アーカイブ - 2013年 10月 - book

10月 24日

E1495 - ゴールドOAに偏重した英国のOA方針に対する批判と提言

 2013年9月,英国下院の産業・技術革新・職業技能委員会(Business, Innovation and Skills Committee: BIS committee)が,政府に対しオープンアクセス(OA)方針の見直しを求める報告書を公表した。BIS committeeは行政監視を主務とする英国下院省別特別委員会の一つで,産業・技術革新・職業技能省が扱うべき社会問題や,同省が関連する政策の妥当性等について,証言や文書記録の収集等を通じて調査する権限を持つ。その成果は報告書としてまとめられ,政府はそれに対し回答することが求められる。...

E1494 - Crowd4Uとヤフーがクラウドソーシングで共同研究

 2013年9月13日,筑波大学を中心とするCrowd4Uプロジェクトとヤフー株式会社は,5年間の計画でクラウドソーシングに関する共同研究を開始することを発表した。クラウドソーシングとは,インターネットなどを通じて不特定多数の人々に仕事(タスク)を委託することであり,Crowd(群衆)とoutsourcing(外注)(もしくはsourcing)の合成語である。2006年にハウ(Jeff Howe)氏がWired magazineで書いた記事で広く知られることとなり,近年注目を集めている。

 クラウドソーシングが注目を集める理由は数多くあるが,日本において注目を浴びたきっかけの一つは,2011年の東日本大震災である。当時,Google Person Finderやsinsai.info等のクラウドソーシングによる活動が展開された。Google Person Finderはクラウドソーシングを利用した安否確認サービスであり,sinsai.infoは提供された情報を地図上に表示するサービスである。非常時に限らず,世の中にはクラウドソーシングが有効な問題は少なくない。例えば,下記のいずれかの条件が当てはまる場合,クラウドソーシングは問題解決のための唯一の現実的なアプローチとなる事がある。(1)人名の同定など,計算機では難しいが人間には比較的容易な作業が大量に必要とされる。(2)専用ソフトウェアを開発すれば解決できるが開発の時間がない,あるいは専任の職員がいれば解決できるが雇用できない。

 クラウドソーシングという言葉がカバーする領域は広いため,多様な視点から分類することができる。例えば,タスクを行う動機が金銭報酬などの外発的なものか,それとも内発的動機なのかで分類可能である。また,タスクの大きさが数日かかるような大きな仕事なのか,それとも1分などの短時間で終わる簡単なタスク(マイクロタスク)なのか,といった視点からも分類可能である。...

E1493 - 東海北陸地区県立図書館間の定期宅配便,開始から10年

 「国立国会図書館サーチ」(CA1762参照)や「カーリル」(E1035参照)など,全国の図書館の蔵書を容易に検索できるシステムの発達等と前後して,筆者の所属する富山県立図書館においても,利用者から図書館に寄せられる県外への資料の要望は増加傾向にある。また,2012年3月に刊行された全国公共図書館協議会の『公立図書館における協力貸出・相互貸借と他機関との連携に関する報告書』でも相互貸借の改善への期待が示されているところである。県境を越える相互貸借(以下,県外貸借)への要望に対応する事業として,富山県は,東海北陸地区の6県(愛知,岐阜,三重,石川,福井及び富山)で,県立図書館間の相互貸借に関する協定を締結しており,県立図書館間の定期宅配便事業(以下,定期便)を実施してきている。本稿では開始から10年を迎えるこの事業について,その意義や課題を紹介する。...

E1492 - 新しいサービスを生み出し続けるピッツバーグの公共図書館

ピッツバーグ・カーネギー図書館(Carnegie Library of Pittsburgh)が,図書館員の主体的な活動によって,近年継続して新しいサービスを提供し続けている。数年前に始まったボランティアに運営を任せた様々な言語を学習するためのクラス,2012年に始まったティーン向けの図書館サービス「The LABS」,またこの2013年春からは受刑者とその家族向けに新しいサービスが開始された。同館は,米国東部ペンシルベニア州における第二の都市ピッツバーグに位置し,1895年に鉄鋼王のカーネギー(Andrew Carnegie)氏によって設立され,現在では予算のおよそ90%が公的資金によってまかなわれている。本稿では,同館が新しく始めたサービスのうち,特に新しいThe LABSと受刑者とその家族向けのサービスを紹介する。...

E1491 - 『図書館ロケット』の作詞・作曲者,畑亜貴さんインタビュー

 2013年10月よりNHKみんなのうたの新曲として,図書館と宇宙をテーマにした『図書館ロケット』が放送されている。作詞・作曲・歌唱は畑亜貴さんで,アニメーションは有限会社神風動画が制作している。これまで多くのアニメソングの作詞・作曲・歌唱を手掛けてこられた畑亜貴さんに,この『図書館ロケット』について,お話をうかがった。...

