2011年1月14日,欧州デジタル図書館“Europeana”が2011-2015年の戦略計画“Strategic Plan 2011-2015”を発表した。戦略計画の冒頭では,Europeanaの目的を,文化への新たなアクセス方法を提供し,欧州の社会的経済的発展を促すこと,と明確にしている。そしてその目的の達成には,デジタル化における知的所有権法制やデジタル化事業を加速することの必要性,長期的な財政基盤の確保が課題であると指摘し,戦略計画ではそれらの課題に立ち向かうためのアウトラインを示している。戦略計画は,次の4つのキーワードからなる戦略トラックで解説されている。...
OCLCは,2011年1月,「図書館の見方2010」(Perceptions of Libraries, 2010)と題するレポートを刊行した。レポートは,2010年1月にカナダ,英国,米国の人々を対象に実施されたオンライン調査の回答のうち米国内の回答のみを集計・分析した結果を基に作成されている。2005年に刊行したレポート「図書館と情報資源の見方」(Perceptions of Libraries and Information Resources;E422参照)の続編にあたり,2005年以降の技術や経済の進展を背景に米国の人々が図書館をどう利用しているのか等についてまとめられている。...
2011年2月1日,フランスで絶版資料のデジタル化と有償提供に関する基本合意が調印された。合意は,フレデリック・ミッテラン(Frédéric Mitterrand)文化・通信大臣(ministre de la Culture et de la Communication)と政府の投資計画委員長,フランス国立図書館(BNF),出版社組合(Syndicat national de l'Edition),及び文学者協会(Société des gens de lettres)のそれぞれの代表者との間で成立した。...
2011年1月10日,欧州委員会(EC)情報社会・メディア総局の有識者委員会(Comite des Sages)が,報告書“The New Renaissance”をECへ提出した。報告書では,博物館,図書館,文書館等の文化機関の所蔵資料をデジタル化して公開することが,文化や知識へのアクセス向上につながり,教育面でも大きな効果があること,また,デジタル化の新たな技術とサービスの発展に寄与するとして,経済的な利益をもたらすものであると述べられている。そして報告書では,その環境整備のために,6項目の提言が示されている。各項目の主たる内容は次の通りである。...
英国の研究情報ネットワーク(RIN)は,2011年1月に,研究者の電子ジャーナル利用行動に関する2年間の調査プロジェクトの最終報告書“E-journals: their use, value and impact final report”を公表した。プロジェクトの第1フェーズの調査結果は2009年4月に公表されており,最終報告書では,第2フェーズの調査結果が掲載されている。...
Library Journal誌の2010年12月30日号に,「デジタル世代は電源を求めて図書館を駆けめぐる」(“A Digital Generation Scours the Library for a Plug”)という記事が掲載された。持ち運び可能なデジタル機器の普及に伴い利用者が図書館内で電源を必要とすることが多くなったが,利用者スペースの電源コンセントが不足しているという問題をとりあげたものである。...
オーストラリアのクイーンズランド州で2010年12月末から2011年1月初旬に起きた大雨による洪水は,同州の4分の3の地域に被害を与えており,それは図書館にも及んでいる。オーストラリア図書館情報協会(Australian Library and Information Association:ALIA)が収集・公開している情報を中心に,2011年2月2日時点での図書館の被害状況や復旧状況を紹介する。...