アーカイブ - 2013年 - book

9月 26日

E1483 - 出版を志す人たちをサポートする公共図書館の諸活動

米国の図書館において,メイカースペースの設置など,多様な創作活動を支援する取組みが活発になっている(E1370E1378参照)。そんな中,創作活動のうちでも,特に人々の執筆や,それを出版する活動を支援する図書館の取組みに,改めて注目する動きが現れている。ニューヨーク州のモンロー郡図書館とニューヨーク州立大学ジェネセオ校のミルン図書館が中心となり,2013年8月に“Library Publishing Toolkit”と題するレポートを公表したプロジェクトがそれである。400ページほどある同レポートでは,その多くを大学図書館の取組みに割いているが,ここでは,前半部分に掲載された公共図書館の活動をいくつか紹介しておきたい。...

E1482 - 山形大学の事例からはじまる学認の次世代認証基盤構想

現在,大学ではユーザのIDを集中管理することで,一つのIDとパスワードで全ての学内サービスにログインでき,さらに,認証を一度行えば他のサービスに再認証なしにログインできるシングルサインオン(Single Sign-On:SSO)という環境の整備が進められている。SSOでは,これまでサービス毎に独自に行っていた認証処理をサービスから分離し,サービス間で共有する一つの認証サーバを用意して共用する。パスワード情報はサービス間で共用せず,認証サーバ内に閉じて参照されるため,セキュリティ向上にもつながる。すなわち,利便性と安全性を両立する認証基盤であるといえる。学認は,大学のこの認証システム(Identity Provider:IdP)を,商用を含む学外のサービス(Service Provider:SP)でも利用することで,大学の壁を越えたSSO環境を実現する。学認の重要な役割は,異なる組織が運用するIdPとSPが遵守すべき規定を定め,お互いの信頼関係を保つ,信頼フレームワークプロバイダー(Trust Framework Provider:TFP)として機能することである。...

E1481 - 大学図書館による研究データ公開支援にむけて:英国調査報告

国外では大学図書館が研究データの公開や共有を支援する例が増えてきた。しかし,大学図書館が支援を行う理由やサービスの構築方法は日本からは分かりにくい。そこで筆者は筑波大学の研究交流(派遣)制度を利用して,2013年8月6日と7日に早期から研究データの公開支援に取り組むエディンバラ大学とグラスゴー大学,およびデジタルキュレーションセンター(DCC)を訪問し,各機関の担当者にインタビュー調査を実施した。...

E1480 - 北米図書館でのRDA実践に関する調査報告

2013年3月31日,OCLCは2010年に発表された新たな目録規則Resource Description and Access(RDA;CA1766CA1767参照)のWorldCat適用に関する方針を公開した。RDAとは,英米目録規則第二版(AACR2)の後継にあたるもので,「書誌レコードの機能要件(FRBR)」(CA1665参照)に基づき設計された,目録を記録するためのガイドラインである。これに関し筆者は,国立大学図書館協会の海外派遣事業を通じ,8月3日から14日まで「北米図書館でのRDA実践に関する調査」を行った。...

E1479 - シンガポールで「未来の図書館」を考える:IFLA WLIC 2013

世界中の図書館関係者がこれほど多く集まる機会は他にないだろう。公式発表によると,8月17日から23日までシンガポールで開催された2013年国際図書館連盟(IFLA)・世界図書館情報会議(WLIC)年次大会の参加者数は3,750名,国は120か国にものぼったという。「未来の図書館:限りない可能性」というテーマのもと,会期中に行われた会議やセッションは200を超える。会期前後の図書館ツアーやサテライトミーティング,非公式の関連行事も含めると,数えきれない。アジアでの開催は,2006年のソウル大会以来となる。...

9月 12日

E1477 - もう一つのGoogleデジタル化 “Google Cultural Institute”

2013年8月19日,Google社は,広島平和記念資料館および長崎原爆資料館と協力し,両館が所蔵する原爆に関する歴史的資料を「Google歴史アーカイブ」で公開した。この歴史アーカイブに日本の歴史的資料が登場するのはこれが初めてという。図書館界でGoogle社のデジタル化と言えば,専らGoogleブックスによる資料デジタル化が取りざたされるが(CA1702,E857,E991, E1162参照),Google社は図書館だけにとどまらず博物館や美術館等との共同デジタル化も積極的に行っている。ここでは,そのプロジェクトを担っているGoogle Cultural Instituteを紹介する。...

E1476 - ゲティ美術館のオープンコンテンツプログラム

2013年8月12日,米国のJ・ポール・ゲティ財団は,所蔵する美術品に関する画像のうち,同財団が権利を保有する,もしくはパブリックドメインとなっているデジタル資料をオンラインで無償提供する「オープンコンテンツプログラム(Open Content Program)」を開始すると発表した。このプログラムにより,同財団の運営するJ・ポール・ゲティ美術館が所蔵する作品のうち,約4,600点の作品について,その高精細画像を制限なく利用することが可能となった。...