E1490 - 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2013/10/21現在)

 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況について,本誌での既報(E1466ほか参照)に続き,2013年8月下旬から10月中旬にかけての主な情報をまとめた。...

10月 23日

10月 10日

E1489 - 図書館システムベンダとユーザ会の共存―IGeLU大会<報告>

 IGeLU(International Group of Ex Libris Users/イグルー)はイスラエルの図書館システムベンダEx Libris社の製品を導入しているユーザのユーザ会である。欧州・北米の機関,特に大学図書館を中心として,42か国,345機関が参加している国際的な組織であり,Ex Libris社が主導している組織ではない。IGeLUの主な活動は,ユーザ会としてEx Libris社と交渉することであり,メンバーから選出された運営委員会を中心としてEx Libris社のマネージャー達と定期的な打合せを開いている。Ex Libris社の方針などに関する全体的な要望以外に,個別製品の機能強化のリクエストなどもメンバー内で意見を集約して伝えている。また,製品や,Linked Open Data(CA1746参照)などの特定のテーマごとにワーキンググループがあり,メーリングリストでの情報交換や,システムの機能や仕様の策定に協力している。IGeLUでは2006年から年次大会が開かれており,8回目の今年はドイツのベルリン自由大学を会場として開かれた。会議では基調講演,ユーザ会活動報告,Ex Libris社による製品戦略の説明・デモ,ユーザ会のメンバーによる実践例の紹介等があった。...

E1488 - ダブリンコアとメタデータの応用に関する国際会議(DC-2013)

 2013年9月2日から6日まで,2013年ダブリンコアとメタデータの応用に関する国際会議 (DC-2013;E988E1121E1232E1344参照)が,「未来へつなげる(Linking to the Future)」をテーマにポルトガルのリスボンで開催された。

 今回は,電子情報保存に関する国際学術会議(iPRES2013;E1354参照)と同時に開催された。どちらの会議のセッションにも自由に参加可能で,全体で37か国から392名,日本からは研究者や学生等9名が参加した。開催国のポルトガルからの参加が61名と最も多く、続いて英国及び米国が約50名、ドイツが約40名であった。...

E1487 - 紙の本のない公共図書館“BiblioTech”が米国に誕生

 2013年9月14日,米国テキサス州ベア郡のサンアントニオに,紙の本を所蔵していない公共図書館“BiblioTech”が誕生した。同地域のテキサス大学サンアントニオ校には紙の本がない大学図書館が既にあるが,紙の本のない公共図書館としては同国で初とされる。「未来」を感じさせるその図書館について紹介する。...

E1486 - Code4Lib JAPANカンファレンス宮城県南三陸町にて初の開催

 図書館関連のシステムに関する日本のコミュニティ“Code4Lib JAPAN”主催によるCode4Lib JAPANカンファレンスが,2013年8月31日から9月1日にかけて宮城県南三陸町にて行われた。初めての開催にも関わらず,全国各地から主催者の期待を上回る56名の参加を得て盛会のうちに終了した。参加者の半分以上は大学図書館や公共図書館でシステム管理以外を主務とする人たちであり,必ずしもシステムの運営や開発をしている人ばかりというわけではなかった。...

E1485 - 図書館の日常業務を小さな工夫から共有する「図書館100連発」

 「図書館100連発」とは,さまざまな図書館が行っている,小さいけれどきらりと光る工夫や事業を,公共図書館の事例を中心に100個まとめて紹介する取り組みである。ニコニコ学会βで行われた「研究100連発」に触発され,たくさんの事例を一気呵成に紹介する発表方式に魅力を感じ,これを図書館についてもやろうと考えた。これまでに,アカデミック・リソース・ガイド(ARG)株式会社が発行している季刊雑誌『ライブラリー・リソース・ガイド(LRG)』創刊号(2012年11月)と,同じく2012年11月の第14回図書館総合展のフォーラムで発表している。...

E1484 - 多様な図書館と人をつなぐ「はこだてLL文庫」の試み

E1484 - 多様な図書館と人をつなぐ「はこだてLL文庫」の試み

毎年夏になると,函館市内の図書館では「はこだてLL文庫」という名のちょっと変わった展示が一斉に行われる。企画・運営しているのは,函館市内の図書館連携プロジェクトチーム「ライブラリーリンク」。函館市内の公共,大学,短期大学,高等専門学校等の9つの図書館が館種を超えて連携し,函館市民や学生に学習や読書のより充実した環境を提供することを目的に活動している。「はこだてLL文庫」は,ライブラリーリンク参加館のうち市民サービスを提供する図書館が,同時期に同一テーマでそれぞれの所蔵資料を展示する特別企画である。函館市民が市内の多様な図書館に足を運ぶきっかけづくりとして始めた「はこだてLL文庫」の魅力と効果について紹介する。...

10月 9日