アーカイブ - 2010年 - book

6月 24日

E1060 - 知識の生成と思索に貢献する“Europeana”を目指して

欧州デジタル図書館“Europeana”が,2005年の設立以来初めてとなる白書を刊行した。「知識=文脈の中の情報」(Knowledge = Information in Context)と題するこの白書は,Europeanaに携わるドイツ・フンボルト大学のグラートマン(Stefan Gradmann)教授によって著されており,Europeanaの役割が,文化遺産のデータを蓄積するにとどまらず,従来の電子図書館の枠組みを超えて,知識を生成することにあると述べられている。...

6月 22日

CA1722 - 研究文献レビュー:学校図書館に関する日本国内の研究動向―学びの場としての学校図書館を考える / 河西由美子

はじめに 2010年は「国民読書年」である。2000年の「子ども読書年」以来、2001年施行の「子どもの読書活動の推進に関する法律」を経て自治体の子ども読書推進計画も整備され、子どもの読書については成果の多かった10年といえるだろう。 ...

CA1721 - 動向レビュー:OCLCの最近の動向:OCLCのウェブ戦略とその展開 / 中元 誠

最近のOCLC年報(2007/2008年(1)および2008/2009年(2))において、WorldCatに収録されているレコードの急激な増加が報告されている。2007/2008年報では、1971年~2002年の30年余りの間の書誌レコードの件数が5,000万件であったことに対し、2002年~2008年のわずか7年間で5,000万件がWorldCatに搭載されたことが報告されている。また、2008/2009年報では、単年度で2億4,200万件のバッチロードが実行され、所蔵レコード件数は14億5,000万件に達したとされる。...

CA1720 - 動向レビュー:電子リソースの普及と研究活動への影響 / 佐藤 翔

1. はじめに 電子ジャーナルの利用が日常化し、電子書籍も普及しつつある等、学術コミュニケーションの在り様は近年大きく変化している。それに伴い教員や大学院生等の研究活動にも変化が現れると考えられ、多くの研究がなされている。本稿ではそれらの研究からいくつかを取り上げ、電子ジャーナル・電子書籍等の電子的なリソースにより研究者の行動がどのように変化したか、あるいは今後変化するかについて、情報探索・閲読行動、研究・執筆行動、情報発信行動、研究評価の観点から検討する。...

CA1719 - 動向レビュー:デジタルゲームのアーカイブについて―国際的な動向とその本質的な課題― / 細井浩一

1. Before It's Too Late 世界的に活動しているゲーム開発者、研究者のNPO組織「国際ゲーム開発者協会」(International Game Developers Association:IGDA)の専門部会である「ゲーム保存研究会」(Game Preservation SIG)は、2009年3月、最近のデジタルゲーム保存の現状と課題についての白書(以下、「ゲーム保存白書」と称する)を取りまとめた。...

CA1718 - 動向レビュー:電子化の現場からみたOCRの動向 / denshikA

1. はじめに インターネットを通じて、自宅や職場などから閲覧できる本が増えている。あるものは無料で、あるものは有料で閲覧することができる。電子化された本がインターネット上で公開される利点は、いつでも/どこでも読むことができるということだけではない。これまで目当ての本を探そうとすると、タイトル、著者名、分類などを頼りに探すしかなかったが、電子化された本は、その中の文章や内容の一部からでも検索可能となる。...

CA1717 - DAISYの新しい展開:DAISYオンライン配信プロトコル / 水野翔彦

2010年4月2日、DAISY(デイジー)規格を管理する団体であるDAISYコンソーシアムはDAISYオンライン配信プロトコル(以下、「プロトコル」)の仕様書を勧告案として公表した。これは、インターネットを用いて図書館などのサーバーから利用者のパソコンや専用端末までコンテンツを届けるための通信規格をまとめたものである。...

CA1716 - 図書館によるTwitter活用の可能性 / 原 聡子

シンプルなサービス「Twitter」旋風 近年、Twitter(ツイッター)というウェブサービスが話題である。本稿では、様々に指摘されているTwitterの特徴のうち一部を取り上げながら、図書館によるTwitter活用の可能性を探る。...

CA1715 - 図書館及び関連組織のための国際標準識別子ISIL / 宮澤 彰

ISO15511「図書館及び関連組織のための国際標準識別子」(International standard identifier for libraries and related organizations:ISIL)に対し、国立国会図書館が日本の登録機関としての準備を進めている。標準化の関係者にとっては長年の懸案が解決に向けて動き出すことになる。その名の通り、図書館等を識別するコードであるが、図書館関係者の間でもあまり知られていないこの識別子について解説し、その意義を述べる。...

6月 10日

E1059 - 2010年のISO/TC46国際会議が開催される <報告>

2010年5月10日から14日まで,韓国の済州島において,国際標準化機構(ISO)の情報とドキュメンテーション専門委員会(Technical Committee 46:TC46)の国際会議が開催された(E942参照)。日本からの参加者は,国立国会図書館から筆者を含め2名,他1名であった。...

