アーカイブ - 2011年 4月 - book

4月 28日

E1171 - 研究と研究者に対して図書館の持つ価値とは(英国)

2011年3月23日,英国の研究情報ネットワーク(RIN)と英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)は共同で“Value of Libraries for Research and Researchers”と題するレポートを公表した。レポートの目的は,英国の大学等による研究を支援するために図書館が備えている重要な特徴を明らかにすることにある。レポートでは,研究者に対して図書館が提供するサービスと,図書館が属する機関の行っている研究に対して図書館が果たす貢献の,それぞれの価値について体系的に分析されており,その結果として以下の10項目が挙げられている。...

E1170 - デジタル情報保存プログラムNDIIPP,設立から10年の報告書

2011年3月8日に,米国議会図書館(LC)が主導している「全米デジタル情報基盤整備・保存プログラム」(NDIIPP;CA1502参照)の2010年版の報告書が公表された。NDIIPPが設立された2000年からの10年間における活動と,今後の計画等を示したものである。報告書の要約部分から,その概要を紹介する。...

E1169 - 2010~2011年の図書館システムの市場動向は?(米国)

米国のLibrary Journal誌が2011年4月1日号でヴァンダービルト大学のブリーディング(Marshall Breeding)氏による米国内の図書館システム市場調査レポート“Automation Marketplace”の2010-2011年版を発表した。これは図書館における主要ツールの新たな展開について紹介したシリーズ“LJ Explores the Big Tools”の一編で,他に5編の記事がある。...

E1168 - 世界図書・著作権の日に各国でイベントが開催される

1995年にユネスコは,読書や出版,著作権を通じた知的財産保護の促進を目的に,毎年4月23日を「世界図書・著作権の日」(World Book and Copyright Day)と定めた。4月23日とされたのは,シェイクスピアやセルバンテス等の歴史上有名な作家が死去したとされる日にあたり,またスペイン・カタルーニャ地方で「サン・ジョルディの日」(サン・ジョルディとは聖人)として,本やバラを贈りあう日であることに因んでいる。日本でも,2001年に施行された「子どもの読書活動の推進に関する法律」によって,同日は「子ども読書の日」と定められている。各国では例年この日に,本や読書等に関連したイベントが開催されている。以下では,ユネスコによる「世界本と著作権の日」のポータルサイトに掲載された情報やインターネットニュース等の記事を基に,4月23日の各国でのイベントの様子をいくつか紹介する。...

E1167 - 非印刷出版物の法定納本に関する規則案をめぐる動向(英国)

英国では,2010年9月30日から2011年1月11日までの間,オンライン出版物等の非印刷出版物(non-print publications)の法定納本図書館への納本に関する規則案について,英国図書館(BL)等の納本図書館,出版社,関係団体等からの意見聴取が行われていた。2011年4月5日に,文化・メディア・スポーツ省(DCMS)は,意見聴取の結果を踏まえ,この規則案の実施を見送り,再度の検討を行うことを発表した。提案されていた規則案の概要と,それに対する反応等について紹介する。...

E1166 - 東日本大震災の被災図書館等への支援状況(2011/4/27現在)

2011年4月7日付けの『カレントアウェアネス-E』No.191(E1161参照)に掲載した「東日本大震災の被災者・被災図書館等への支援の輪が広がる」の続報として4月27日までの主な震災関連情報を紹介する。...

4月 20日

第4章 公共図書館における障害者サービスの事例的検討:ヒアリング調査から / 野口 武悟

 

1 はじめに

 第3章で述べた質問紙調査に加えて、障害者サービスに関して先進的な取組みを行っている公共図書館を抽出して、2010年10月から11月にかけてヒアリング調査を実施した。調査対象館(以下、対象館とする)は、浦安市立中央図書館、大阪市立中央図書館、大阪府立中央図書館、埼玉県立久喜図書館、千葉市中央図書館、調布市立中央図書館、名古屋市立鶴舞中央図書館、枚方市立中央図書館、横浜市立中央図書館の9館である。本章では、このヒアリング調査の結果から、対象館の障害者サービスの現状と課題を中心に述べる。

 

2 障害者サービスの歴史

 対象館の多くでは、視覚障害者読書権保障運動の高まりや「国際障害者年」(1981年)等を背景に1970年代から80年代にかけて、視覚障害者に対する対面朗読サービスを主として障害者サービスが始まっている。この時期には、「図書館利用に障害のある人々」へのサービスとの共通認識も形成され始め、視覚障害者以外の人々に対するサービスも徐々に追求されるようになり、現在に至っている。

第3章 公共図書館における障害者サービスの質問紙調査の結果分析 / 返田 玲子

 

1 はじめに

 この章では、今回の調査研究における質問紙調査の結果の概要を、過去に日本図書館協会が実施した障害者サービスに関する調査との比較を交えながら紹介する。比較に当たっては、『障害者サービスの今をみる』1)『図書館が変わる』2)『「図書館利用に障害のある人々へのサービス」全国調査報告書 1998年調査』3)を参考にした。紙幅の関係から全回答への分析ではないことをお断りしておく。