E1475 - 大きな広がりを見せる学際的研究ネットワーク:VIVO

2013年8月14日から16日までの3日間,VIVOカンファレンス2013が米国ミズーリ州セントルイスで開催された。今年の基調講演は,日本でもオープンガバメントの提唱者として名高いノヴェック(Beth S.Noveck)博士,PLoSのアドボカシーディレクターであるネイロン(Cameron Neylon)博士らが務め,学術研究の環境やそのプラットフォームがオープンであることの意義を確認し3日間の幕が開けた。カンファレンスには,共同研究,研究情報ネットワークに関わる研究者,図書館関係者,研究情報管理者,研究助成団体職員などの多岐にわたる関係者が参加し,講演やワークショップ,パネルディスカッションそしてポスターセッションにおいて,次世代の共同研究とネットワークについて活発な議論を繰り広げた。...

E1474 - 将来の情報環境の動向を見据えて IFLAトレンドレポート

2013年8月18日,国際図書館連盟(IFLA)は,シンガポールで開催中であった世界図書館情報会議(WLIC)・IFLA2013年大会において,「IFLAトレンドレポート(Trend Report)」を公表した。これは,将来の情報環境の動向を予測した資料集であり,その上で図書館は今後いかにあるべきかを世界の図書館界に対して問うたものである。...

E1472 - 「はだしのゲン」閲覧制限に関する図書館関係団体等の動き

漫画「はだしのゲン」について,松江市教育委員会が2012年12月に松江市内の市立小中学校に対して閉架措置及び貸出閲覧制限を求めていたことが,2013年8月に報じられた。この件は,その後新聞,テレビ等のマスメディアも大きく取り上げ,表現の自由,知る権利の保障,表現が子どもの教育に与える影響,歴史認識,図書館の在るべき姿や役割などをめぐって,各所で様々な議論を喚起するに至った。また作品自体を改めて読み直す動きも起こり,増刷が行われていることも報じられている。松江市教育委員会は,8月26日に臨時会議を開き,教育委員会事務局の手続きの不備を理由に閉架措置要請の撤回を決定した。それを受け中国新聞社が行ったアンケートでは,市内の9割の学校図書館で既に開架したか,あるいは近く開架すると回答したと報じられている。この一連の動きの中で,図書館関係団体が,要望や申し入れ等を行う動きがあった。...

8月 29日

E1471 - 深夜の図書館は誰がどのように利用しているのか<文献紹介>

米国オハイオ州にあるケント州立大学の図書館では2011年から24時間開館が実施されている。このスケジュールに慣れるに伴い,同大学の図書館員は,深夜の図書館を誰がどのように利用し,どのようなサービスや資料が求められているか,安全性に不安はないか,24時間開館は学生の成績向上や目標達成につながっているか,といった疑問を感じるようになった。これらの疑問から,同大学では利用者データ,アンケート,学生の成績データ等の調査を行い,論文にまとめた。...

E1470 - リポジトリデータを未来へ:デジタル保存ネットワークの取組

2013年の年初に,米国議会図書館(LC)のデジタル保存に関するブログ“The Signal”に,前年のデジタル保存事業の進展の10大ニュースが掲載された。この中の1つとして,デジタル保存ネットワーク(Digital Preservation Network:DPN)の設立が挙げられた。DPNの目指すものは,高等教育機関が共同して,デジタル学術情報やデジタル化資料,研究データ等様々なデジタル情報を長期に確実に保存することである。2012年初めの設立時において全米の50以上の機関が参加している。...

E1469 - SPARC Japanセミナー2013「人社系オープンアクセスの現在」

2013年8月23日,国立情報学研究所において,第2回SPARC Japanセミナー2013「人社系オープンアクセスの現在」が開催され,100名弱の参加者があった。セミナーの構成は4件の講演とパネルディスカッションであった。今回これに参加する機会を得たので,その概要を紹介する。...

E1468 - 第1回マイクロ・ライブラリーサミット,大阪で開催

2013年8月24日,「まちライブラリ@大阪府立大学」において,第1回マイクロ・ライブラリーサミットが開催された。日本には個人の思いや力で立ち上げられた小さな図書館が多数ある。このサミットは,そんな小さな図書館に思いを寄せる人たちが集ったイベントである。まちライブラリ@大阪府立大学の総合プロデューサーでもある礒井純充さんら有志の実行委員会によるものであり,会場には209名もの人が集った。実に17もの活動紹介があったため,ここではその概要を端的に紹介するにとどめる。登壇者の思いや活動のエッセンスが詰まった個性豊かなプレゼンテーションの動画は,ウェブで見ることができる。気になる活動はぜひチェックしてほしい。...

E1467 - 「本の力」展 ― 大震災を「忘れない」ために

3度目の3・11を迎えた今,<大震災>出版対策本部の相賀昌宏常任委員会委員長(小学館社長)はあらためてこう訴える。「大勢の人たちによって支援されていると実感することが,挫けそうになる心を支える大きな力になるはずですが,最近ではそうした空気が希薄になっています。未だに多くの人が震災によって引き起こされた惨状の中にいて,そこから自分たちの生活を取戻そうと頑張っていることを忘れないようにする。私たちが出版という仕事を担っている以上,その『忘れない』ということのために,さまざまな形で寄与すべきだと思う。」...

ページ