アーカイブ - 2015年 - book

8月 6日

E1698 - 日本における「アクセスの再定義」<報告>

    2015年6月13日,明治学院大学にてシンポジウム「アクセスの再定義―日本におけるアクセス,アーカイブ,著作権をめぐる諸問題―」が開催された。これは,ローランド・ドメーニグ氏(明治学院大学)とアレクサンダー・ザルテン氏(ハーバード大学)の呼びかけにより開催されたもので,今日の活字,映像,オーディオ媒体へのアクセスの増大と,それを管理しコントロールするアーカイブや著作権のあり方を議論する場となった。シンポジウムには研究者,図書館員,弁護士といった異なる業界の関係者が集い,それぞれの立場から現状の問題や今後の課題を提示した。主催者によれば,当初このシンポジウムは2016年に米国で開催する予定であったが,日本における著作権問題を大きく左右すると考えられるTPPの交渉がまさに進行中という状況において,急遽先に日本での開催を決定したということである。こうしたアクチュアルな問題をめぐって,シンポジウムはアーカイブの実践,アクセスの理論,今後の展望という三つのテーマのパネルから行われた。以下パネルごとに報告する。

E1697 - NII,“CiNii Dissertations”を試験公開

 2015年6月11日,国立情報学研究所(以下NII)は,日本国内の大学および独立行政法人大学評価・学位授与機構が博士の学位を授与した論文(以下博士論文)のメタデータを,CiNiiインターフェース(CA1691参照)において無料で検索することができる“CiNii Dissertations”を試験公開した。

E1696 - 「ひとハコ図書館」からはじめる新しい図書館

1.はじめに

 公共図書館は地域に暮らし生活する人々(市民)のためにある図書館である。筆者の勤務する東久留米市立図書館(以下当館)は,1971年の開館以来,多くの事業において市民と協働して運営してきた。公共図書館に「課題解決」の役割が求められるようになり,当館も今後のあり方を検討する中,利用者懇談会や図書館協議会の場とは別に,市民が図書館のことを考えられるような場を設けたいと考え,2015年5月31日に「図書館フェス2015」を開催した。本稿はその構想から開催までを運営側から紹介するものである。

 

E1695 - 鳥取県で「読みメンになろう!」プロジェクトをスタート

1.はじめに
 鳥取県では2015年度,鳥取県立図書館(以下当館)を中心に,「えほんでHAPPY!パパもじぃじも 読みメンになろう!」というキャッチフレーズのもと,「読みメンになろう!」プロジェクトを開始した。「読みメン」とは,子どもに絵本の読み聞かせをする男性を意味する言葉で,お父さんやおじいさんなど多くの男性に,もっと子どもと一緒に本を楽しんでほしいという願いを込めている。

E1694 - 京都府立図書館「宵山に繰り出す前に 浴衣で図書館」報告

  京都府立図書館では,祇園祭の特別展示にあわせて,祇園祭・前祭の宵山(2015年7月16日)にカウンターの職員が浴衣で応対し,利用者へも浴衣での来館を呼びかける「宵山に繰り出す前に 浴衣で図書館」という企画を実施した。

7月 23日

E1693 - 2015年ISO/TC46国際会議<報告>

    2015年6月1日から5日まで,中国の北京でISO/TC46(International Organization for Standardization/Technical Committee 46:TC46)の国際会議が開催された。TC46は「情報とドキュメンテーション」を担当する専門委員会である。今回は,TC46総会と5つの分科委員会(Subcommittee:SC)の総会及び作業部会が開催され,日本からは計5名が参加した。筆者は第9分科委員会(SC9)の国内委員としてSC9の作業部会,総会及びTC46総会に参加した。以下SC9の会議内容を中心に報告する。

E1692 - 大学図書館コレクションの適正規模化を進める<文献紹介>

   日本の大学図書館における資料の収容能力の不足は恒常的な問題である。加えて近年,ラーニングコモンズのような新たな学習支援機能の実現のため,大学図書館のスペースの見直しが求められている。電子リソースやデジタル資料の登場と普及も見直しの要因の一つといえよう。