E1058 - 図書館間相互貸借の環境への影響に関するレポート

OCLCの研究部門であるOCLC Researchは2010年5月17日,図書館間相互貸借(ILL)業務が環境に与える影響に関するレポート“Greening Interlibrary Loan Practices”を公表した。このレポートは,2010年1月に完了した委託調査の結果をまとめたものである。調査では,ILL業務における環境への影響を減らすためのベストプラクティスを見出す目的で,OCLCのネットワークに参加する12館に対し,聞き取り調査が行われた。さらに,10館からは配送方法やガイドライン,梱包材の成分などのデータが収集された。...

E1057 - アクセシブルな電子書籍プラットフォームに向けて

2010年4月,英国情報システム合同委員会(JISC)の一部門であるJISC TechDisとJISC Collections,及び英国の出版社団体Publishers Licensing Societyは連名で,“Towards Accessible e-Book Platforms”(『利用しやすい電子書籍プラットフォームに向けて』)という実践ガイド集を刊行した。文字の拡大,テキストの音声読み上げといった操作が可能な電子書籍は,印刷された文字を読むのが難しい障害(ディスレクシア,視覚障害,肢体不自由等)を持つ人々に,新しい可能性をもたらす。こうした特徴を持つ電子書籍を,誰にとっても使いやすい形で提供できるプラットフォームとはどのようなものなのだろうか。このような問題意識の下,上述の3機関が資金提供を行い,出版社が実際に提供している電子書籍プラットフォームを障害のある人に試してもらうという実験が行われた。この実践ガイド集は,実験で得られた障害のある人の意見を参考にして,今後の開発に役立つポイントをコンパクトにまとめたものである。...

E1056 - 現在のデジタル情報が未来に利用可能かタイムカプセルで検証

デジタル情報の保存においては,ハードウェアやソフトウェアの技術の進展が急速なため,古いデータへのアクセスが困難になるということが大きな課題である(CA1696参照)。欧州の国立図書館,文書館,研究機関等の16の機関により実施されているデジタル資料保存プロジェクト“PLANETS”では,デジタル情報の長期保存の問題についての意識を高めるため,様々な媒体に記録したデジタルデータを金属製のタイムカプセルに入れて物理的に保存し,将来のアクセス可能性を検証するという試みを行っている。...

E1055 - スタンフォード大学,本のほとんど無い図書館を計画

2010年5月,本のほとんど無い(bookless)図書館を新たに設置するというスタンフォード大学の計画が複数のメディアで報じられた。同大学の工学図書館(Engineering Library)と物理学図書館(Physics Library)を閉館し,資料をほとんど排架せず電子リソースの提供をサービスの中心とする工学図書館を新たに開館するというものである。新しい工学図書館は2010年7月に移動等の準備作業を行い,8月に開館する予定とされている。...

E1054 - ニューヨーク公共図書館,歴史上最も厳しい予算削減の危機

ニューヨーク公共図書館(NYPL)が,その歴史上最も過酷な予算削減の危機にある。2010年5月6日,ニューヨーク市長は,NYPLの次年度予算を3,680万ドル(約33億円)削減することを含む予算案を明らかにした。NYPLの年報によると,2009年の図書館の運営費用の約5割がニューヨーク市からの資金提供によって賄われていた。なお次年度の予算は,6月中に確定する予定である。...

5月 20日

E1053 - ハーバード大,「読む」とは何かに迫る資料群をウェブ公開

2010年3月,米国のハーバード大学図書館が“Reading: Harvard Views of Readers, Readership, and Reading History”と題し,「読む」という行為の本質の研究に役立つ資料群のウェブでの公開を開始した。同大学のダーントン(Robert Darnton)図書館長はこの取組みの意義を高く評価しており,「読むというプロセスは人間の行為の中心にある。それゆえに,すべての文明における極めて重要な要素として,研究に値する」「研究の原資料は豊富にあるものの,ほとんどの人にはアクセス不可能である。多様な所蔵資料からエビデンスを集めることにより,この刺激的な研究分野に誰もが,どこからでもアクセスできるようにすることを,ハーバード大学図書館は目指している」と述べている。...

E1052 - 英国の図書館協会,プライバシーに関するガイドラインを公表

英国の図書館・情報専門家協会(CILIP)の倫理委員会は,2010年3月に,図書館利用者のプライバシーに関するガイドライン文書“User Privacy in Libraries”をウェブサイトで公開した。情報アクセスの自由と個人のプライバシーとの関係への懸念が高まっているため,図書館職員や情報専門家の理解を深めるために作成された。プライバシー,利用者への周知,データ開示要求への対応,の3つが主な内容で,これらの項目について,留意点やチェック項目とともに,関連する法律や他のガイドライン等の参考資料,良い取組み事例等が紹介されている。...

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