アーカイブ - 2020年 5月 14日 - book

E2257 - 「国立国会図書館関西館書庫棟」の竣工

国立国会図書館は,納本制度に基づき,国内で刊行された出版物を網羅的に収集しており,収集した資料は,東京本館(1,200万冊収蔵可能),関西館本館(600万冊収蔵可能),国際子ども図書館(105万冊収蔵可能)の3施設に分散して保存している。所蔵資料の増加に対応した書庫の確保は,国立国会図書館の重要な課題となっているが,2002年の関西館開館から18年が経過し,東京本館,関西館ともに書庫の収蔵能力が限界に近づいてきたため,関西館第2期施設整備事業として,「関西館書庫棟」(以下「書庫棟」)を関西館本館(以下「本館」)の南側敷地に建設し,2020年2月に竣工した。

E2255 - 分散型のオープンな出版フレームワーク“Pubfair”

1665年のオルデンバーグ(Henry Oldenburg)による英語圏で最古の学術雑誌Philosophical Transactionsの出版から355年,学術出版の形態は大きく変わることなく現在も続いている。1994年,ハーナッド(Steven Harnad)は「転覆提案(The Subversive Proposal)」を公表し,学術出版に係るコストの適正化を目的に,ギンスパーグ(Paul Ginsparg)によるプレプリントサーバー(後のarXiv.org)を参考にした,インターネットを活用した既存の学術出版システムに依存しない新たな学術出版のあり方を提案した。ハーナッドの提案は,その後のオープンアクセス(OA)運動に大きな影響を与え,学術論文などの研究成果物を保存・公開する数多くのリポジトリを生み出したが,学術雑誌を中心とした学術出版の変革までには至らなかった。Pubfairは,この旧態依然の学術出版を取り巻くシステムを,機関とそのリポジトリによるリポジトリネットワークとそこにあるコンテンツを利用して構築される,分散型のオープンな出版フレームワークに置き換えることを目指している。Pubfairに関するホワイトペーパーの初版は2019年9月に,第2版は同年11月に公開された。

E2254 - 蔵書2,000冊 書店による企業主導型保育所「本のほいくえん」

2020年2月,株式会社今井書店は,島根県松江市に企業主導型保育所「本のほいくえん」を開所した。「なぜ,書店が保育所を?」と思う人も多いだろう。もちろん当社グループの従業員の働きやすさの向上や,松江市の待機児童の課題に貢献する目的もあるが,実はそこには当社の創業者の思いが大きく反映されている。

E2253 - 「自主学習できる図書館」への沖縄県立図書館の取組

沖縄県立図書館では,これまで閲覧室での自主学習を認めていなかった。自主学習への対応を本格的に検討し始めたのは,ある出来事がきっかけである。当館は2018年12月に新館へ移転し(E2114参照),座席数は全体で約500席と,約2倍になった。さらにバスターミナルと商業施設との複合施設となったため,来館者が増加した。その増加のピークとして,2019年2月,一日の来館者が約7,000人を記録した日があった。その日は開館前に150人は下らない人数がエントランスホール入口前に待機し,開館時には職員の制止の声も聞かずになだれ込み,館内を走り回って座席を確保していく。まるでバーゲンセールかのような有り様に,本格的な対策を考えなければならないと職員一同が感じたのである。