E1691 - 「としょつくVol.1~魅力的な本棚をつくる」

 奈良県立図書情報館では,5月9日に「としょつくVol.1~魅力的な本棚をつくる」編集編を,6月28日に設計編を開催した。このワークショップは「魅力的な本棚とは?」をメインテーマに,館の所蔵資料からテーマに沿った本をセレクトする編集編と,それを受けて,セレクトされた本をどのように見せるのか,本棚を参加者が実際に製作してディスプレイする設計編とで構成されている。

E1690 - 「アウトドアライブラリー」で育てる都心の公園

 2015年6月1日から14日まで,神戸パークマネジメント社会実験実行委員会は東(ひがし)遊園地という神戸の都市公園において「アーバンピクニック」と名付けた社会実験を開催した。神戸市役所の南に位置するこの公園は,都心に位置しながら,土のグラウンドが大きな面積を占め,大きなイベント開催時でもなければ閑散としていた。2014年ごろからいくつかの施策を市役所に提案していた,筆者を含め,市民から立ち上がった発起人数名は,市民が日常的に公園を利用することが,都心の魅力を高めるためには重要だと考え,都市と自然を同時に楽しむことを趣旨とした社会実験の企画を進めることとなった。

7月 9日

E1689 - 司書を配置しない大学図書館カウンターの事例<文献紹介>

 米国ミシガン州の,約2万7,000名の学生が在籍するセントラル・ミシガン大学(以下CMU)図書館で,2013年度にカウンターの人員配置が変更された。変更後の人員配置は「司書待機型配置モデル」(以下新モデル)と呼ばれ,司書はレファレンスカウンター(以下カウンター)に常駐せず,学生スタッフや准専門職では回答できないレファレンスに関してのみ,対応するというものである。CMU図書館の職員数は約70名で,レファレンス部門には,課長と8名の司書,その他2名の准専門職と10名程度の学生スタッフが所属する。

E1688 - Europeanaによるメタデータの品質に関する報告書

 Europeanaは,2015年5月,メタデータの品質に関する報告書“Report and Recommendations from the Task Force on Metadata Quality”(以下報告書)を公開した。これは,2013年12月に設置されたメタデータの品質に関するタスクフォースの活動の成果である。

E1687 - ORCID導入のコストと利点とは?英国の試行プロジェクト

 英国のJisc(英国情報システム合同委員会)と研究マネジメント専門職ネットワーク(Association of Research Managers and Administrators:ARMA)は,2014年5月から2015年1月にかけて8つの高等教育機関で行われていたORCID(CA1740参照)の試行プロジェクトについてのレポート“Institutional ORCID Implementation and Cost-Benefit Analysis Report”(以下レポート)を公開した。ORCIDとは,世界中の研究者に一意な識別子を与えることを目指す試みであり,ORCID識別子を導入することで,著者等の名前の曖昧性を解決するだけでなく,研究プロファイルのメンテナンス,助成金申請,論文投稿,論文など,研究者と研究を関連づけることもできる。レポートは,主なステークホルダーの視点,8機関におけるプロジェクトの実施概要とその結果,ORCID導入のコストと利点の分析という3章から構成されている。また,付録3には,プロジェクトから得られた知見がチェックリストの形でまとめられている。

E1686 - 京都大学オープンアクセス方針採択の経緯

 京都大学は,2015年4月28日に「京都大学オープンアクセス方針」を採択した。この方針は,京都大学に所属する教員が,京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI)で研究成果を公開することを義務化するものである。公開対象となる研究成果とは学術雑誌掲載論文であり,図書等は含まない。また,出版社の不許諾,京都大学以外の共著者の不同意,その他の理由により公開できない場合は,適用例外の申請ができる。この方針の目的は,研究成果の自由な閲覧を保証することにより,学術研究のさらなる発展に寄与し,大学としての情報公開の推進と社会に対する説明責任を果たすことである。現在,研究成果の登録や適用例外申請などが簡便に行えるシステムを開発中であり,2015年度中には実運用を開始する予定となっている。

6月 26日

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