア図書館友の会、図書館閉鎖に反対する抗議活動を展開

財政難のため、市内の54の図書館のうち11館を閉鎖、3館の開館時間を削減、111名のスタッフを削減という案を市長が提案した米国フィラデルフィア市で、図書館友の会による抗議活動が展開され、テレビ・新聞等でも報じられています。図書館友の会は、“Rally”の名称で行われるデモ行進のほか、市長が財政難対策について市民に説明する“Town Hall Meeting”への参加を呼びかけています。

Friends of the Free Library Philadelphia
http://www.libraryfriends.info/

※抗議活動の様子を紹介した動画ニュース
Blinkx Video: The Fight For Philadelphia's Libraries Continues

11月 27日

Google、日本の携帯電話絵文字のUnicode符号化を支援-各種ツールをオープンソースで提供

2008年10月にウェブメールサービス“Gmail”で日本の携帯電話用絵文字をサポートしたGoogle社が、これらの絵文字をUnicodeの文字セット内の文字として共通符号化しようという提案を支援すべく、絵文字のマッピング、変換表、各種ツール類をオープンソースプロジェクト“emoji4unicode”として公開しました。

emoji4unicode
http://code.google.com/p/emoji4unicode/
Emoji Symbols ‎(Unicode Symbols‎)
http://sites.google.com/site/unicodesymbols/Home/emoji-symbols

Google Japan Blog: 絵文字のユニコード符号化: 符号化提案用のオープンソースデータ

SLA、2008年SLA加盟館の職員給与調査結果を発表

専門図書館協会(SLA)が、米国、英国、カナダ、英国以外の欧州の4地域における、2008年4月1日時点でのSLA加盟専門図書館職員の給与調査結果を発表しました。報告書本編は有料ですが、概要はウェブで公開されています。米国の場合、給与の平均は71,812ドルで、昨年よりも5.3%増加と、昨年に引き続き物価上昇率よりも高い伸びを示したとのことです。

2008 Salary Survey & Workplace Study - Special Libraries Association
http://www.sla.org/content/resources/research/salarysurveys/salsur2008/index.cfm

参考:
ARL、2007-2008年の給与調査結果を発表
http://current.ndl.go.jp/node/9152

千代田図書館、Library of the Year2008大賞受賞記念イベントの開催を発表

2008年のLibrary of the Year大賞を受賞した東京都千代田区立千代田図書館が、受賞記念イベントを開催すると発表しています。来館者へのブックマークプレゼントのほか、図書館内に横断幕を掲示したり、受賞に関連したパネル展示を行ったりするそうです。

イベント展示情報・「Library of the Year 2008」大賞受賞記念イベント|ご利用案内|千代田区立図書館
http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/guidance/loy2008ceremony.html
http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/press/pdf/081127.pdf

参考:
Library of the Year 2008大賞は千代田区立千代田図書館

18世紀の文学・歴史等に関するデジタル研究基盤を確立するプロジェクト“18thConnect”(米国)

18世紀(実際には少し長めで1660~1800年)の文学、歴史、絵画、哲学等を研究している研究者のための包括的デジタル研究基盤となる強固なインフラを構築するという、イリノイ大学、オハイオ州マイアミ大学、ヴァージニア大学の研究者が主導するプロジェクト“18thConnect”が立ち上がっています。コンテンツのデジタル化の際にテキスト化も可能にするためのオープンソースのOCR、購読契約が必要なもの・必要のないものを問わず研究者がコンテンツを「マイページ」で管理できる仕組み、そのような形で研究者が付与したタグ等を共有できる仕組み、の開発が目的とされています。

なおこのプロジェクトの説明資料では、研究者、編集者、ライブラリアンが、従来の伝統的な学問方法でどのように関わっていたのか、それがデジタル環境でどのように変わるのか、が図示されています。

18thConnect

実物資料へのアクセシビリティを高めるために-RINが研究者の意識調査報告を刊行(英国)

