2019年5月6日から10日まで,カナダのオタワでISO/TC46(International Organization for Standardization/Technical Committee 46)の国際会議(E2047ほか参照)が開催された。TC46は「情報とドキュメンテーション(Information and Documentation)」を担当する専門委員会である。今回はTC46総会と4つの分科委員会(Subcommittee:SC)の各総会及び作業部会(Working Group:WG)が開催され,日本から4人が参加した。以下,国立国会図書館からの参加者(筆者)が出席した「技術的相互運用性(Technical Interoperability)」を担当する第4分科委員会(SC4)と「識別と記述(Identification and Description)」を担当する第9分科委員会(SC9)の会議について,概要を報告する。
英国のJiscは2019年3月に保存すべき研究データに関する調査レポート“What to Keep: A Jisc Research Data Study”を公開した。本稿では,調査レポートの主要パートである,保存すべき研究データ(3章)・研究データ保存の現況(4章)・研究データ保存の課題・改善案(5章)に関する調査分析と利害関係者への提言を中心にその内容を概観する。
2019年5月20日,京都大学図書館機構は,2019年度京都大学図書館機構講演会「オープン・サイテーションと機関リポジトリの展開」を開催した。71人の大学図書館職員,研究者,リサーチ・アドミニストレーター(URA)等が参加した。講演会の目的は2点ある。1点目は,学術出版物のオープン・サイテーション(引用データのオープン化)を推進する国際的なイニシアティブとして,2017年4月に設立されたI4OC(Initiative for Open Citations)の取り組みを紹介することで,オープン・サイテーションの概念を日本に導入することである。2点目は,日本でのオープン・サイテーションの実現について検討することである。本稿では講演の内容を紹介する。なお,講演資料は京都大学学術情報リポジトリで公開されている。
国際図書館連盟(IFLA)貴重書・特別コレクション分科会(RBSCS)は,貴重書・特別コレクション(以下「貴重書等」)の整理業務におけるRDA(Resource Description and Access;CA1766参照)適用状況に関する調査の分析結果の報告書“IFLA Survey on Rare Materials Cataloguing with RDA”を2019年2月に公開した。
2019年5月27日から28日まで,学術総合センター(東京都千代田区)において,Japan Open Science Summit 2019(JOSS2019)が開催された。国内でオープンサイエンスに携わる関係者を対象としたカンファレンスであり,昨年(E2051参照)に続き2回目となる。19のセッションで構成され,各日最後に「まとめセッション」が設けられたほか,主催・協力機関等がオープンサイエンスや研究データに関する各々の取組について紹介するポスター展示が行われた。なお,本イベントはSNSでの広報を積極的に取り入れ,Twitterなどでの発信が推奨された。Twitterで#JOSS2019を検索するとイベントの一連の様子を知ることができる。本報告では,これらのうち,国立国会図書館が主催したセッションとそれ以外の3つのセッションの概要を報告する。
2019年4月,米国の大学・研究図書館協会(ACRL)が,大学図書館向けの利用者調査のためのオンラインツール“Project Outcome for Academic Libraries”を正式公開した。同ツールはACRLのウェブサイト上で公開されており,大学図書館員や図書館情報学を学ぶ学生であれば,登録後,無料で利用することができる。