アーカイブ - 2015年 10月 1日 - book

E1716 - テクノロジーが拓く読書史研究の可能性<文献紹介>

 本書はヴィクトリア時代の英国の人々の読書を多角的に分析する論文集であり,第一部「私的な読書の公的な側面」(The Public Aspects of Private Reading),第二部「読書する関係」(The Reading Relationship),第三部「今日においてヴィクトリア時代人を読み解く」(Reading the Victorians Today)の三部から構成されている。本稿でそのすべての論文を紹介することは困難であるため,ここでは最先端の読書史研究の手法を紹介する第三部に注目し,そこから二編の論文を厳選して紹介しつつ,今後の読書史の展望を述べたい。 

E1715 - 米国アーキビスト協会2015年次大会<報告>

 2015年8月16日から22日まで,米国アーキビスト協会(Society of American Archivists:SAA)2015年次大会が,米国クリーブランドにて開催された。本大会には米国・カナダを中心として,アーキビスト(文書館等の専門職),アーカイブズ学の研究者・教育者・大学院生,企業関係者などが参加した。日本からは,平野泉(立教大学共生社会研究センター),橋本陽(同),元ナミ(学習院大学大学院)の各氏が,テキサス医療センター図書館(ヒューストン)との国際共同研究として「原爆傷害調査委員会(ABCC)」資料のデジタル・アーカイブズ構築プロジェクトについてセッションを開催した。また筒井弥生氏(一橋大学大学院非常勤講師)は国立国会図書館やNHKなどの東日本大震災関連のデジタル・アーカイブ運営の取り組みを素材として,「デジタル・アーカイブ」をめぐり,「アーカイブズの理論」に基づくか否かという日本内外のズレを検証するポスター発表を行った。さらに,齋藤歩氏(学習院大学大学院)は建築アーカイブズの資料組織化などに関する自身の研究を進めるため,このトピックに関するワークショップなどに参加した。筆者自身は,政府のオープンデータやオープンガバメントに関する自らの日本学術振興会の科研費研究の遂行,また,筒井氏のトピックと重なるが,「デジタル・アーカイブ(ズ)」に関する日米の概念の違いの検証も目的として,初めてSAAの年次大会に参加した。以下,筆者が関心をもったテーマに絞り,本大会について報告したい。

E1714 - 第24回京都図書館大会<報告>

 2015年8月17日,第24回京都図書館大会が同志社大学寒梅館ハーディーホールで開催された。この大会(E1337参照)は,京都府内において館種を超えた図書館関係者の連携を図りともに研鑽を積むことを目的として,年1回開催されているものである。

E1713 - 『ラーニング・コモンズの在り方に関する提言』

 国立大学図書館協会は2012年に,「大学図書館における教育学習支援機能充実についての諸方策の調査・検討」を行うために,教育学習支援検討特別委員会を3年間の時限付きで設置した。同委員会には情報リテラシー基準を検討・策定する情報リテラシー教育検討小委員会(E1712参照)と,ラーニング・コモンズ(以下LC)を活用した学習支援活動の普遍化を検討する実践事例普遍化小委員会(以下LC小委員会)の2つの小委員会が設置された。今回報告する『ラーニング・コモンズの在り方に関する提言 実践事例普遍化小委員会報告』(以下『提言』)はLC小委員会によって作成された文書である。

E1711 - 課題解決支援サービスに関する実態調査報告書について

◯はじめに
 全国公共図書館協議会(事務局:東京都立中央図書館)では,2014・15年度の2か年で,「公立図書館における課題解決支援サービス」についての調査研究に取り組んでおり,2014年度は全国の公立図書館を対象に実態調査を行った。課題解決支援サービスについては,これまで先進的な事例紹介や,テーマをしぼった調査等が行われてきたが,全国の公立図書館を対象とした,サービス全体をとらえる調査は実施されていない。今回の調査で,サービスの全体像や実態を明確にすることにより,公立図書館の課題解決支援サービスの一層の充実に寄与できればと考えている。

E1712 - 『高等教育のための情報リテラシー基準2015年版』活用法

◯『高等教育のための情報リテラシー基準2015年版』策定の経緯
 国立大学図書館協会教育学習支援検討特別委員会は,2015年3月に『高等教育のための情報リテラシー基準2015年版』(以下『情報リテラシー基準』)を取りまとめた。当委員会は,大学図書館における教育機能の強化が求められている中,「大学図書館における教育学習支援機能充実のための諸方策についての調査研究を行う」ことを目的に2012年に設置された。「教育課程と連携した教育学習支援」及び「先行大学における実践事例とその普遍化」をテーマとし,大学図書館において具体的な課題となっている「情報リテラシー教育」と「ラーニング・コモンズ」に焦点をあてて検討を行ってきた。その成果が『情報リテラシー基準』と「ラーニング・コモンズの在り方に関する提言 実践事例普遍化小委員会報告」(E1713参照 )である。