 

2 施設や設備

 障害者に関する設備については、2005年調査と比較して障害者用トイレ設置率2,297館(80.8%)が1,920館(84.5%)に、障害者用駐車場の1,571館(55.3%)が1,556館(68.5%)になるなど、館数としては減じているが割合で増加した。緊急用点滅ランプのみ435館(15.3%)から168館(7.4%)と減少した。障害者サービスを実施しているかどうかの設問で、実施していない理由の回答例を見ると、建物が古く財政状況などから障害者に関する設備が整備できないという記入もある。

第2章 IFLAから見る世界の図書館における障害者サービスの動向 / 野村 美佐子

 

1 はじめに

 日本では、2010年1月の改正著作権法の施行により、公共図書館など図書館の障害者に対するサービスの大きな変革が求められている。

 20世紀の世界の図書館の障害者サービスの発展の主たる指標は、紙による印刷物を読むことができない障害(print disabilities)がある人々の読書を支援するための、点字図書、録音図書、そして読みやすい(Easy-to-Read)図書1)の開発と普及だった。

 それに対して、21世紀の世界の図書館の障害者サービスは、1996年にIFLA(International Federation of Library Associations and Institutions:国際図書館連盟)のSLB(Section of Libraries for the Blind:盲人図書館分科会)の6会員団体によって結成されたDAISY コンソーシアムが開発したDAISY(Digital Accessible Information System:アクセシブルな情報システム)を軸にした発展を遂げていることが特徴である。

第1章 日本の公共図書館における障害者サービスの動向:1995-2010年 / 小林 卓

 

1 はじめに

 本章では、1995年から2010年までを中心とする約15年の文献から、障害者サービスのこの間の動向を概観する。1995年を起点とする理由は2つある。1つめは、1995年が現代の日本を俯瞰する上で、きわめて重要な年であることである。背景を簡略に述べると、1995年前後の特徴的なできごとは、以下の通りである。

4月 15日

報告書

調査研究報告書(PDF版)(全文)

・調査研究報告書(HTML版)(第1章~第4章)は以下のリンクからご覧ください。

※資料編はPDF版のみです。

4月 7日

E1165 - 国立公文書館に提出された歴史公文書等保存方法検討報告書

国立公文書館が2010年5月に設置した歴史公文書等保存方法検討有識者会議が,同館に対して「歴史公文書等保存方法検討報告書」(2011年3月付け)を提出した。同館はこれに基づき,所蔵している紙媒体の歴史公文書等の保存に際して,従来のマイクロフィルム化に加えて,場合に応じて,デジタル化を採用する等の方針を明らかにした。同館の歴史公文書等の保存方針を転換に導いた同報告書の内容について紹介する。...

E1164 - 「米国デジタル公共図書館」に関するワークショップが開催

2011年3月1日に米国のマサチューセッツ州ケンブリッジにおいて,「米国デジタル公共図書館」(Digital Public Library of America:DPLA;E1105参照)に関する初めてのワークショップが開催された。ハーバード大学バークマンセンターが主催したこのワークショップには,公共図書館・研究図書館の関係者や出版関係者等約50名が参加し,DPLAに登載するコンテンツと対象について話し合われた。このワークショップの概要について,DPLAのプロジェクトWikiサイトに掲載された報告資料に基づいて紹介する。...

E1163 - 英国図書館,2011-2015年の戦略を公表

英国図書館(BL)は,2011年2月に,2011-2015年の戦略「知識を成長させる」(Growing Knowledge)を公表した(E852参照)。2010年9月に公表された「2020年ビジョン」(E1104参照)の内容に基づき,2015年までの優先的取組み事項等を定めたものである。...

E1162 - Googleブックス訴訟,米国連邦地裁は修正和解案を認めず

Googleによる書籍のデジタル化プロジェクト「Googleブックス」をめぐっては,著作権侵害を訴えていた出版社協会・著者団体とGoogleとの間で2008年10月にまとめられた和解案(E857参照)に対し米国内外から多くの意見が寄せられたため,2009年11月に修正和解案(E991参照)が作成され,その修正和解案を裁判所が認めるかどうかが注目されていた(CA1702参照)。2010年2月に開催された修正和解案に関する公聴会から1年以上が経った2011年3月22日に,米国ニューヨーク南地区連邦地方裁判所のチン(Denny Chin)判事は,修正和解案を認めないという判断を示した。...

E1161 - 東日本大震災の被災者・被災図書館等への支援の輪が広がる

東日本大震災によって被害を受けた図書館等への支援の輪が広がっている。3月17日付けの『カレントアウェアネス-E』No.190に掲載した「東北地方太平洋沖地震発生後の図書館等の状況(速報版)」(E1155参照)の続報として,記事を執筆した4月6日までの,被災者や被災図書館等への支援の動きを中心に紹介する。...

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