2010年3月,米国のハーバード大学図書館が“Reading: Harvard Views of Readers, Readership, and Reading History”と題し,「読む」という行為の本質の研究に役立つ資料群のウェブでの公開を開始した。同大学のダーントン(Robert Darnton)図書館長はこの取組みの意義を高く評価しており,「読むというプロセスは人間の行為の中心にある。それゆえに,すべての文明における極めて重要な要素として,研究に値する」「研究の原資料は豊富にあるものの,ほとんどの人にはアクセス不可能である。多様な所蔵資料からエビデンスを集めることにより,この刺激的な研究分野に誰もが,どこからでもアクセスできるようにすることを,ハーバード大学図書館は目指している」と述べている。...
英国の図書館・情報専門家協会(CILIP)の倫理委員会は,2010年3月に,図書館利用者のプライバシーに関するガイドライン文書“User Privacy in Libraries”をウェブサイトで公開した。情報アクセスの自由と個人のプライバシーとの関係への懸念が高まっているため,図書館職員や情報専門家の理解を深めるために作成された。プライバシー,利用者への周知,データ開示要求への対応,の3つが主な内容で,これらの項目について,留意点やチェック項目とともに,関連する法律や他のガイドライン等の参考資料,良い取組み事例等が紹介されている。...
2010年4月,インド国立図書館(National Library of India:NLI)のウェブサイトでOPACが公開され,所蔵図書の一部が検索可能となった。当面の間,目録情報の公開範囲は,著者名,タイトル,件名等に限られるものの,数か月後には,全面公開となる予定である。NLIは,図書館機能の現代化に向けた取り組みの一環として,目録のデジタル化を進めており,既に,目録レコード240万件のうち14万件が,MARC21フォーマットに置き換えられた(CA860参照)。将来的には,すべての図書について作業が行われ,OPAC上で公開される見込みである。...
読書推進活動が活発な英国(CA1498参照)では,同国で人気の高いサッカーに関連させた活動も展開されている。プロサッカーリーグ「イングランド・プレミアリーグ」のチームと選手らによる“Premier League Reading Stars(PLRS)”と,2010年FIFAワールドカップに関連させた“Love Football : Love Reading”という2つの事例を紹介する。...