英国研究情報ネットワーク(RIN)が、考古学、美術史、地球科学、社会経済史の4分野の研究者を対象に、研究に関連する実物資料の探索方法と、博物館等の機関がどのような研究支援を行うことができるかについて尋ねた調査レポート“Discovering physical objects: Meeting researchers' needs”を刊行しています。これは、博物館と研究コミュニティを架橋することを目的としたもので、研究者のニーズ、博物館の現状認識を分析し、「研究者はどこで実物資料が見られるかといった情報を必要としているが、博物館等の目録データに気づいていない人が大半である」といった状況を元に、博物館、研究者、英国博物館・図書館・文書館国家評議会(MLA)等に対する10の勧告(博物館は直ちに不完全でも良いので研究データをCMS等を通じてオンライン提供すること、等)を行っています。

Discovering physical objects: Meeting researchers’ needs | RIN
http://www.rin.ac.uk/objects

米国連邦政府からの最大の公共図書館向け助成、E-rateを再考する(米国)

年間22.5億ドル相当と、米国連邦政府から公共図書館向けに提供されている最大の助成金であるE-rate(教育用インターネット接続料金割引)について、その現状・課題、功罪を論じた短報が、American Libraries誌に掲載されています。「E-rateは(フィルタリングの義務化がされているなど)完璧なものではないものの、もはやこれなしでは、利用者サービスが成り立たない」という図書館長の声などが紹介されています。

Carrie Lowe. Rethinking the E-Rate. American Libraries. 2008, 2008.10.
http://www.wo.ala.org/districtdispatch/wp-content/uploads/2008/11/rethinking-the-erate.pdf

機関リポジトリと一体化したオーサリングツールの開発に向けて-次世代の研究者たちの学術コミュニケーション観・実態の調査報告(米国)

米国ロチェスター大学リバーキャンパス図書館は、博物館・図書館サービス機構(IMLS)の助成を受けて、「次世代の研究者のためのリポジトリ改良」(Enhancing Repositories for the Next Generation of Academics)というプロジェクトを2006年から実施しています。このプロジェクトにおいて、機関リポジトリと一体化したオーサリングツールの開発に資するべく、次世代の研究者である大学院生25名を対象に、学術コミュニケーションに関する意識・実態をインタビューした調査が行われました。その結果が、同館のスタッフによる研究成果を収録したリポジトリで公開されています。

コロンビア大学図書館、学術コミュニケーションに関する講演・シンポジウムの動画3点を配信

米国コロンビア大学図書館・情報サービスが実施している学術コミュニケーションに関するプログラム(講演、シンポジウム)の動画が、同館のウェブサイトで公開されています。現在公開されているのは、(1)ハーバード大学のオープンアクセスイニシアチブ、(2)インパクトファクターおよびその他の学術雑誌の影響評価指標、(3)単行の学術書の将来、の3点です。なお、パネリストのコメント等は、Twitterでフィードされています。

Multimedia | Scholarly Communication Program
http://scholcomm.columbia.edu/?q=content/multimedia

Fostering Innovation in Scholarly Communication | Scholarly Communication Program

電子書籍フォーマット「ドットブック」が読み上げソフトへの対応を強化

日本のボイジャー社が開発した電子書籍用フォーマット「ドットブック(.book)」が、主に視覚障害者向けの読み上げソフト(スクリーンリーダー)への対応を強化したと発表されています。あわせて、ドットブック、DAISY、一般のテキスト文書、点字テキスト等を読み上げられる読書システム「MyBook」が、高知システム開発社からリリースされています。

目の見えない人に本を届ける: 視覚障碍者の読上げソフトとドットブックが手を結ぶ - ボイジャー
http://www.voyager.co.jp/hodo/081121_hodo.html

