2016年4月,米国のPew Research Centerが米国民の公共図書館(以下図書館)への意識と学びに関する報告書“Libraries and Learning”を公開した。2015年10月13日から11月15日まで,16歳以上の米国民2,752名を対象として実施された調査“Educational Ecosystem Survey 2015”をもとに,回答者の属性による差異などが紹介されている。また,米国の図書館を対象としたデジタル技術を活用したサービスの提供状況等に関する調査で,2015年10月に結果が公開された米国メリーランド大学情報政策アクセス・センター(IPAC)と米国図書館協会(ALA)による“2014 Digital Inclusion Survey”(回答館数は2,304)の結果とも比較されている。
2016年3月17日,国立国会図書館(NDL)東京本館で「研究データとオープンサイエンスフォーラム~RDA東京大会における議論を踏まえた研究データ共有の最新動向~」が,NDL,国立情報学研究所(NII)及び科学技術振興機構(JST)の共催により,開催された。本フォーラムの趣旨は,同年3月1日から3日まで東京で開催された研究データ同盟(Research Data Alliance:RDA)第7回総会の参加者による報告を踏まえ,研究データに関する国内外の最新動向を共有することであり,当日は研究者や図書館員の他,出版関係者など約120名の参加があった。
2015年8月17日にオーストラリア連邦議会を通過した「民法・司法関係法改正法2014」(Civil Law and Justice Legislation Amendment Bill 2014)によって,オーストラリア国立図書館(NLA)への納本対象資料をオンライン資料にも拡大するように改正された著作権法が,2016年2月17日施行された。これまで,NLAでは,無償のオンライン資料を出版者との契約により収集してきたが,改正著作権法の施行に伴い,有償・無償を問わずオンライン資料は全て納本制度に基づき収集できることとなった。2012年に司法省からオンライン資料のオンデマンド収集を主旨とする納本制度の拡大について提言が出されたが,これはその提言の延長にあるものであろう。