2011年8月,OCLCの研究部門OCLC Researchが,一機関内における博物館・図書館・文書館(MLA)コレクションの統合検索をテーマとした“Single Search: The Quest for the Holy Grail”というレポートを公開した。これは,統合検索の導入に成功した機関の経験を共有することを目的とし,英ヴィクトリア&アルバート博物館や米ゲッティ・リサーチ・インスティチュート等9つの機関のメンバーによるディスカッションによる考察をまとめたものである。...
「デジタルメディアやデジタル技術は学術の世界をどのように変えうるのだろうか?」2011年5月21日,インターネット上でこのような問いが投げかけられた。この問いかけに対して1週間で寄せられた329の論考のなかから32本を選び編まれたのが,ここで紹介する“Hacking the Academy”である。同書は米国ミシガン大学図書館出版局から出版され,オンライン版はオープンアクセスで提供されている。なお,この出版バージョンに収録されていない論考も公開するウェブサイトが用意されている。...
2011年9月13日,国立国会図書館(NDL)において,米国議会図書館(LC)資料保存部特別プロジェクト担当官のロブ(Andrew Robb)氏による講演会“Recovery of Library Materials from a Major National Disaster”が行われた。東京本館および関西館(中継)を合わせ,計97名が参加した。ロブ氏は写真の資料保存を専門としており,世界各地の被災資料復旧ワークショップで講師を担当している。...
2011年9月13日付で,イングランド芸術評議会(Arts Council England:ACE)が,英国の博物館と図書館に対する今後の支援方針案をまとめた文書“Culture, Knowledge and Understanding: Great Museums and Libraries for Everyone”を公開した。これまで英国では図書館等への支援事業は,主に英国博物館・図書館・文書館国家評議会(MLA)が担当していたが,同国における経済危機を契機とした政府の業務再編の中でMLAの解散が決まった(E1128参照)。このことから,2011年10月1日にMLAの事業のうち博物館と図書館に対する支援事業をACEが引き継ぐことになったため,今回の方針案の公表に至ったものである。なお,同国の文書館に対する支援については英国国立公文書館(TNA)が担当する。...
英国図書館(BL)は,2011年9月15日に“Seeking New Landscapes”というレポートを公表した。これは,図書館資料のデジタル化において大きな課題となる著作権処理の問題について,著作権保護期間内にあるが著作権者が特定できない「孤児作品」(orphan works)の問題も含めて調査した結果をまとめたもので,調査は,欧州連合(EU)の支援を受けたARROWプロジェクトの一環として,2010年3月から2011年2月までの期間で実施された。...