~心ゆくまで読書を楽しむ~ MyBook誕生 - 高知システム開発
http://www.aok-net.com/products/mybook.htm

「びぶろす」誌に専門図書館協会(SLA)2008年年次大会参加報告が掲載

2009年11月に刊行された「びぶろす」誌が、林和弘・日本化学会学術情報部、SPARC JAPAN運営委員による専門図書館協会(SLA)2008年年次大会(2008年6月15~18日、米国シアトルで開催)の報告記事を掲載しています。国立情報学研究所(NII)のSPARC JAPAN事業のプロモーション活動の報告が中心となっています。

林和弘. SLA 2008 Annual Conference参加報告-Publisherの視点から-. びぶろす. 2008, (電子化42号).
http://www.ndl.go.jp/jp/publication/biblos/2008/fall/02.html

なおSLAの年次大会ウェブサイトでは、プレゼンテーション資料等が公開されています。

SLA 2008

オーストラリア国立図書館とシンガポール国家図書館委員会がデジタル保存等で協力関係に

オーストラリア国立図書館とシンガポール国家図書館委員会が2008年9月、

・デジタル保存
・ポスター、エフェメラ(一過性資料)、写真といった特殊な印刷媒体資料の保存
・全国書誌データベースの交換
・図書館のパフォーマンス管理に関する情報とベストプラクティスの共有

などの分野で相互に協力していく内容の覚書を交わしたと発表されています。

National Library of Australia Signs Memorandum Of Understanding With National Library Board, Singapore - Key Focus In Areas Of Digital Preservation And Handling Materials In Special Formats

ERIC、マイクロフィッシュデジタル化の成果6万点を公開

米国教育省教育学研究所によって運営されている、教育学分野の研究・情報を提供するデータベース“ERIC(Education Resources Information Center)”は、1966年から1992年までの文献34万点をマイクロフィッシュからデジタル化して提供するというプロジェクトを、2009年3月までの予定で行っています。このほど、このプロジェクトの成果として、主として1978年以前のマイクロフィッシュ媒体の文献6万点をデジタル化して提供開始した、と発表されています。なお現在までに、34万点中17万点がデジタル化済みとのことです。

Digitization Project Releases Full-Text Documents (Nov 19, 2008)

NII、図書館総合展でのプレゼンテーション資料を公開-NetCommons2上で動作するリポジトリモジュール“WEKO”も

国立情報学研究所(NII)が、2008年11月26日に開催された図書館総合展でのプレゼンテーション資料を公開しています。あわせて、同プレゼンテーションで発表された、同研究所が開発しているコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)“NetCommons 2”上で動作するリポジトリモジュール“WEKO”の提供も開始しています。ちなみにWEKOとはスワヒリ語で「リポジトリ」を意味する言葉とのことです。

第10回図書館総合展 - EVENT | 国立情報学研究所
http://www.nii.ac.jp/library_fair/2008/index-j.shtml

WEKO
http://weko.at.nii.ac.jp/
NetCommons2公式サイト
http://www.netcommons.org/

Library of the Year 2008大賞は千代田区立千代田図書館

NPO法人知的資源イニシアティブ(IRI)が毎年選んでいる“Library of the Year”2008年の大賞受賞館として、東京都千代田区立千代田図書館が選ばれたと発表されています。

Library of the Year 2008 - IRI:知的資源イニシアティブ
http://www.iri-net.org/loy/loy2008.html
千代田区立図書館
http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/

参考:
CA1669 - Library of the Year -良い図書館を良いと言う- / 田村俊作
http://current.ndl.go.jp/ca1669

11月 26日

オープンソースの目録・メタデータ作成ソフト“‡biblios”のホスティングサービスが登場

図書館向けオープンソースソフトウェアの運用業務ソリューションを提供しているベンダーLibLime社が、オープンソースの目録・メタデータ作成ソフト“‡biblios”のホスティングサービス“‡biblios.net”のベータテストを開始しています。現在のベータ版は無料で登録利用できます。

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