アーカイブ - 2011年 7月 5日 - book

CA1748 - 動向レビュー:デジタル教科書をめぐって / 澤田大祐

 2009年度の補正予算以後、小中学校において「電子黒板」(1)は、すっかり有名なものとなった。この次の世代の教材として注目されるのが、「デジタル教科書」(2)である。現在、「デジタル教科書」として市販されているものは、教員が「電子黒板」上に投影して、児童・生徒に提示することを目的とするものである。これに対して、導入に向けての検討が進められているのは、児童・生徒が1人につき1台の端末を使い、教科書やノートと同様に使うことのできる、「学習者用デジタル教科書」である。1人1台のノートパソコンの使用は、2000年代初めから導入事例はあった(3)が、本格的な議論になったのは最近1-2年のことだ。...

CA1747 - 動向レビュー:ONIX:書籍流通における出版社のメタデータ標準化 / 吉野知義

 書籍をはじめとする図書館資料は、著者による執筆を起点に、利用者がそれを閲覧するまでの一連で流通され、次々に提供される。その中には、出版社、書籍取次、書店、図書館のそれぞれの役割が存在している。各場面において、書籍を流通させ、管理し、探すためには、その書籍を表す何らかのデータ(メタデータ)が必要であることは言うまでもない。...

CA1746 - 動向レビュー:Linked Dataの動向 / 武田英明

 Linked Dataはデータの共有の新しい方法として近年認知されつつある。特にデータのオープン化(オープンデータ)の標準的方法として使われるようになっている。図書館の世界においても所蔵データや件名標目表をLinked Dataとして公開する図書館が相次いでいる。...

CA1745 - 外国児童文学の翻訳の歩み / 福本友美子

 国際子ども図書館が開館したのは2000年5月だったが、開館記念の行事として、社団法人国際児童図書評議会との共催で「子どもの本・翻訳の歩み展」が行われた。これは日本の子ども達が過去に読んできた児童書のなかで大きな位置を占める、外国語から「翻訳」された児童文学を歴史の流れに沿って通覧しようという試みであった。国際児童図書評議会の会員として長年翻訳児童文学の歴史を研究してきた筆者は、この展示会の実行委員として参加した。...

CA1744 - 大学図書館員の継続教育における汎用的能力の重要性 / 溝上智恵子

 専門職の継続教育は、①特定分野の知識や技能などの専門的能力のブラッシュアップをめざす教育と②あらゆる分野の業務に必要な汎用的能力のブラッシュアップをめざす教育に大別できる。これまで図書館員の専門性の確立をめざしてきた日本の図書館界では、養成教育のみならず、継続教育においても、専門的能力を養成するための教育に力点がおかれてきた。例えば、2007年に文部科学省生涯学習政策局社会教育課がまとめた『図書館職員の資格取得及び研修に関する調査研究報告書』の「第5章 司書等に対する研修事例の把握と特徴的な事例の整理」にみられるように、図書館員対象の研修においては、図書館サービス論、著作権、レファレンスサービス、図書館経営論が内容の大半を占め、汎用的能力にかかる内容はごくわずかにすぎない(1)。...

CA1743 - 被災資料を救う:阪神・淡路大震災からの歴史資料ネットワークの活動 / 川内淳史

 2011年3月11日に発生した東日本大震災により、東北・関東地方を中心とする東日本各地は甚大な被害を受けた。地震発生から1か月以上が経過した現段階(2011年4月26日現在)においても、1万人以上の行方不明者があり、今後の被災地の復旧・復興には困難を伴うことも予想される。そうした中、今回の震災では地震発生直後より日本国内外において文化領域に関わる復旧支援活動が広範な拡がりの中で展開され、すでに様々な取り組みがなされているが(1)、被災地である宮城や福島、岩手などでは、被災した資料や文化財の滅失の危機から救うべく、被災資料・文化財の救出活動が行われている。2011年4月1日には文化庁による「東北地方太平洋沖地震被災文化財等救援事業(文化財レスキュー事業)」が開始され、阪神・淡路大震災以来はじめて「被災文化財等救援委員会」が設置されることになった(2)。...